電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

電動ベッドが老母にもたらしたもの

2022年05月17日 06時00分56秒 | 健康
転倒し腰の痛みから寝たきり生活になっていた95歳の老母、電動ベッドの導入で何をいちばん喜んだかというと、意外にもベッドの両側の手すりでした。それまで、腹筋や背筋の衰えでしょうか、フラットな座面位置から起き上がるのが困難になっていましたが、電動ベッドを調節して上半身を少し起こした状態からだと、両側の手すりに手をかけて、腕の力も借りてヨッコイショと起き上がることができるようになりました。そうすると、今まで横になって食事をしていたのが、起きてベッドに腰を掛けて食事をするようになり、さらに歩行器で歩いてトイレに向かう気力が出てきたようです。

自分で体を起こすことができる、それはストレートに前向きな意欲につながる条件のようです。私自身は電動ベッドの導入のねらいを、上半身を起こすことさえできればいいと考えていましたが、結果的にはもう一歩進めて、歩く意欲につながったようです。

そういえば、足が不自由な人がかけっこで負けることを悲しむ必要はない、例えば電動車いすだとか、可能ならば自転車などで走ればいいだけなのだ、という言葉を聞いたことがあります。不自由さを補助する道具を使えば、移動の目的を果たすことはできる。「移動の自由」という言葉がありますが、たしかに人生においてはスムーズに移動できることが大事なのであって、かけっこの勝敗は目的ではない。

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