折々スケッチ

小さなスケッチブックやハガキに水彩と鉛筆ペン等で描いた絵を中心に、感じたこと等日記代わりに添えています。

小春日のベンチで

2018年11月19日 | 秋の風景



孫の学芸会を見た後娘夫婦と別れて紅葉の見ごろな公園へ行きました。
イチョウは黄色く色づいてケヤキは小さな音を立てて散っていました。
公園を一回りしてベンチでスケッチ。

自転車でやって来たおばあちゃんが「ええ天気だね~」とベンチの端に座りました。
「絵を描きなさるのはええ趣味だね」と「ひとりになってからは時々美術館に行くんだわ」
「ただでええもん見せてもらえてね~」私は相槌を打つだけ。おばあちゃんは1人でしゃべってる。
「あんたは若いでまだええけど・・・」ほら きた!相手の年齢を聞きたい時の常套句。
「そんなことないよ変わらないでしょう」と私。「18年生まれだで」とおばあちゃん。
「私は17年、変わらんねぇ」「そうだねぇ~」おばあちゃんは安心したように次から次と
話しは尽きない。
勝手におばあちゃんと書いていますが、そう見えたのです。そして私も同じなんだと。

公園の隣は夫が入院して何度も危機をむかえた病院。
退院後も通院のたびに立ち寄って休憩した想い出の場所です。
あのおばあちゃんとのおしゃべりが無ければ私は夫との思い出に沈んでいたかもしれません。

一枚描き終えて立ち上がるとお互いに「気をつけてね」とお別れしました。
小春日の公園で出会った人とのひと時のおしゃべり。
ふっと知らない人にも話しかけることができる柔らかい心、鎧で固まらないで誰からも話しかけて
もらえるような、まぁるい人でありたいと思った午後でした。

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