映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

カモンカモン

2022年12月31日 | 映画(か行)

子どもの心に近づくこと

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ニューヨークで一人暮らしをする、ラジオジャーナリストのジョニー(ホアキン・フェニックス)。
妹から頼まれ、9歳の甥・ジェシー(ウッディ・ノーマン)の面倒を数日間見ることに。
ロサンゼルスの妹の家で、甥っ子との共同生活を始めます。


ジェシーはちょっと風変わりな子で、無愛想で、答えにくいことをストレートに聞いてきたりします。

「なぜママ(ジョニーの妹)と話をしないの?」

「なぜ結婚しないの?」

結婚もせず、子育てもしたことがないジョニーには戸惑うことばかりですが、
そんな中でもジェシーは、ジョニーの仕事や録音機材にも興味を示し、
少しずつ距離を縮めていきます。
そして、仕事のためニューヨークへ戻ることになったジョニーは、ジェシーを連れて行くことにしますが・・・。

 

全編モノクロとなっています。

よくある叔父と甥っ子の物語は、破天荒な叔父が、
勇気がなかったり物わかりがよすぎたりする甥っ子を変えていくというストーリーが多いのです。
でも本作は明らかにそれとは違います。
そういういかにも「物語」的な話ではない、という独自性を出したかったのかも知れません。
それと、ジョニーがラジオ専門のジャーナリストであるということも関係がありそうです。
ラジオは聴覚のみの世界。
映画は聴覚のみというわけにも行かないので、
せめてモノクロとして、目から入る情報量を抑えめにしたのかも。

そしてそもそも、ジョニーは子どもたちへのインタビューを採る仕事を手がけているのです。

将来、自分はどんなふうになっていると思うか。

未来の社会はどのようになっていると思うか。

このような質問に人種も経済状況もそれぞれに異なる子どもたちの、
純粋で率直な答えが返ってきます。
子どもは常識に囚われずに発想が自由。
そして変にかっこいいことを言おうとか思わないし、
夢のようなことを言うにもためらいがなくて、いっそすがすがしいですね。
本作はジョニーとジェシーの物語の合間合間に、
このような子どもたちへのインタビューの様子が描かれています。

そんなわけで、ジョニーは始め、子どもの扱いならなれていると思ったのかも。
ところが、実際に日々の生活を共にしてみたら、全く想像とは違っていた。
子どもはあまりにも思いつきでものを言ったり行動したりする。
わがままで強情。
そして純粋で傷つきやすい。
さらにはまた、しなやかで強くもあるのだ・・・と。

ジョニーは身をもって理解していくわけです。
そんな子どもに対する悩みを電話で妹に打ち明けると、
「私だって、いつもそうなの」という。
兄妹間のミゾも少しずつ埋まっていきます。

ジョニーはこの経験を通して「よい大人」になったのではなくて、
ジェシーの「よい友達」になれたのかな、という気がします。

 

<WOWOW視聴にて>

「カモンカモン」

2021年/アメリカ/108分

監督:マイク・ミルズ

出演:ホアキン・フェニックス、ウッディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、
   スクート・マクネイリー、モリー・ウェブスター

満足度★★★★☆


「ペインフル・ピアノ 上・下」サラ・パレツキー

2022年12月30日 | 本(ミステリ)

かつての歌姫に何が起こったのか

 

 

 

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おもちゃのピアノを鳴らすホームレスの女性。
声を失った元アーティストの彼女は、殺人の目撃者だった。
ヴィクは捜査を行うが……

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探偵ヴィクのシリーズ、最新刊です。
最近「検屍官」シリーズは出ないけれど、こちらは順調に続きが出るのがありがたい。
著者は今年75歳でしょうか? 
まだまだ頑張って、ヴィクの活躍を続けさせてほしいものです。

 

さて、本巻。

ヴィクはとある公園で、ホームレスの女性がおもちゃのピアノを鳴らしているのを耳にします。
一見めちゃくちゃのようなその調べは、よく聞いてみるとかつてのヒット曲。
なんとそのホームレスは、かつて一世を風靡した歌姫、リディア・ザミーアだったのです。

彼女は4年前に行われた野外コンサートで、銃乱射事件に巻き込まれたのです。
丘の上から犯人が放った銃弾で17人が死亡。
そのうちの一人が彼女の最愛の人、エクトルでした。

リディア自身は無事だったものの、事件と恋人の死のショックで精神が壊れてしまい、
言葉を発することもなくなり、ついにはホームレスとなってしまった。
もちろん彼女を知る人は彼女を病院へ入れて静養させようとしたのですが、
リディアはすぐに病院を飛び出し、さまよい歩くようになってしまったのです。

 

こんな出会いが一つ。
その後、同じこの公園で一人の青年の他殺死体が発見される。
この事件を目撃したかも知れないリディアは行方不明。
そっとリディアを見守っていた男クープは、
突然彼の飼い犬をヴィクのところに押しつけて、彼もまた失踪してしまう。
なにやら、この地区の再開発を巡る動きが根底にあるらしいのだけれど・・・。

いくつかの無関係と思われる出来事が、どこかで繋がっているように思えてならないヴィクは、
例によって満身創痍となりながら調査を続けます。

 

いつもながら浮かび上がってくるのは、資産家や権力者の思い上がった利己的な行動。
まっすぐな正義心を持ってそれに対峙するヴィクは、いつもかっこいいなあ・・・。

 

この度のヴィクは、前作から付き合い始めた考古学者・ピーター・サンセンと
まだうまくいっています。
まだ・・・なんて言うのは悪いけれど、いつもあまりにも仕事にのめり込み、
自分の危険も顧みない彼女の激しさに、男性の方がついて行けなくなってしまうのですよね・・・。
でもまあ、当分は大丈夫でしょう。
ミスタ・コントレーラスと2匹の愛犬も付いていることですし。

 

次作の予告によれば、パンデミックによるロックダウンを経て
日常に戻りつつあるシカゴが舞台とのことですよ。
これも楽しみです。

 

「ペインフル・ピアノ 上・下」サラ・パレツキー 山本やよい訳 ハヤカワ文庫

満足度★★★★☆

 


#ハンド全力

2022年12月29日 | 映画(は行)

なんのためのハンドボール?

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何もやる気がなく無気力な毎日を送る、熊本に住む高校生マサオ(加藤清史郎)。
震災で離ればなれになってしまった親友タイチと、
仮設住宅前でハンドボールをしていた2年ほど前の写真を、SNSにアップしました。
するとその投稿の「いいね」が急増。
熱いコメントも寄せられます。
それに気をよくして、「#ハンド全力」とハッシュタグをつけて投稿すると、
全国から大きな反響が。

マサオは、SNSを盛り上げるために、廃部寸前の男子ハンドボール部の再建を目指します。

ハンドボールに青春を燃やすストーリーかと思えばちょっと違う。
マサオにとっては、ハンドボールはSNSを盛り上げるための手段で、
結局ハンドボール部に人数がそろい、マトモに試合ができるようになってすらも、
練習もせず、皆でSNS用の写真のプランの相談ばかりしている・・・。
それでも、震災後の復興という意味も含めて周囲は盛り上がり、
テレビ局が取材に来たり、あちこちから支援の申し出があったり。
初めての試合でボロボロに負けてさえも、なおも人気は続きます。

とは言え、徐々に彼らにもハンドボールへの意欲が芽生え、
まともな練習を遅ればせながら始めるのですが・・・。

そんな時に、あることで突如SNSが炎上・・・。

SNSのよいところ、悪いところは表裏一体、それはあっという間に翻ります。

マサオのご近所のおじいちゃんおばあちゃん達は
SNSを知らないが故に、炎上前もその後も、
変わらずに頑張っている高校生達を笑顔で応援してくれます。
SNSという実態のないもの、数字だけもの。
それに振り回されることは実はあまり意味がないのかも、とも思えます。

リアルな生活と、SNSとの付き合い方、
今後はますますめんどくさく絡み合っていくのかも知れません。

<WOWOW視聴にて>

「#ハンド全力」

2020年/日本/108分

監督:松井大悟

出演:加藤清史郎、醍醐虎汰朗、蒔田彩珠、芋生悠、鈴木福、仲野太賀、志田未来、安達祐実

 

SNS依存度★★★★☆

リア充度★★☆☆☆

満足度★★★★☆

 


ケイコ目を澄ませて

2022年12月28日 | 映画(か行)

「目を澄ませて」見えてきたもの

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元プロボクサー、小笠原恵子さんの自伝「負けないで!」を原案としています。

生まれつきの聴覚障害で、両耳とも聞こえないケイコ(岸井ゆきの)。
下町の小さなボクシングジムでトレーニングを重ね、
プロボクサーとしてリングに立つようになっています。

まあまあの成績を収めてはいるものの、いつしか言葉にできない悩みがたまり、
ボクシングもしばらく休みたいと思うようになってきました。
そんな中、ジムを閉めることになると知らされます。

 

よくあるボクシングの物語とは違って、
本作は最後のファイトシーンを劇的に盛り上げることをしません。

早朝のランニング。
ホテルでの客室清掃の仕事。
ジムでのひたすらのトレーニング。
そんな毎日の生活を淡々と描いていきます。

ケイコはろう者であるからというわけではなくて、
ほとんど自分の思いを口にしないのです。
手話や手記でも語ることはありません。
ただ、会長宛に「ボクシングを休みたい」と手紙を書くのですが、
それすらも結局渡せないのです。

ですけれど、彼女の思いはビシビシと私たちに伝わってきます。
口にできない心の奥の思いを抱え込んでいるのは、
彼女に限らず、私たちにも多くあること。

ケイコにはろう者であることの困難や悩みはもちろんあるのですが、
作中彼女が抱えているのはそういうことではないように思うのです。
なかなか人とわかり合えない孤独。
いつまでボクシングを続けるのかという漠然とした不安。
人と戦い、殴られる恐怖。
誰が持っていてもおかしくない懊悩を突いているからこそ、本作は際立っているのです。
もちろん、それを体現できる女優さんの力があってこそ。
本当に、セリフなしですからね。

そして彼女を取り巻く人たちは、皆さりげなく優しい。

特にこのボクシングジムの会長(三浦友和)は、
彼の親の代からのこのジムをとても大事に思っていて、
できればこのまま続けていたかった。
けれど、病で体調最悪、コロナでめっきり会員も減ってやりくりが苦しい・・・。
実に、やむを得ずたたむことになってしまった。
そんな彼が、また人並み以上にケイコのことを気にかけているのです。

しみじみ来ますねえ・・・。
そんな思いを知ったケイコガ、
またボクシングを続けてみようと、前向きな気持ちを取り戻していきます。

さりげなく姉を気遣う弟くんもよし。
手話を覚えてまで、ケイコを新たに迎えようとする他ジムの会長さんの心意気もよし。
ケイコガ目を澄ませて見えてきたのは、
何も試合中の光景ばかりではなくて
周囲の人々のさりげない温かさなのかもしれません。

殺伐とした世の中ではあるけれど、そう悪くもないですよね。

<シアターキノにて>

「ケイコ目を澄ませて」

2022年/日本/99分

監督:三宅唱

原案:小笠原恵子

出演:岸井ゆきの、三浦誠己、松浦慎一郎、佐藤緋美、三浦友和、仙道敦子

 

満足度★★★★★

 


GUNDA グンダ

2022年12月27日 | 映画(か行)

「家畜」を題材とする意味

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農場に暮らす動物たちを描くドキュメンタリー。

母ブタ「GUNDA」に、生まれたばかりの子ブタたちが必死に立ち上がり、乳を求めます。

よく飲んで、寝て。
少しずつ力をつけた子ブタたちは、母の後を追って恐る恐る外の世界へ踏み出す。
やがて、母をそっちのけで勝手に外へ飛び出すように。
こんな子ブタたちの成長を中心に、ニワトリや牛たちの様子も描かれています。

全編モノクロ。
多くは動物と同じ目線の高さで、目標物にフォーカスしています。
バックミュージックなし。
ナレーションもなし。
あるのは風の音、鳥の声、虫の羽音、動物たちの発する声・・・。
私たちはひたすら映像を見つめるのみ。

・あらあら、こんなにたくさん生まれちゃって。
 おっぱいはそっちじゃないよ。頑張って・・・。

・ニワトリって、ホント、恐竜の末裔って感じなんだなあ・・・
 (草むらを歩くニワトリの姿が、なんだかジャングルを闊歩する恐竜のようだった・・・)

・牛さん、何を考えているのかいないのか。
 哲学者のような目。

心の中に、いろいろなつぶやきが生まれました。
・・・と言うことで、緩やかな子ブタの成長物語のように見えて、
ところが最後にドラマがありました。

これは誰もが感じることでしょう。
母ブタGUNDAの戸惑い、悲しみ、怒り、諦観。
私にはまるで、国に息子を奪われて戦地へ送られてしまう母親のように見えました。
野生の動物ではなくて、家畜を捉えたというところにも意味がありそうです。

こんな映画もアリなんですねえ・・・。
恐るべし、映像の世界。

 

<WOWOW視聴にて>

「GUNDA グンダ」

2020年/アメリカ・ノルウェー/93分

監督・脚本:ビクトル・コサコフスキー

 

映像美★★★★☆

満足度★★★★☆


silent

2022年12月26日 | テレビドラマ

われても末に・・・

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私、当ブログでは連続テレビドラマは扱わないことにしているのですが
(かなり多く見ているので、のせ始めるとキリがない)、
この度最終回を迎えた「silent」には思い入れがありすぎて、
書かずにいられなくなってしまいました。

始め、あまりにも純粋でキレイすぎるラブストーリーに思えて、若干半信半疑で見ていました。
ところが次第にのめり込んで、最終回にはガ~ンと打ちのめされました。
ごく稀なことに2回見てしまいました。
また見るかも。

 

あらすじも何もすっ飛ばして、最終回についてのみ記します。

高校時代の紬と想、そして現在の紬と想、
同じ教室の黒板前のシーンが重なり合います。

ほとんど逢うのはもうこれが最後かと思われる二人が、
黒板にチョークで文字を書いて語り合い始めます。
なかなか本心を語ろうとしない想。
・・・というか、なんと言っていいのか分からないというのが本当のところなのかも知れません。
でも、そんな想から言葉を引き出すのも紬の力ですね。

ここのシーンではもう、泣けて泣けて・・・。
2回目を見ても同じでした。

「声を出さない」「笑わない」・・・
想がイヤならもうしないと、黒板に書き始める紬。
想はそれを手でこすり消していきます。
(黒板ふき、そこにあるのにー、と私は一人突っ込んでしまいましたが。)

なんという名シーン。
結局、「声」でなくても、文字でも手話でも、
伝えようという気持ちと、分かりたいという気持ちがあれば
気持ちは通じるのです。
けれど、それを放棄してしまったら、いくら心で思っていても伝わらない。
言葉は大事ですね。

 

それにしても、こんなに手話に感情がこもるものなのか。
目からうろこが落ちた気分です。
出演者さん達の演技が素晴らしすぎる!!

目黒蓮さんは、プライドの高すぎる「柏木」よりも、やはりこちらの「佐倉想」ですよねー。
ほんの少し哀しみを帯びたような優しい笑顔にキュンです。
これからもついていきます!!

 

本作放送中に、想と湊斗ではどっちがタイプか?みたいなことを何人かに聞かれました。
その質問、はやってるの?と思ってしまった。
その時はどっちも純粋すぎて、もっとバカっぽい方がいいなんて答えたのですが、
いやいや、今ならやっぱり想君だわ・・・。

あ、もちろん湊斗くんもいいけれど、あまりにもいい人過ぎますよね。
彼には何が何でも幸せになってほしいです!!
「そんなこと言ったら、今幸せじゃないみたいじゃないか」、と湊斗くんは言っていましたが。

 

過去も現在も、二人はいいムードになったところで、キスするのでは?と思ったのも裏切られて、
なんと耳元に口を近づけてのひそひそ内緒話。
その内容は、明かされません。
でもコレがまたなんとも新鮮で、その親密度もうかがえて、
素晴らしいシーンです。

特に最後の場面、これまで想は紬の前で言葉を発することを避けていたのですよね。
そこをいきなり、耳元で「声」を発するなんて、反則過ぎです!!
紬はその時、涙をこぼしていましたから、
きっと「紬、大好きだ、ずっと一緒にいたい」くらいのことを言ったのでは・・・?
・・・などと夢想して楽しむ私。

ラストのかすみ草のエピソードもナイスで、もう、いうことなし。

 

おまけ。
高校時代の教室の黒板。
授業の板書がそのままになっていたのですが、そこに書かれていたのが

「瀬をはやみ岩にせかるる滝川のわれても末に逢わむとぞ思ふ」の歌。

まさに、われても末に出会ったふたり。
やられました。

 

「silent」
フジテレビ 2022年10月クール 木曜よる10:00~
脚本:生方美久
出演:川口春奈、目黒蓮、鈴鹿央士、桜田ひより、板垣李光人、夏帆、風間俊介、篠原涼子

 


「ミステリと言う勿れ 11」田村由美

2022年12月25日 | コミックス

ガロくんのピンチ!!

 

 

* * * * * * * * * * * *

同級生のレンに「怪しげなバイト」に誘われた整。
しかしその裏には何か秘密がありそうで…!?
一方、姉の死の真相を追うガロ達は、謎の心理カウンセラー・鳴子に迫る――!!

急展開の11巻!

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1月には第12巻が出るようですので、少し急ぎました。
まずはこの表紙。
表紙のイラストが整くんでないのは初めてです。
ガロくんですね。
記念すべき、表紙初登場。

 

さてこの11巻は、短編集とでも言いましょうか、
前作の誘拐事件の少し落ち着いた時期の話から始まります。

同級生のレンくんに「一緒に変なバイトしない?」と誘われた整くん。
巻き込まれ型の整くんは一応抗うのですが、なぜか押し切られてしまう。
レンくんの押しの強さが整くんにはちょっと苦手なのですが、
でも自分からは積極的に人と交わろうとしない整くんには、よい相棒ですよね。

さて、そのバイトというのは、とある学校の敷地内に埋めてあるはずの
「タイムカプセル」を探し出す、というもの。
おちゃらけているようで、レンくんは意外と切れ者。
整くんとの推理がうまくハマって、無事バイトの仕事を果たすまでが描かれます。

さて、私の持っているこの第11巻初版。
ページの入れ替わりミスがあったことで話題になりました。
このエピソード「失われた時を重ねて」の中の、
P41とP42が逆になっているのです。
それを知らずに始めに読んだときに、若干流れが不思議な感じがしたのですが、
まさかそういうことだったとは・・・!
でも実際にはストーリー進行上の問題はないようです。

 

私個人的には次の、バレンタインデーにライカさんと整くんが
商店街を巡り歩く話が好きでした。
バレンタインデーに初チョコレートゲットした整くん、おめでとー!!
けれどいずれ消えゆくライカさんのことを思うとちょっと悲しい。

 

そして、ラストに、表紙デビューしたガロくんがいよいよ登場。
ガロくんは、姉の死と関わりのある謎の心理カウンセラー・鳴子の動向を探っているのです。
なんとあろうことか、彼のマンションの天井裏に忍び込むという。
しかしなんと、相手はその上をいっている。
ガロくんに最大のピンチが襲います。

鳴子のこと、これまでに出てきた「星座」に関わる事。
謎めくばかり。
待たれる次巻!!

 

そして本巻は、おまけも豪華です。
「ゼクシィ」の付録に掲載されたという整くんの番外編と、
著者が本作のテレビドラマ撮影現場を訪れたレポが収録されています。
とにかく美味しい。

 

「ミステリと言う勿れ 11」田村由美 小学館フラワーコミックスα

満足度★★★★★

 


アルプスの若大将

2022年12月24日 | 映画(あ行)

いよいよ国際的に

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加山雄三さんの若大将シリーズ第7作。
先の「エレキの若大将」のすぐあとです。
ここでの若大将はスキー部所属。
建築学科の教授のお供でヨーロッパ旅行中に、
パンアメリカン航空に勤務する「澄子」と知り合います。

ここでいきなり国際的な話になったのは、
前作大ヒットのおかげで予算にゆとりが出たおかげでありましょう。

後に日本支社へ転勤となった澄子が雄一と再会。
いよいよ二人にほのかな思いが生まれるのですが、例によっていろいろなジャマが入ります。
雄一はあちこちの女性にモテモテなので、澄子は心穏やかではない。
そのため、青大将やその他の誘いに軽々と乗ってしまう・・・。

どうもね、どうしてどの話も澄子さんはおバカなんでしょ。
いつも軽々とブルートの誘いに乗り、結局窮地に陥って
「ポパイ、助けて~」と叫ぶオリーブと同じ。

結局この頃の女性観というのがこんなものなんですね。
映画スタッフにほとんど女性がいなかった頃の話。

まあ、とは言え本作は加山雄三さんの劇中歌もてんこ盛り。
好きだった曲もあって、懐かしく聞きました。

 

それにしても、これ以上はあまり見る気がしない・・・。
3作見たら、もうどうでもよくなってきました。
WOWOWの放映がシリーズ3作にとどめたのも納得・・・。

 

<WOWOW視聴にて>

「アルプスの若大将」

1966年/日本/93分

監督:古沢憲吾

出演:加山雄三、有島一郎、中真千子、飯田蝶子、星由里子、田中邦衛、イーデス・ハンソン

 

加山雄三ショー度★★★★★

満足度★★★☆☆


エレキの若大将

2022年12月23日 | 映画(あ行)

若大将を楽しむなら、コレ

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若大将シリーズの第6作。
本作は私には少し思い入れがあります。
ちょうど加山雄三さんの「君といつまでも」が大ヒット。
作中でも、歌われています。
当時小学生の私もハンサムな加山雄三さんにぽーっとなって、すっかりファンに。
エレキブームでギターを始めた兄と一緒に、本作を映画館に見に行きました。
内容はほとんど覚えていませんでしたけれど・・・。

でも、「青大将」の個性はさすがにインパクトが強くて、
私はこのときに田中邦衛さんの名前を知りました。
「北の国から」が始まるのはまだ先のことです。

 

若大将シリーズというのはつまり「パラレルワールド」なんですね。

すき焼き屋「田能久」の一人息子、若大将こと田沼雄一が、
京南大学に在学しており、何らかのスポーツにいそしんでいる。
そして「澄子」という女性と知り合い恋に落ちる。
しかし、悪友の青大将こと石山がジャマをするやら何やら、とにかく災いの元となる。
しかしそんな騒動を乗り越えて、スポーツも恋も、若大将が勝者となる。

それぞれの作品で異なるのは、若大将のしているスポーツと、澄子の職業だけ。
(澄子の名字がなぜかその都度違う)。
これなら私でもシナリオが書けそうです・・・。

まあ、寅さんも同じですが、シリーズものというのはそういうモノなのでしょう。

 

ということで、本作で雄一はアメリカンフットボールをしています。
またその傍ら、バイトとしてエレキを抱えてバンド活動。

そうそう、本作では「田能久」が経営不振で倒産してしまうというアクシデントがありまして、
ちょっと特異な展開となっています。
例によって勘当された雄一が、店の再興のために奮闘します。

 

最もカッコイイ加山雄三さんを見たかったら、やはり本作をオススメします。

 

<WOWOW視聴にて>

「エレキの若大将」

1965年/日本/94分

監督:岩内克己

出演:加山雄三、有島一郎、中真千子、飯田蝶子、田中邦衛、星由里子、
   寺内タケシ、ジェリー藤尾、内田裕也、上原謙

満足度★★★☆☆


大学の若大将

2022年12月22日 | 映画(た行)

「若大将」のはじまり

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WOWOWで、加山雄三さんの「若大将」シリーズを放映していたので、3作見てみました。

 

この「大学の若大将」は、1961年のシリーズ第一作です。

京南大学水泳部の田沼雄一(加山雄三)。
仲間たちからは「若大将」と呼ばれ、慕われています。
実家は明治時代から続くすき焼き屋の老舗「田能久(たのきゅう)」で、
現在の店主が、雄一の父(有島一郎)。
母はすでに亡くなっており、祖母(飯田蝶子)と、妹との4人家族。

そんな雄一がある時、製菓会社に勤める澄子(星由里子)と知り合います。
そして、互いにほのかな思いを抱くように。
そこに現れるのが、金持ちのどら息子「青大将」(田中邦衛)。
彼が澄子にちょっかいを出そうとするから話がややこしくなる。

さてそんな中、雄一は店の肉を勝手に持ち出したことから、勘当されて家を飛び出し、
芦ノ湖でアルバイトをすることになり・・・。

 

おそらくこの作品の公開時、加山雄三さんはまだあまり知られていなかったと思います。
しかし、上原謙の息子にして超ハンサム、音楽堪能、スポーツ万能ときたら、
映画会社が目をつけない方がおかしい。
かくして後に全17作に渡る、偉大なるマンネリシリーズが始まる。

 

若き加山雄三さんと、田中邦衛さんを見るだけでも価値あり。
昭和36年、まさしく昭和の物語。

ちなみに上原謙さんは、若大将の見合い相手の父親役で出演しています。

 

<WOWOW視聴にて>

1961年/日本/82分

監督:杉江敏男

出演:加山雄三、有島一郎、飯田蝶子、星由里子、田中邦衛、上原謙

昭和度★★★★★

満足度★★★☆☆


そばかす

2022年12月21日 | 映画(さ行)

もはや性別に意味なし

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30歳の蘇畑佳純(三浦透子)。
もの心ついた頃から恋愛というものがよく分からず、
告白された相手にも恋愛感情が湧かないという、
自身と周囲との差違に戸惑いを覚えていました。

チェリストになる夢も挫折して実家に戻り、今はコールセンターで働いています。
母からは結婚のプレッシャーが大きく、
勝手にお見合いをセッティングされてしまいます。
そこで出会った男性とは、結婚には興味がないという点で意見が一致し、
安心して友だち付き合いを始めるのですが・・・。

最近、LGBTとはまた別に、アロマンチックとかアセクシュアルという傾向の話を
ちらほら見かけるようになりました。
他者に恋愛感情を抱かないとか、性的に他者に惹かれないという傾向の人たち。
そんな人たちにとって、
こちらではそう思っていないのに恋愛感情を突きつけられたり、
また、恋人がいないことや結婚しないことをとやかく言う人が多くいたりすることは
確かにつらいことですね。

ここでの佳純も、恋愛感情抜きで友だちとして付き合い始めた男性が、
ある日「やっぱり好きになった」といって
いきなり体を求めて来たりするものだから、がっかりしてしまうのです。

たとえ恋愛ができないとしても、一人の方がいいとか、孤独を愛しているということではありません。
やはり、安心して共にいて、気楽に愚痴を言ったり聞いたり、
ご飯を食べたりできる人はいてほしい。
けれども、なかなかそういうことを理解する人は少なくて、
せっかく仲良しの同性の友人ができてルームシェアを始めようとしたら、
結婚が決まってしまった、などと言うことになってしまう。
とても生きにくそうです。
けれど、そのままの自分らしさでいて、幸せに生きることだってきっとできるはず。
周囲の理解も大切ですね。

同じテーマで少し前にNHKでやっていた「おかしな二人」のように、
恋愛には興味がない二人がそろうなら、いっそ男女の同居もアリなのかな、と。
異性であろうと、同性であろうと、一番大事なのは相性ということでしょうけれど。

人と人との関係性は、今や何でもあり。
そういう自由で気ままなのも、いっそいいなあ・・・と思う次第。

 

「ドライブ・マイ・カー」以来、三浦透子さんはテレビに映画に、引っ張りだこですね。
これからの活躍も楽しみです。

 

<サツゲキにて>

「そばかす」

2022年/日本/104分

監督:玉田真也

原作・脚本:アサダアツシ

出演:三浦透子、前田敦子、伊藤万理華、伊島空、北村匠海、田島令子、坂井真紀、三宅弘城

自分らしさ度★★★★★

満足度★★★★☆

 


クレッシェンド 音楽の架け橋

2022年12月19日 | 映画(か行)

民族間のミゾに架ける橋

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世界的に名の知られる指揮者エドゥアルド・スポルク。
紛争中のイスラエルとパレスチナから若者達を集め、オーケストラを結成し、
平和を祈ってコンサートを開くというプロジェクトに請われて参加します。
オーケストラには双方から20名の若者が集まりました。
パレスチナ側からは、家族の反対や面倒な軍の検問を乗り越えなくてはならず、
来るだけでも大変です。
そして、集まるとさっそくぶつかり合う若者達。

スポルクは、コンサートまでの3週間、
アルプスでの合宿に若者達を連れ出すことにします。
衝突し合いながらも、互いの音に耳を傾け、経験を語り合うことで
少しずつ心を一つにしていく若者達。
ところが、コンサート前日にある事件が起こります・・・。

 

彼らは音楽の練習を始める前に、
まず互いを認め合うという練習以前の問題を解決する必要があったわけです。
なぜこんなにいがみ合うのか。
一人一人の話を聞いてみれば、誰もが身内の誰かが相手の国にひどい目に会い恨みを持っていたりする。

家を追い出されて、故郷に帰ることができなくなった。
テロリストに殺された・・・。

今ではどうにもならない双方の歴史に刻まれた谷間。
いやいや、でもここに集まったメンバーに限って言えば、
個人的な恨みやつらみはないはず。

そしていよいよ彼らはスポルクの身の上をも聞くことになります。

スポルクの父親はナチス所属の医師で、
戦後ドイツから他国へ亡命しようとしたところを見つかって射殺されたというのです。
けれどその後も「ナチスの子ども」と人々から誹られて
いまだに嫌がらせを受けることもある、と。

確かに、イスラエルに住むユダヤの人々にとっては天敵のような存在なのかもしれません。
でも、本人には何の責もないこと。

 

こんな風に、多くの人がが歴史を引きずって恨みや偏見を持っているけれど、
いま、自分たちのしようとしていることに、それは何の関係もないのだ、
と、次第に気づいていくわけです。

しかし、それはいいのだけれど、逆に接近しすぎた男女がいて・・・
というのがラストの悲劇に繋がって行きます。

 

民族間の諍いは、若い人なら乗り越えていけるのかも知れない。
けれど、簡単なことではない、ということなのでしょう。

 

世界的指揮者ダニエル・バレンボイムと米文学者エドワード・サイードが、
1998年に設立したウエスト=イースタン・ディバン管弦楽団が本作のモデルだそうです。
イスラエルとアラブ諸国から集まった若者達で結成されているとのこと。
民族間のミゾを少しでも埋めようとする取り組みは、貴重ですね。

本作ラストに奏でられる「ボレロ」が胸を打ちます。

<WOWOW視聴にて>

「クレッシェンド 音楽の架け橋」

2019年/ドイツ/112分

監督:ドロール・ザハビ

出演:ペーター・シモニスチェク、ダニエル・ドンスコイ、サブリナ・アマーリ、メフディ・メスカル、ビビアナ・ベグロー

 

民族間のミゾ度★★★★☆

満足度★★★★☆

 


「月夜の羊 紅雲町珈琲屋こよみ」吉永南央

2022年12月18日 | 本(その他)

「たすけて」のメモから始まるあれこれ

 

 

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コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営む杉浦草は、
秋のある日、日課の散歩の途中、
<たすけて>と書かれた一枚のメモを拾う。
助けを求めているのは、いったい誰なのか。
日常に潜む社会のひずみを炙り出しつつ、甘いだけではないお草さんの言葉が、
読む人の背中を押してくれる吉永南央の大人気シリーズ。

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吉永南央さんの小蔵屋シリーズ。

何気ない平和な町ではありますが、ときおりお草さんや住民たちの心を悩ませる
ちょっとした出来事や事件が発生します。
それを紐解いていくお草さん。

この度は、お草さんが道ばたで「たすけて」と書かれた小さなメモ用紙を拾います。
誰がどんな状況で誰に向けて書かれたのかも分からない。
そんな時に近所の女子中学生が行方不明となり、
お草さんは、もしやその少女が残したメモ?と思うのですが、
まもなくあっさりとその少女が発見されます。

では一体誰が・・・? 
再びそのメモの落ちていた当たりを鋭く観察して歩くお草さんは、
とある家の玄関で倒れている老女を発見。
かろうじてその老女は命を取り留めたのですが、
ではそのメモは彼女が書いたものだったのか・・・?

 

その後、物語には驚きの進展があります。
ご近所のことは、分かっているようで分からない・・・。
また、近所の中学校のくだらなくも強引な校則と、
それを押しつけようとする右翼的思想の校長のことについてもテーマの一つ。

一時行方不明になった少女は聖(ひじり)という、
自由闊達で意志の強いベリーショートの女の子。
この物語にさわやかな風を吹き込みます。
意外とお草さんとも気が合う。
今後もまた登場してほしいです。

 

小蔵屋店員の久美さんは、いよいよ恋人一ノ瀬と同居を始めたのですが、
どうにも順風満帆ということにはならない・・・。
お草さんとのお店のパートナーとしてはサバサバとしてすごく好きなのだけれど、
恋愛に関して彼女は何かと「めんどくさい」女であるようです・・・。
友人のままの方がよさそう・・・?

などと下世話なことまで考えてしまう、そんなシリーズです。

 

「月夜の羊 紅雲町珈琲屋こよみ」吉永南央  文春文庫

満足度★★★.5


ベイビー・わるきゅーれ

2022年12月17日 | 映画(は行)

時には、こういうのも笑って楽しんじゃう

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女子高生の殺し屋2人組、ちさと(高石あかり)とまひろ(伊澤彩織)は、
組織に委託された殺人を行っています。
高校を卒業したら、2人で共同生活をして、
オモテの顔として社会人とならなければならない、と言われます。
そのため、さっそくルームシェアをして、バイト探しをしながら“仕事”に励む2人。

ところが、コミュ障のまひろは、バイトも面接で落ちてしまいます。
バイトもそつなくこなすちさととは次第に気持ちもすれ違ってしまう。
そんな中、ヤクザから恨みを買った2人は面倒なことに巻き込まれて・・・。

ギャルの殺し屋というムチャクチャな設定で、でもこれがやたらに面白い。

血みどろで、あっけなく人が死んでいきます。
これに文句を言ってももうしようがないので、楽しむほかありません。
残酷さを笑いに変えてしまうこのやり方、「キル・ビル」に近いかも知れません。

謎の殺人組織は、あちこちから依頼された殺人を実行員に割り振っているようです。
この2人もその一員。
そして実行後には、別の現場処理を担当する組織があって、
遺体の始末や現場の清掃などをするらしい。
私はそういうディティールの作り込みに、つい笑ってしまいます。

常にぐだぐだしてやる気のない、社会不適合的なこの2人。
けれど、殺人にだけはやる気とキレがある。

まあ、いいんじゃないでしょうか。

<WOWOW視聴にて>

「ベイビー・わるきゅーれ」

2021年/日本/95分

監督・脚本:坂元裕吾

出演:高石あかり、伊澤彩織、三元雅芸、秋谷百音

 

残酷+ナンセンス度★★★★☆

満足度★★★★☆


マークスマン

2022年12月16日 | 映画(ま行)

老人と子どもと犬の鉄板ロードムービー

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かつて海兵隊の狙撃兵だったジム(リーアム・ニーソン)。
今は妻に先立たれ、メキシコ国境付近の町で牧場を営み、愛犬と暮らしています。

ある日、麻薬カルテルの追っ手から逃れようと、メキシコ人母子が国境を越えてきます。
それを見たジムは、母子を助けようとして銃撃戦になってしまいます。
母親は銃撃されてジムの目の前で息を引き取りますが、
その直前、息子ミゲルをシカゴに住む親類の元に送り届けてほしいとジムに頼みます。
自分にも危険が及ぶので、気が進まないながらも、
ミゲルを連れてシカゴへ向かう覚悟を決めたジム。
老人と子供、そして一匹の犬のシカゴへの旅が始まります。
そして、アメリカに不法侵入したカルテルの一味が執拗にジム達の後を追う・・・。

ジムは一味のボスの弟を撃ち殺してしまっていたのです。
ただでさえ凶暴な相手の復讐心を燃え立てさせてしまった。
捕まれば命はない・・・。

今時の麻薬カルテルはハイテクで、
カードの使用履歴からジムの居所は簡単に割り出されてしまう。
一方ジムは、スマホも持っていなくて、雑貨店で地図を買おうとするのです。
たまたま古い売れ残りのものがあって、ただでもらってしまいました。
ミゲルは、スマホがあれば地図なんか要らないのに・・・とややあきれ顔。
しかしこの地図が後に災いを呼ぶ・・・というストーリー立てがなかなかイケています。

また、ジムは最後の最後に自分の身を守るためにと、ミゲルに銃の撃ち方を教えるのです。
本当はこんな子供に銃を持たせるべきではないと、十分に承知しながら。

けれどそれは後に、人を殺すためではなく、銃の扱い方を知るという意味で役に立ちます。
このエピソードもナイスです。

老人と子供と犬って、鉄板の組み合わせですよね。
護るものがあるときのリーアム・ニーソンはとにかく強い!! 
でも彼も不死身ではないというわけか・・・。

お定まりの展開かもしれないけれど、やっぱり面白い。

 

<WOWOW視聴にて>

「マークスマン」

2021年/アメリカ/108分

監督:ロバート・ローレンツ

出演:リーアム・ニーソン、キャサリン・ウィニック、ファン・パブロ・ラバ、ジェイコブ・ペレス

 

ロードムービー度★★★★☆

スリル度★★★★☆

満足度★★★★☆