クーたんとココ君のお家

燕尾服を着た女の子クーたんと神戸から来たやんちゃ坊主ココ君の小さなドラマ。

母のスツール

2006-07-25 05:42:18 | Weblog
以前にも書いたが、亡くなった母は多くの趣味を持っていた。その一つが皮細工である。今も我が家には母の作った皮の工芸品が残されている。クーが座っているスツールもその一つだ。樽に細工を施した皮を張ったもので、上の座る部分を空けると物入れとしても使える。
このスツールは、洋間の入り口に置いてあり、クーが良く座っている。ソファーに座っている僕を呼ぶ時には、スツールの上に立ち上がり、手をソファーに掛けて「ミャー」と可愛い声を出す。今日もそうであった。スツールに上がり、雑誌を読んでいる僕の耳元で「ミャ~ァ~」と。自分はさっさと玄関に出て、扉のノブに手を掛けて立ち上がった。クーを抱いて外に出ると霧の空だ。電線には数羽のカラスが止まっておしゃべりの真っ最中だった。近所のおばあさんが通りかかり「この間ね、子猫がカラスに噛まれ、通りかかった人が病院に連れてったの。あとで聞いたら軽い傷だったらしいけど。こいつら悪さするからね」茶色のお兄ちゃん猫ちゃんもやって来て「おばあちゃんおはよう」と猫なで声を出す。クーはお兄ちゃんには目もくれず、小鳥と一緒に歌を唄っていた。部屋に戻るとスツールの上に一寸据わった後に出窓に行った。