折々スケッチ

小さなスケッチブックやハガキに水彩と鉛筆ペン等で描いた絵を中心に、感じたこと等日記代わりに添えています。

手作りの額

2018年11月30日 | 秋の風景



私の展覧会に来てくださった姉の知り合いの方が「額縁を作ってあげよう」と言われました。
その方は指物屋さんなので細工物はお得意、注文通りの寸法で作ってくださるという。
指物屋(さしものや)さんとは指物師ともいい板を差し合わせてタンスや箱ものなどを作る
木工職人の事。
姉は元材木屋、まだ多少は倉庫に残っているらしい。

既製品の額にはない大きさで欲しかった額の寸法を連絡するとすぐに倉庫から材料を選んで
作業が始まったようだと姉から電話がありました。
材料等は高価な木材などでなくていいからシンプルにして塗装もなしでとお願いしました。
絵に合わせると白木の方が良かったり自分で好きに塗装できたりする方が良いのです。

若い時は額縁などは買えなかったのでラワン材の薄い角棒を買って来て自分で作りました。 
それでもいい感じだと思っていました。

しばらくして指物屋さんが見本を持って来られて、びっくり!
とてもきれいな仕上がりなのですがすべすべした幅広の枠の内側に何段もの段差をつけてグレーの
縁取りがあるのです。
「木は米国産のヒバで縁取りは神代杉だよ」と。
神代杉は千年以上もの間地中や湖底に埋もれていた杉で掘り出された後で空気に触れて灰色を
帯びたものです。
本業は引退されても腕の見せ所と頑張ってくださった指物屋さん。
これでは私がペンキなど塗ればがっかりされそうです。





見えない裏側にも凝った杉材を使ってあるのでここはベニヤ板で、紐の位置も真ん中ではなくて
などとまた注文。「材料はまだあるでね・・・」と。
絵に合わせて額を作りたい私と腕を振るいたいお爺さんと、折角のお気持ちがチョットすれ違い。
姉は「仕事が出来て張り切ってみえるでねぇ」と笑います。
そして、すべすべに仕上がった額が何枚も届きました。
本当は額など作ったのは今回が初めてという指物師のお爺さん。それなら一枚は手元に置いて
もらいたくてお礼の気持ちも込めて私の絵を入れて宅配便で送りました。

喜んでいただけるか、戻されてきたと思われるかどちらかなと少し心配もしています。

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