山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

大正ロマンの喫茶店 1

2010-11-20 23:05:35 | 歴史・文化財
 もと銀行が喫茶店になったアンティークな場所(愛知県新城市)に行って見ようということになった。
 確かに外観は近代の工業化の直線を旨とするような「アールデコ」建築の影響だろうか、自然界の非直線を旨とする「アールヌーボー」とは違う、日本の近代化がこの地方にも波及したらしい銀行の風貌だった。

          

 展示されている金庫には本物らしいお札が無造作においてあった。

             

 金庫室にも入ってみたら、そこも展示場になっていて、地方の現代作家の作品が誇らしく置いてあった。

               

 大金庫から喫茶店をのぞいてみた。
 キョロキョロしながらコーヒーをすする。
 和服に白いエプロン姿の「女給」の写真を撮るのをためらってしまった。
 今更ながら残念。

 銀行がこのまちからなくなったことは地方経済にとってどうだったのだろうか。
 大正期より今日の時代のほうが活力がなくなったということなのだろうか。
 そんなとき、喫茶店としての活用はせめて大正ロマンをひきつぐものに違いない。 

 
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石仏巡礼も捨てがたい

2010-11-19 20:09:49 | 石仏・石造物
 まだまだ鳳来寺シリーズが続きます。
 石段の続くこの参道沿いに豊富な石仏が迎えます。
 その中でも、「智拳印」という忍者みたいな印相をしている「大日如来」を発見しました。密教の中心思想である世界やいのちの源を体現している仏です。
 この印相は、仏とあなたは一体ですよという意味だそうだ。
 真言宗の寺に沿った石仏だ。空海さん、初めて出会った石仏です。

        

 かなり摩滅した「地蔵菩薩」。
 右手に錫杖、左手に宝珠。素朴な表情がいいですね。

              

 いわゆる「半跏思惟坐像」ですね。奈良の中宮寺の像はあまりに有名ですが、この「如意輪観音」は女性です。願いはなんでもかなうという観音様で、信仰心の厚い女性に人気があったということです。

                  

 全ての人をもれなく救うという「千手観音」ですかね。この観音様は「聖観音」の化身でもあるというので、蓮の花をしっかり持っています。
 これは苦しんでいる人々をしっかり掬い取ろうという意味があるそうです。

 鳳来寺の石仏は磨耗が激しく表情や年代がわからないものが多かったのですが、偶然多様な仏様を撮ることができ、同じように見える石仏の違いがわかりました。
 これだけでも収穫がありましたね。
 合掌 !!
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家康生誕と東照宮

2010-11-18 21:25:53 | 歴史・文化財
 家康の生母が鳳来寺に参拝したことで家康を懐妊したという。
 それを記念して家光が建立させた東照宮が鳳来寺本堂近くにある。
 春野の和宮は、久能山・日光・鳳来寺の三東照宮を制覇したと喜んだ。
 小さな「拝殿」には観光客で混雑していた。

               

 奥の「本殿(神殿)」の屋根も桧皮葺で、寺院の瓦葺と一線を画している。  
 権力の象徴である西洋の華美な建築とは違うところが良い。

                  

 鋳造の常夜灯は細かい装飾ができる。


                    

 「火袋」には徳川の家紋があった。
 六つの弓なりの「竿」は江戸の特徴のようだ。

          

 東照宮下にも石灯籠があった。
 手前のは、「宝珠」から「中台」までと、「竿」「基礎」とが同じくらいの長さであるのが面白い。デザイン的には短足で、地震が心配だ。
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鳳来寺参道の石灯篭(常夜灯)

2010-11-17 23:30:31 | 石仏・石造物
 参道両側を石灯篭(常夜灯)にこだわって見てみるのも面白い。
 一般的な型は、春日型がよく目にするが、鳳来寺ではローソクを入れる「火袋」や「竿」(足)が四角型が多いのがわかった。
 この「四角石灯籠」は鎌倉後期以降の形式だという。それだけ歴史が古いともいえるかもしれない。
大木前の石灯籠は、反りあがった「傘」の上の「宝珠」の下には「請花」がある。
 「火袋」に膨らみがあるのが特徴。

                      

 「宝珠」の下には「請花」がなく、傘の反りもなくシンプルだ。
 「牛頭天王」の刻字が見えるので、これは祇園社( 八坂神社)系信者の寄進かも。

                      

 「火袋」が膨らみ状、それを支える「中台」に「連弁」が見られる。

           

 春日神社に見られる六角型の典型的な「春日型」灯篭。傘の先端には「わらび手」があり、「中台」には「格狭間(コウハザマ)」の装飾がある。「竿」が円筒形なのが特徴。


           

 「竿」が短く弓なりになり、「基礎」部分には4本の足がある。岩の上に置かれている。

これらの違いはどうでもいいといえばそうなんですがね。
 汗をかきながらもこんなことで気を紛らわせることもできるってわけ。   
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鳳来寺の石像・現代彫刻

2010-11-16 20:49:43 | 石仏・石造物
 鳳来寺参道には現代彫刻あり、いにしえの石仏・石碑ありで、杉の古木の下で調和を図っている。

 寺の開祖とされる利修上人は鳳凰にのってこの山岳にきたことにちなんで、現代彫刻のマエストロ「薮内佐斗司(ヤブウチサトシ)」の作品がひょいと鎮座しているが、みんな通り過ぎてしまう。
 奈良のマスコット遷都くんの作者でもある。

                       

 多くの石仏に混じって、不動明王の石仏があった。
 こんなところが山岳仏教の聖地らしいところだ。

           

 本堂近くの片隅の茶屋となりに行き場を失った「狛犬」が揃って道行く人をあきれたように見ていた。
 狛犬と言えば、三遊亭円丈の写真コレクションが有名だが、ここの狛犬はどんな分類がされるのだろうか。

 参道を往来する人々の悲喜交々のドラマが石仏や野外彫刻に吸収されているかのようだ。
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紅葉の鳳来寺ツアー 

2010-11-15 20:10:18 | 旅行・散策
 702年創立と言われる愛知県新城市の「鳳来寺山」の紅葉を見に行った。
 紅葉の見事さもいいが、それ以上に、石段と杉木立が魅力だ。
 山頭火が詠んだように深山に沁みこむ幽玄の気配が素晴らしい。

       

 

 階段は1425段もあると言われるとおり、休みながらでないと本堂には到着しない。肩で息を吐きながら一歩一歩登っていく。
 数百年の年輪の杉木立がわれわれを修行僧にしてしまう。

                      

 芭蕉は途中でギブアップして引き返したという。
 それでも、「木枯らしに岩吹きとがる杉間かな」と俳句だけは詠んでいる。
 相当寒かったようだ。
 それ以外に「夜着ひとつ 祈り出して 旅寝かな」も残している。
芭蕉の小柄な坐像がわれわれを歓迎してくれた。

 廃屋や廃絶した跡地が所々に見られる。
 鳳来寺の栄光と挫折の歴史そのものがこの石段界隈から伝わってくる。
 山頂近くの駐車場からの歩きやすい直近ルートからはそれを感じられない。
 やはり、歴史ある寺院から人生や歴史の奥深さを見出すには、汗をかかなくてはいけないのかもね。
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山里の廃校庭 でイ・マエストリ市

2010-11-14 22:43:53 | 行事
 愛知県新城市(シンシロ)の山間にある廃校の庭で行われた「イ・マエストリ市、無二の市」というイベントを訪問した。
 「イ・マエストリ」とは、イタリア語で「一つの分野で優れた技能を持つ巨匠・アーティスト」いうほどの意味だ。
 また、「無二の市」とは、字のとおり「二つとない、ただ一つのものたち」、誇り高い人間やモノで構成される市ということのようだ。

 ウクレレやギターや大正琴などの舞台前に焚火があるという組み合わせが見事マッチしている。

                      

 50人ほどのアーティストや百姓たちが紅葉や山並みに囲われた大正時代に創立された小学校校庭で作品や生産物を競う。

         

 校舎の屋根は瓦葺だ。
 そこに流れるゆったりした空間や時間は今の日本が失いつつある空気でもある。
 歩く人・とどまる人全てが開放された穏やかさを共有しているかのようだ。

 市場原理主義はとりあえずここでは冬眠したのかもしれない。
 でもきっと、明日からまたじわじわとやって来るにちがいない。
 それでもきっと、小さなマエストロたちは、小さなムラで少しの作品や野菜を作り続け、自らのささやかな誇りを貫くにちがいない。
 
          
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秋に咲くワラビ!?

2010-11-13 18:58:33 | 植物
自宅の庭を公開している「オープンガーデン」主宰のみっちゃんの庭を訪れた。
 そこはリンドウや野菊など秋の山野草がつつましく咲いていた。
 そんな中で、秋に咲き春枯れるという「フユノハナワラビ」がひかえめに散在していた。
 ハナワラビの全体をさっと見てしまうとシダの仲間であることを忘れさせる。
 胞子嚢らしい実が花のように見えることから「ハナワラビ」と命名されたようである。
 木曽では「霜ワラビ」といって山菜料理になるらしいが食べたことはまだない。
 盆栽をやる人にもこのハナワラビは人気があるらしい。

 シダらしからぬこのハナワラビは、みずからの主張をシダ植物一般に埋没されることを拒否しているのだ。
 それゆえに、マイノリティーであっても、貴重な市民権を獲得しているのかもしれない。
 そんなアイデンティティーを馥郁とさせる優れものの「ハナワラビ」だった。
 
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里山づくり研修会

2010-11-12 20:32:23 | できごと・事件
 NPO法人「雲を耕す会」の研修会にお邪魔した。
 午前中は、里山回復のため植樹をする準備である。
 下刈りをしたり、間伐をしたり、急斜面での危険な実地研修である。
 団塊世代前後のおじさんたちの息はぴったり。かっこいい。
 遅れて飛び入りした役立たずの私は勝手に写真班となった。

                         

 午後は「生物多様性について」の学習会だった。
 トトロの森周辺の里山づくりやオープンガーデン・コミュニティーガーデン活動などの意味や紹介を講師が熱く語る。
 中山間地である春野町にも市民活動の息吹が流れ始めたことを予感させる。
 とはいえ、地元の人間が殆んどいないのが現状だ。
 
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見事なキウイだったが

2010-11-11 09:29:15 | 農作業・野菜
 畑の野菜が寒さで萎びてきた。
 いつもながらあわててキウイのまわりを草刈してから、なんとか霜被害前にキウイを収穫することができた。
 昨年は採りきれなくて応援を頼んだくらいだったのに、今年は一つの籠に収まる少なさ。
 やはり夏の記録的な暑さだったか、それとも剪定のやり過ぎか。
 ただし、キウイの大きさは商品にしても良いくらいずっしりだ。
 いずれにしてもありがたいことだ。

 袋の中にリンゴとキウイを入れて追熟すると、一週間くらいで食べられる。
 それにはリンゴを買いにがけ崩れを迂回して町に出なくてはならない。
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