ねこ吉のよしなしごと

どうでもいい事ばかり書いていますが・・・。すっかり備忘録になってます。

着物の事

2023-02-15 13:43:22 | 思い出


昨日はバレンタインデーでした。
テンプレートに写真をはめたカードをどうぞ。


月曜日はゴミ収集日の日だった。

日曜日の午後、リフォームの最終打ち合わせ。
いよいよ、本格的に部屋の片づけを始めなければいけない。
工事が始まる3月までに、和室にあるドレッサーや、箪笥、押し入れの中のものを全部掘り出して、いらない物は処分をしなければ・・・。

結婚するときに持ってきた、ドレッサー、箪笥を今回処分する。
洋服ダンスは、阪神大震災の時に処分したけど、上にガラスの宮付き箪笥に一杯着物を入れている。
母が丹精込めて作ってくれた着物だけど、箪笥の肥やしになっている。
ねこ吉が、着物を着たのは娘のお宮参りと3歳の七五三のときだけ。

以来、ねこ吉は着物を着ていない。

振袖は、成人式に娘が着てくれた。
鮫小紋風の着物は、娘の大学の卒業式に着てくれた。

きっと、母は喜んでくれたはず。
生きていれば、絶対孫に何か買ってやりたいと思っていたはずだから。



日曜日の夜、開かずの間の様になっていた箪笥を開けた。
ねこ吉の管理が悪くて、胴裏にシミが出てる。
表布は大丈夫のようだ。

しかし、じっくりと眺めると思いきれなくなるので、畳紙を開けて柄の確認したらゴミ袋に入れる。

まだ、仕付け糸が付いたままの物もあった。

ねこ吉が会社に入ったころから、土日には、母と一緒に阪急や大丸に出かけて着物を買ってもらった。
結婚が決まったわけでもなく、ねこ吉が欲しがっているわけでもないのに、小紋や色無地、喪服に至るまで。
悲しいことに、ねこ吉は母の葬儀に母が作ってくれた喪服を着て出た。

裕福ではなかったので、母が内職してコツコツためたお金で買ってくれたのだと思う。
祖母に知られると具合が悪いので、仕立て上がると親戚の家に預けてあった。

何処で聞いてきたのか知らないけど、箪笥を一杯にするために、「古い着物も仕付けをかけてもらって入れるといい。」と聞いてきた。

母が当時着ていた数少ない着物の中から、大島風のひし形模様の着物がねこ吉がは好きだった。
母は「洗い張り」に出して、ねこ吉の寸法に仕立て直してくれた。
海老茶の絞りの入った長い羽織も同様にしてくれた。

何故に、すぐに必要でもない着物を買ってくれるのか・・・。

今考えれば、母は自分の病気に気づいていて何としてもねこ吉の着物を揃えておかなければと思っていたのだろう。

そんな思いをして作ってくれた着物を、振袖と、小紋2枚、付け下げ、留めそで、それらの着物に合わせた帯を残して、ゴミ袋に入れた。

お母さん、本当にごめんなさい。

でも、今回のリフォームを機会に処分しなければ今後娘が困る。
娘が着られそうな着物を残したけど、おそらく娘は着ることはないと思う。

まして、「振袖はいらないよ。」と言われた。



ねこ吉の振袖は、大丸心斎橋店で買ってもらった「千總」の振袖。
うちの家にしたら、身分不相応の振袖だった。

2015年12月9日「さよなら、大丸心斎橋店」のブログにも、振袖を買った経緯などを書いている。

どうしても処分出来ないので、考えに考えて、ねこ吉が死んだらお棺に入れて持っていくことに決めた。「書き置きの事」にしっかり書いた。

ねこ吉は、死んだらあの世で母と会えると思っている。

母に会ったら、「振袖、持って来たわ。」というつもり。



ゴミ収集日の月曜日は雨が降っていた。
パーカーを着て重いゴミ袋を持って2往復した。

雨は、ねこ吉の涙雨です。
振り向くと未練が残るので、振り向かなかった。「さよなら、着物たち。」

ブログに書き始めてもなかなか書けなかった。
今日までかかってしまったのです。