私は中年である。
毎日「疲れた疲れた」と口にしているが
本当のところ「疲れている」中年である。
さて、最近本のことのUpが滞ったが読むことは、
少々ペースが落ちたが着実に進んでいる。
今回はある本を取り上げながら私の「本の読み方」を
Upしようと思う。
「落日燃ゆ」(城山三郎著)
この本は非常に面白かった。城山三郎という作家は
非常の文章が淡々と進む。抑揚があまり無く、ドラマチックに
物事を進めることをしない。
小説というものの考え方には、エンターテイメント性の
高い物を求める読者は多いと思うが、私はこのごろ虚構の中の
小説に限界を感じている。(・・というほど小説を読んでは
いないが・・・)
しかし、現実に起こったこをそのまま書いたのでは、
小説ではなくルポルタージュになってしまい生々し過ぎる。
知識として取り込むにも人の「感情・感覚」がまったく無い
文章は苦痛に感じることが多い。
そこで、歴史小説のようなものが多くなる。
厳密に言えばこの「落日燃ゆ」は歴史小説に分類されない
かもれないが、内容は非常に壮大だ。
私のライフワーク
「日本は何故、勝てる見込みのないアメリカに
戦争を挑んだか」
という疑問を埋める「ひとつのピース」がこの本にはある。
太平洋戦争を軍事的なことから見ている本は非常に多い。
時の流れの中でどういう戦術をとり、いかに失敗したか。
そうした分析は何度も成されてきている。
しかし、「そうしたときに政治家はどう動いていたか」を
書いた本はとても少ない。
軍部が中心に国が動き出した時に「政治」は、
無力化してしまう。その中でも、政治家たちはその
パーソナリティにおいて、風見鶏的動きをした者。
ひたすら頭を下げていた者。完全と立ち向かった者。
様々居たはずだ。
そのことをこの本はA級戦犯の中で死刑になった
ただ一人の文官「広田弘毅」を中心に書かれている。
この時代の政治家は、陸軍の振り回す打ち出の小槌こと
「統帥権」に苦しみ、ほとんど自分の思ったことが出来なかった。
そうした意味においても、文官がA級戦犯になることは
無いはずだった。
にもかかわらず、広田がそうなった理由の大部分は、
「本人が弁解をしなかった」ことにある。
この本の最大の面白さは、終戦後の近代日本の大部分を
担った「政治家 吉田茂」が外交官として随所に登場して
「同期だった」広田とその運命の変転を対比されていることだ。
吉田茂が総理大臣となってからの物語は「小説吉田学校」に
詳しい。「落日燃ゆ」から「小説吉田学校」を読むと、
完全なる太平洋戦争の開戦から中曽根総理の時代までが
わかってくる。政治の歴史に興味のある方にはお奨めだ。
(もっとも、全部で文庫にして10冊以上になるが)
終戦までの「政界」の状態という私の歴史観のピースを
またひとつ埋めることが出来た。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなに幸福が訪れますように。
歴史のことがつながって分かってくると本当に
目から鱗が落ちるって感じなんだなぁ・・・。 may
毎日「疲れた疲れた」と口にしているが
本当のところ「疲れている」中年である。
さて、最近本のことのUpが滞ったが読むことは、
少々ペースが落ちたが着実に進んでいる。
今回はある本を取り上げながら私の「本の読み方」を
Upしようと思う。
「落日燃ゆ」(城山三郎著)
この本は非常に面白かった。城山三郎という作家は
非常の文章が淡々と進む。抑揚があまり無く、ドラマチックに
物事を進めることをしない。
小説というものの考え方には、エンターテイメント性の
高い物を求める読者は多いと思うが、私はこのごろ虚構の中の
小説に限界を感じている。(・・というほど小説を読んでは
いないが・・・)
しかし、現実に起こったこをそのまま書いたのでは、
小説ではなくルポルタージュになってしまい生々し過ぎる。
知識として取り込むにも人の「感情・感覚」がまったく無い
文章は苦痛に感じることが多い。
そこで、歴史小説のようなものが多くなる。
厳密に言えばこの「落日燃ゆ」は歴史小説に分類されない
かもれないが、内容は非常に壮大だ。
私のライフワーク
「日本は何故、勝てる見込みのないアメリカに
戦争を挑んだか」
という疑問を埋める「ひとつのピース」がこの本にはある。
太平洋戦争を軍事的なことから見ている本は非常に多い。
時の流れの中でどういう戦術をとり、いかに失敗したか。
そうした分析は何度も成されてきている。
しかし、「そうしたときに政治家はどう動いていたか」を
書いた本はとても少ない。
軍部が中心に国が動き出した時に「政治」は、
無力化してしまう。その中でも、政治家たちはその
パーソナリティにおいて、風見鶏的動きをした者。
ひたすら頭を下げていた者。完全と立ち向かった者。
様々居たはずだ。
そのことをこの本はA級戦犯の中で死刑になった
ただ一人の文官「広田弘毅」を中心に書かれている。
この時代の政治家は、陸軍の振り回す打ち出の小槌こと
「統帥権」に苦しみ、ほとんど自分の思ったことが出来なかった。
そうした意味においても、文官がA級戦犯になることは
無いはずだった。
にもかかわらず、広田がそうなった理由の大部分は、
「本人が弁解をしなかった」ことにある。
この本の最大の面白さは、終戦後の近代日本の大部分を
担った「政治家 吉田茂」が外交官として随所に登場して
「同期だった」広田とその運命の変転を対比されていることだ。
吉田茂が総理大臣となってからの物語は「小説吉田学校」に
詳しい。「落日燃ゆ」から「小説吉田学校」を読むと、
完全なる太平洋戦争の開戦から中曽根総理の時代までが
わかってくる。政治の歴史に興味のある方にはお奨めだ。
(もっとも、全部で文庫にして10冊以上になるが)
終戦までの「政界」の状態という私の歴史観のピースを
またひとつ埋めることが出来た。
今回も最後までお付き合いいただきありがとう。
これを読んだみんなに幸福が訪れますように。
歴史のことがつながって分かってくると本当に
目から鱗が落ちるって感じなんだなぁ・・・。 may