折々スケッチ

小さなスケッチブックやハガキに水彩と鉛筆ペン等で描いた絵を中心に、感じたこと等日記代わりに添えています。

思い出のイチジク

2022年09月27日 | 果物





イチジクを1パック買いました。8月中も売り場を覗いては買いたかったイチジク。結構高価なのでためらったまま過ぎてしまい季節が終わってしまいそうに思えて小さな実を4個。小さくても一口食べれば香りも種のプチプチも懐かしいイチジクです。

私の記憶にあるイチジクは子供の頃の朝一番に桶を抱えて畑でイチジクを摘んだこと。何本あったのかかなりの数が採れました。
白い汁で口元がかゆくなるほどいっぱい食べられた夏の楽しみ。その朝の一番形が良くて美味しそうな実は姉の嫁ぎ先へ持って行くのが私の仕事でした。その頃の姉の家は子供の足でも1時間はかからないで行けるのですが「転んだらいかんよ」と言われているので菓子の空き箱に詰めたイチジクを大事に持って行きました。姉の嫁ぎ先は黒い塀に囲まれて暗い感じの家で、母にはいつも「大きい声でちゃんと挨拶しやぁよ」と言われるのを思い出して緊張しながら玄関を開けると大抵姉はいなくて、「よういりゃぁたな」と迎えてくれるのは怖そうなお姑さん。帰りにはちょっとしたお土産をいただいき、外に出ればあとは家までスキップしたくなる気分でした。

イチジクを食べながら思い出すのはもう亡くなった人ばかり。夏の日にイチジクを収穫した焼け跡の畑は今はマンションが建っています。あれから70年も過ぎたのですから・・・。小さな特売のイチジクは昔をたくさん思い出させてくれました。



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