ニャン子さんの目

ニャンコさんの目は大変に魅力的だ。クーが家に来た直後、抱き上げてその目を良く見た。真丸で大きく、金色で透き通っている。何の陰りも無く、心の中迄見抜かれそうな目である。これにも魅了されてしまった。嘘をいとも簡単に付く、僕達の目とは大違いである。黒い瞳は、明るい所では、糸のように細くなり、暗い所では、満月のように大きく丸くなる。クーが目を閉じると、目がどこにあるのか分からなくなってしまう。嬉しいと目を細め、声までも違ってくる。ニャンコを知らなかった時は、話には聞いていても、全く理解出来なかった。身近にいれば、それを良く分かるようになった。
クーの目とココの目も違う。正座している時のクーは、はっちゃんやコゲ君と同じように大きな目を真丸に開いている。正座しているココは、少しだけ楕円になっている。但しおねだりする時は、真丸にして僕の顔を見て「ンミャー」と言う。ニャンコさんは人に話しかける時、その人の目を真直ぐに見据える。今もココがモニターの前に座り、ご飯の要求をしたが、僕の顔を真直ぐに見ていた。心に陰りのある人間は目をそらして話すが、何の思惑の無いニャンコさんには、心の中迄見られてしまいそうで怖い時もある。
ココの目は、写真のように暗い所では、淡いブルーに光る。真っ暗な所でココを見ると幻想的であり、これも魅力の一つである。
常に正直に生きるニャンコさんは、その目で僕達に正直に生きる素晴らしさを教えてくれているのだ。