不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Siamo sempre stranieri

2005-07-26 00:00:29 | 日記・エッセイ・コラム
どんなにこの国を愛しても、
どんなにこの国を知ろうとしても
所詮われわれはいつまで経っても「外国人」なのだ。
日本の法律で
二重国籍が認められていない以上、仕方ない。

事あるごとに実感させられる事実。

イタリアごろごろ猫記のねるさんのエントリ
Essere immigrati 移民であること」を読んで改めて実感。

私もイタリア、
しかもフィレンツェにずっと滞在し続けて10年が経過。
最初は学生の身分でふらふらと暮らしていて
自分でも確かに「外国人留学生」の気分だった。
しかし、その後、就労目的の滞在に切り替えて
今ではイタリア国家に税金も年金も微々たるものの
きちんと納めていて
それでもなおかつ選挙権もなく「外国人」扱いなのだ。

私は学生のままこちらに居ついてしまったので
日本の住民票は実家に置いたままだし
日本の年金も国民健康保険も
手続きをしないままで
日本に暮らしている状態になっている。
もちろん選挙権も日本にあるわけで
それを別に放棄する気もサラサラない。

こんなに好きで暮らし続けている国だけれど、
イタリア人と結婚しているわけでもない私は
今の時点で骨をここに埋める気はまだない。
いつかは日本に帰るのかなとぼんやり思ったりしている。
ただ日本で暮らす自分の姿が想像できないだけに
将来を今見極めるのは難しいところだけれど。

そんな私の中途半端な状態で
「外国人」扱い云々を論じる資格はないのだろうけれど
やっぱり、日々のちょっとした出来事の中でも
「私は外国人」だと痛感することが多くて。

イタリア人の中では
Extracomunitariと一まとめにされている
EU諸国外からやってくる人々。
その中にあって
日本人はそれでも恵まれた環境だとは思うけれど
やっぱり法的扱いの中では
日本人もアルバニア人も同じ。

われわれ在住日本人からしても
一般イタリア人からしても
自国の経済的・政治的問題から
やむなく流れ着いてきているような
東欧諸国や南米、中国からの移民と
日本人や韓国人は明らかに立場が違う。

でも、滞在許可証の申請に行けば
悪名高いフィレンツェの警察署では
どこの国から来ていようと一まとめで
就労許可証の取得に
5時間待たされる事だって珍しくない。
移民が増えたおかげでイタリアの人口が増加し
出生率も上がっているし、
辛い仕事の従事者も確保できているのに
警察署での扱いは家畜同然だと、憤慨する。
無益な憤慨なのだけど。

私はレジデンツァ(居住する住所での定住登録)も
もちろん取得しているのだけれど、
このレジデンツァ自体の有効期限は5年間。
しかし、滞在許可証の更新のたびに
レジデンツァとの関連付けが義務つけられていて
滞在許可証を更新するたびに市役所に出向いて
報告と登録をすることになっている。
今年の6月に出向いた、
そのときに驚愕の事実を発見。
今まで知らなかったんですけど。

私のデータの一番下に
「1995年より日本から移民」と明記されていたのです。
本人は移民してきたつもりは全くなかったんですけど…。
法的な扱いではそうなるのですね。はぁ。

ちょっとショックだったのです、個人的に。
そして突発的に
Stingの「Englishman in New York」を
口ずさんでしまったのでした。


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Earl Grey

2005-07-24 19:25:05 | 日記・エッセイ・コラム
ここのところ、身体的にも精神的にも落ち着かず
なんだか不安定な感じ。

ようやく久々の休みで
家にいる時間が長くてほっとしているところ。

友人と会ったり、仕事で人に会ったり
誰かと食事をするのは決して嫌いじゃないけれど
基本的に一人で家で本を読んだり、
ビリーを眺めたり
コンピューターに向かっていることが好きな私は
そういう時間が減るとやっぱり不安定になる。

そんなわけでたまには家にこもりっきりで
一人ぼっちを味わいたいこともある。
変わったやつだ。といわれるけれど。

一月ほど目まぐるしかったのと暑かったのとで
アイスティーばっかり
引っ掛けて飲むような朝食が続いていたのだけれど
久々にホットの紅茶を。
日曜日の朝、遅く起きてゆっくりと紅茶を淹れた。
家中に紅茶のおいしそうな香りが充満していくのを
体全体で感じながら、なぜなのか涙が出た。

earl_grey
私の食料棚にはたくさんのお茶の缶が並んでいる。
気分にあわせて、食事にあわせて
色々と選べるようにもなっている。
昔はオレンジペコーばっかり飲んでいたけれど、
ここ数年、紅茶は基本的にアールグレイが好き。
TwiningsのLady Greyが別格で好きです。
写真はアールグレイ3缶。
今日いただいたのは
ゾウさんのついたWilliamson&Magorのアールグレイ。
くらぶアミーゴblogのハヤトさんから
かつてはるか遠くから送っていただいたものです。
他のものに比べると甘い香りが強くてとてもおいしいです。
ありがとう。

おいしい紅茶でした。




Yaris Expo

2005-07-23 23:45:00 | 日記・エッセイ・コラム
トヨタのVitz(ヴィッツ)。
欧州仕様ではYaris(ヤリス)。

友人宅からの帰り道、
友人の友人に家の近くまで送ってもらったのですが
前を走る車がヤリスでした。
「ヤリスはイタリアで人気だね」と言われたので
「日本でも人気だし、よくできた車だからねぇ。」と
何気ない話をしていたのですが、
よくよく見ると、
Yaris Expo」という表示。

ムムと思ってよく見ると
Expoの文字の横に黄緑と緑の物体。
モリゾー&キッコロつき!
かわいいな。
あれがなんだかわかって
敢えて買っているイタリア人が
如何ほどいるかは知りませんが
ちょっと羨ましかった。

日本には「モリゾー&キッコロ」仕様のヴィッツはあるのでしょうか?


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Sara' buona annata

2005-07-22 10:23:27 | Squisito!
イタリアの夏は暑いほうがいい。
ヴァカンスを楽しむ人のためにも、そしてワインのためにも。

今年の気候はブドウの生育に最適ということで、
このまま秋まで正常にいけば
トスカーナのワインはかなりいい出来になるようです。
まぁ、ここ2・3年はずっと、こういう感じですが。
質の高いワインが出来るとともに、
今年は収穫量も多くなりそう。
現時点での見込みでは
250000000から280000000リットルと言われています。
(と言われてもあまりピンとこないのですけど、
いったいボトルにしたら何本なんだ??)

来週あたりからVendemmia Verdeが始まります。
いわゆる「間抜き」。
余分についているブドウを摘み取っていくわけですね。
そしてトスカーナではワイン用ブドウの摘み取りは
9月15日から10月初旬くらいまでがピーク。

人生に一度でいいから
イタリアでワイン用ブドウの摘み取りのバイトしてみたいな。
かなり重労働だと聞くけれど。