超人日記・俳句

自作俳句を中心に、自作短歌や読書やクラシックの感想も書いています。

歳時記俳句・木の芽雨

2024-04-26 00:03:00 | 自作俳句
木の芽雨終れば直ぐに餡蜜屋
木の精の気配漂い草芽吹く
寒暖差疲れを感じよもぎ餅

春の雨瞳の奥は晴れ渡る
そこに居た人影消えて浅霞み
風船をまた追う様に後半生

舞い上がる雲雀の声の残りけり
大曲を三回聞きて暮れかねる
画板下げ数行書けば帰る雁

桃の花 遊びに暮れし遠き庭
辛夷にも聞かれぬ様に伝えけり
桜草咲き乱れたる野に惑う
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心境短歌・蜂蜜の刻

2024-04-25 15:52:17 | 自作短歌
久々に晴れ間が見えて暖かな春の妖精見える木洩れ日
道端の忘れな草も知っている巣箱の蜜を幾度も思う
存在が割り当ててくる命運を両手を広げ受け入れる春

朝比奈のベートーヴェンはどう見ても新日フィルの録音が好い
朝比奈のブルックナーを聴き比べ大フィルよりも新日フィルか
オウディーテ・マーラーライブの迫真よクーベリックの真価見出す

風流は俳句に任せこの先を生きる指針は歌で探ろう
身の上に今残された隠れ家と筆の自由に生きるしかない
ラナンキュラスとカーネーション、デルフィニウムを渡す瞬間

時々は夢見てしまう幻想に封印をして今ここを生きる
天空で遠く離れた双子座と星座の距離を引き寄せる糸
薄緋色、橙色と海の青夢の栞に秘められた意味






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歳時記俳句・若葉冷え

2024-04-25 00:03:23 | 自作俳句
春陰の苺ケーキや老店主
花疲れ洗濯物の店遠し
若葉冷え町を歩きて花探し

消耗のひどい春日甘い菓子
歩けども藤棚に次ぐ藤棚や
猫の恋終わりし頃に人の恋

下萌えの草を歩いて布の靴
懐かしき写真を眺め夢朧ろ
春雨の合間を縫って珈琲へ

春燈に久々に読む芭蕉かな
甘い物取りて春眠別天地
菜の花の真ん中を行く大胆さ
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歳時記俳句・仏の座

2024-04-24 00:03:26 | 自作俳句
爽やかな帰宅の途中杏咲く
水のない川に燕の滑空す
夢の人浮かぶ路傍の霞み草

木苺の花中庭の床の舞い
北国のスノードロップ店仕舞
登山者をじっと見て居る猫目草

緑林の背に広がりて春りんどう
ハンカチの花に近づく森の熊
庭先の一人静や書をめくる

草木に鐘深々と仏の座
あめんぼう泳ぐ小池に水草生う
春風が汗を乾かす行き帰り
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歳時記俳句・牧開き

2024-04-23 00:03:20 | 自作俳句
片笑窪君影草の芽に思う
昔日や見るものすべて朧ろなり
春曙から日が昇るまで肌寒し

春光に樹々の命の輝きて
風光る通学生の溌溂や
土降りて遠き異郷となりにけり

水温む鏡に映る寝起き顔
牧開き牝馬の声が聞こえけり
天竺画サッシに貼りて花まつり

雲雀啼く野を歩きたし黙々と
若草の匂いを帯びて髪なびく
図書室の窓の木洩れ陽春深し
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