電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ハイドンのオラトリオ「四季」から、「春」を聴く

2016年03月22日 06時03分06秒 | -オペラ・声楽
当地・山形への春の到来にあわせて、このところ春の音楽を選んで聴いております。ここしばらくは、ハイドンのオラトリオ「四季」から、カラヤン指揮ベルリンフィルの演奏で、「春」。以前、「夏」を取り上げたことがあります(*1)が、まとまって聴くのはあのとき以来です。

この曲は1799年~1800年に作曲が進められ、1801年に全曲が完成したとのこと。それは、若いベートーヴェンが、交響曲第1番とピアノ協奏曲第1番などを引っさげてウィーン・デビューを果たす頃ではなかろうか。ハイドンとベートーヴェンと言うと、なんだかハイドンの方がずっと古いような印象を持ってしまいがちですが、どうしてどうして、まさに同時代なのですね。

第1曲、序奏とレチタティーヴォ「見よ、厳しい冬も」。このダイナミックな始まりは、若いベートーヴェンと同時代であることを強烈に印象づけます。
第2曲、合唱「来い、のどかな春よ」。この曲ののどけさが、いかにも春の訪れらしくて好きなんですよ~(^o^)/
第3曲 ごく短いレチタティーヴォ「天の牡羊座から、今」。第4曲、アリア「農夫は今、喜び勇んで」は、思わずスキップするような陽気で軽やかな音楽。さりげない転調も効果的です。第5曲、こちらもごく短いレチタティーヴォ「農夫は今、骨惜しみをせず」。
第6曲、三重唱と合唱「慈悲深い天よ、恵みを与えてください」。素朴で敬虔な祈りの音楽ですが、どことなくオペラ的な要素も感じられます。
第7曲、レチタティーヴォ「私たちの願いは聞き届けられました」。第8曲、三重唱と合唱「おお、今や何と素晴らしい」(喜びの歌)。第9曲、合唱「永遠にして、全能の、恵み深い神よ」。ここでは、とくにベルリン・ドイツ・オペラ合唱団による合唱の素晴らしさにうたれます。

ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
シモン:ワルター・ベリー(Bass)
ハンネ:グンドゥラ・ヤノヴィッツ(Sop.)
ルーカス:ベルナー・ホルヴェーク(Ten.)
CD:EMI CMS 7 69224 2
録音:1972年、ベルリン、イエス・キリスト教会

演奏は、強弱のメリハリをはっきりと付けたダイナミックなものです。農夫と娘と恋人の会話にしては、ずいぶん立派過ぎるような印象もありますが、それでもこの演奏を聴くと、納得してしまいます(^o^)/

(*1):ハイドンのオラトリオ「四季」から「夏」を聴く~「電網郊外散歩道」2015年7月

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