夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「アンコール!!」〈2012年 イギリス映画〉

2024-03-18 19:48:45 | 映画

 

老夫婦 妻は車椅子を使い介護が必要な状態

物語が進むと 妻はかつて重病にかかり・・・・・だからこそ人生を大切に生きているのだとわかる

前向きな妻のマリオン〈ヴァネッサ・レッドグレイブ〉の楽しみは 若い女性エリザベス〈ジェマ・アータートン〉が指導してくれる高齢者ばかりが参加する合唱団その名も年金ズに通うこと

夫のアーサー〈テレンス・スタンプ〉は送り迎えはしてくれるけれど練習場には入ってこない

いつも外で待っている

息子のジェームズ〈クリストファー・エクルストン〉とも アーサーはうまくいっていないようだ

孫娘のことは可愛がっているのだが

不器用で頑固なアーサー それゆえに人から誤解され 息子からも理解されない

アーサーがその優しさ 人間的な温かさを素直に見せるのは 妻に対してだけ

同じベッドで眠りにつく前 マリオンはアーサーに言う

毎夜のしきたりのように 「これが最後のキスになるかもしれないから キスして」

重い病気を患ったことがあるマリオン

そう言って彼女は夫に甘え 夫は妻の願いにこたえてキスする

 

おそれていたことが起きる

マリオンの病気が再発してしまったのだ

高齢ゆえに・・・積極的な治療はできない

マリオンを心配してくれている年金ズの人々にすら 怒鳴ってしまうアーサー

けれどマリオンが願ったから アーサーは謝罪する

マリオンはソロも与えられて 集まりの中で歌う

その歌はアーサーに向けた愛の言葉

息子と孫娘も聴いている

それから間もなく マリオンは眠るように息を引き取り

アーサーの悲しみは深く 深すぎて

息子も悲しんでいることに気づけない

 

自分みたいな人間からは離れているほうが息子の幸せなのではないか

自分の性格ゆえに息子を今以上に傷つけることをおそれる

 

明るいマリオンが自分の妻となり幸福を与えてくれたことは奇跡のようなことだった

だけど もうマリオンはいない

話し相手もなく日々マリオンの墓に向かって これが今日自分のやることだーなどと話しかける

マリオンは自分にとっての太陽 天使のような存在だったから

マリオンの死後 アーサーはベッドで眠れず ソファーでやすんでいる

 

気にかけるエリザベスはアーサーの様子を見にきてくれるが

そんなエリザベスが恋人にふられたとき 夜に訪ねたのはアーサー

かつてマリオンが言ってくれた言葉を教えるアーサー・・・エリザベスは笑顔を取り戻す

エリザベスは アーサーが歌えることも知るのだ

マリオンには歌っていたと

それからエリザベスの働きかけもあり アーサーは年金ズに参加するようになる

ジェームズにも最悪の父親であっただろうと反省する言葉も

ジェームズは父親に認めてほしくて どんなに頑張ってもダメだった

 

アーサーは他人には自慢の息子だと話していたと

ジェームズは直接ほめてほしかったのだ

「よくやった」の一言がほしかった

 

合唱団のコンクール会場で年金ズは規格外・・・だから出場できないと言われてしまった

帰りのバスに乗ったけど みんながっかり 張り切っていたのに

エリザベスもしょんぼり 

そこでアーサーは バスのドアを開けろ 降りるぞ

会場で歌うのだと

年金ズのみんなも揃って舞台へ

追い出すのは無理と見た進行側が 司会者に「紹介して」

そこで年金ズは歌い始め

アーサーもソロで歌う

現在〈いま〉はここにいない亡き妻マリオンに捧げるような 語りかけるような曲を

会場では息子も孫娘も聴いている

 

帰り道 アーサーはみんなと一緒にバスには乗らず 息子の車で 息子や孫娘たちと話しながらの帰宅

年金ズのみんなはバスの中で 3位入賞をトロフィーを抱えて歓びに湧いている

 

自宅で穏やかな表情で眠るアーサー

おやじはもう寝てるだろうけどーと 嬉しそうな声でジェームズからの電話が留守電に録音されている

帰りの車の中でいっぱい話せて嬉しかったよーと

 

孫娘さんも素直な性格で愛らしかったです

どっか おしゃまさんで

 

 

老夫婦メインの物語 少し若い頃なら見向きもしなかったかもしれません

テレンス・スタンプさん

「血と怒りの河」のブルー〈ならず者に育てられ それでも守る側になり命を落とす〉

「コレクター」異常な殺す人

「スーパーマン」の悪役

なんかね 印象的な役柄を多くこなしてきたお方

詳しく知りたい方はこちらへ↓

テレンス・スタンプ - Wikipedia

 

お若い頃は二枚目っぽい役もなさっていたお方

こういう普通のおじいさんを演じるようにもなられたのだわと

エキセントリックな役柄が印象に強いからでしょうか

 

 

そして妻のマリオンを演じたヴァネッサ・レッドグレイブさんはこちらも名女優

勿論 若く美しい時代もありました

そうそうたる俳優さんと浮名を流したことも

女優としての情報はこちらで↓

ヴァネッサ・レッドグレイヴ - Wikipedia

 

女優 続けておられたのだなあと

 

映画でね 年金ズのメンバーが みんな陽気で

圧倒されるようなパワー

 

派手さはないかもしれません

観る世代や その人の性格でも評価はわかれるでしょう

家族の介護や 家族を看取った経験ある人なら・・・こう胸に来るものがあるのではないでしょうか

 

 

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ごめんなさい

 


「小説家を見つけたら」〈2000年 アメリカ映画〉

2023-11-23 13:12:36 | 映画

 

 

 

治安が悪く 警察もあまり近づかないと言われるニューヨークの下町ブロンクス

バスケットボールに興じる青少年たち

そんな彼らが気になるのは アパートの最上階から双眼鏡で外を見ている老人のこと

ある者はきっと昔人を殺したことがあるんだー絶対犯罪者だよーとか

謎の老人の素性について噂する

ジャマール・ウォレス〈ロブ・ブラウン〉は その老人の部屋に無断で侵入し何か持ってこいーと肝試しめいたことをすることになる

 

根が真面目なジャマールは自分の荷物をその部屋に置いて逃げるはめになるのだが

老人は彼が残した書いたものへ添削をしており

ジャマールは文章を教えてもらいたいーと 断られても老人の家へ通う

老人から出された課題に誠実に向き合うジャマール

老人から自分のことは誰にも言わないようにとの約束を守るジャマール

成績優秀でバスケットボールにも才能見せるジャマールに学費不要でとー有名私立高校からの誘い

それでも迷っていたが 老人の言葉に決意

クレア・スペンス〈アンナ・パーキン〉のちょっとシビアででもストレートな学校についての言葉

クレアの好きな作家が・・・あの老人だと気づくジャマール

ウィリアム・フォレスター〈ショーン・コネリー〉

一作発表 その後本を書かなかった作家

その一作が絶賛を受けたにもかかわらず

何故世捨て人のような生活を半世紀も続けているのか

 

バスケットボールの祝勝会の席で クレアの父親が自分のような者〈下町 下層階級出身〉との交際をよく思わないとジャマールは気づく

 

ずっとアパートから出ることなかったフォレスター

しかし若いジャマールに刺激を受け 少しづつ変化を見せる

 

そしてフォレスターはジャマールと共にアパートの部屋を出て

思いがけないプレゼントを受け取る

亡き兄と一緒に観戦に行った野球場

球場で働くジャマールの兄テレルが内緒でこっそり入れてくれたのだ

フォレスターは戦場に行った兄が復員してから酒浸りになったこと

復員した兄はもう一緒に球場へ行くことはなかった

一緒に飲んだ夜

飲酒運転 車で帰った兄は・・・・・

 

それから兄に続くように母も父も死んだ

このブロンクスで眠っている

 

アパートに帰ったフォレスターはジャマールに礼を言う

楽しかったと

 

学校では上達早いジャマールの文章に教師が不審に思い疑っていた

ロバート・クロフォード教授 彼は作家になれなかった男でもあった

 

フォレスターから この部屋で書いたものは持ち出すなと言われていたジャマールだったが 作文コンテストの原稿にと学校へ提出してしまい

それはかつてフォレスターが書いたものと一致して 盗作の疑いがかけられる

それより前 大切な試合で勝ちを逃がしたこともあり

ジャマールは学校から追い出されそうになっていた

 

フォレスターとの約束を守り 絶体絶命の危機にありながら 彼の名前は出さないジャマール

 

ジャマールはフォレスターへの手紙も届けず 学校へ

「まだ生徒だ」と

テレルはフォレスターの部屋へジャマールが書いた手紙を届け

 

下町から抜け出せそうなのにまた逆戻り

あんないい子なのにー

そう訴える

弟思いの兄なのだ

 

作文コンテストの会場に現れたフォレスターは自分も朗読していいか許可を得る

彼が読んだ感動的な文章は 実はジャマールの書いたもの

フォレスターは自分は身代わりに読んだ

約束を守り続けた友人のために

ジャマールは自分のことを誰にも言うなーこの約束を守っていたのだと

フォレスターは言う ジャマールは友人だと

それでもジャマールを退学に追い込もうと言葉を募るクロフォード教授だが

ジャマールの言動とその文章に感動した 教授よりもっと上の地位の人間により止められる

 

ジャマールは学校に通い続けてよいことになった

 

フォレスターは故郷のスコットランドに帰るつもりだとジャマールに告げる

 

それから・・・・・

ジャマールは最終学年に

フォレスターとの手紙での交流は続いている

才能溢れるジャマールには多くの大学から誘いがかかっているようだ

 

そんなジャマールにフォレスターの弁護士が現れ

彼が癌で死んだことを教える

そしてフォレスターがジャマールに遺したものを渡すのだった

 

フォレスターのアパート

そしてフォレスターの2作目の小説にして遺稿

ジャマールへの手紙

 

派手さはないけれど こうしみじみとした

ジャマールの母も兄も

勿論ジャマール役の俳優さんも

 

そして やっぱりショーン・コネリー氏 いいなあと

そんなふうに感じた映画でした

 

映画について丁寧な情報あるサイトさん↓

小説家を見つけたら - Wikipedia

映画のはなし①「小説家を見つけたら」|いかフライ (note.com)

映画『小説家を見つけたら』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ (mihocinema.com)

 

 

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ごめんなさい

 


観たものから

2022-11-14 11:38:51 | 映画

「ミスト」(2007年 アメリカ映画)

 

スティ―ヴン・キング原作で 原作の小説は そこまで後味悪い終わり方ではありません

監督はフランク・ダラボン

 

悪天候で家にも被害があり 妻子を留守番にして デヴィッドは買い物に出ることに

土地の境界線でもめたこともある隣人の弁護士も乗せてのドライブとなりました

幼い息子のビリー(ネイサン・ギャンブル)もついてきて

 

たちこめる濃い霧

霧の中を助けを求めて駆け込んできた人間は言います

霧の中に何かが居るーそれに襲われたのだと

 

子供を家に置いて買い物に来ていた女性は帰りたい 誰か一緒に来てくれーと言いますが

誰も名乗り出てはくれず 彼女は一人店を出ていきます

他の人間達の不人情に怒りを見せながら

 

霧の中に居るのは何なのか

こうした時 人はこのまま そこにいる

脱出する

方法を選択し考えます

長い触手持ち 触手の内側は牙だらけの口があるモノ

巨大な蚊が攻撃力ある化け物に変貌したようなモノ

翼で飛んでくる化け物

攻撃能力ありすぎる形状は蜘蛛のようなシロモノ

様々な化け物が襲ってきて犠牲者もどんどん増えます

 

そんな中 あきらかに頭がおかしな中年おばさん

そんな狂ったような女性の言葉を信じ従う人間まで出てきます

 

自殺した軍人たち

この化け物たちは軍の研究のために 異世界からこちらへ来てしまった

狂った中年おばさんは今や手下を化した人々を使い この事情を白状させられた若い軍人を襲い傷つけ

店の外へ出します

助けと許しを請う彼は 怪物の餌食になりました

 

 

このままここにいてもいいのか

脱出を考えるデヴィッドと一部の人間たち

 

しかし狂った中年おばさんがはばもうとします

 

息子を彼らに生贄として奪われそうになり デヴィッドと彼の仲間はもみあいに

狂った中年おばさんは射殺されました

 

デヴィッドと彼の仲間たちは犠牲を出しつつ 車に到達

霧の中 駐車場を出ていきます

 

まず向かったデヴィッドの自宅は

彼の妻は怪物たちの餌食となり死んでいました

 

車の中にはビリーも知るベテランの女性教師と老紳士

いままで勇気と分別ある姿をみせてきたアマンダ(ローリー・ホールデン)

デヴィッドとビリー

 

霧は晴れてくれません

そして とうとうガソリンが無くなり車は動かなくなりました

ピストルには弾丸は四つだけ

 

ここまで追い詰められる前に ビリーはデヴィッドに言っていました

僕を怪物に殺させないで

 

何かの音が聞こえてきます

 

ーああ 怪物が近付いてくるんだー

車の中の人々は そう思い目を見合わせます

そしてうなずく

 

彼らは生きる為に脱出したはずなのに

霧は晴れない

 

車の中から聞こえる銃弾の音

 

車の中は血塗れ

 

死んだ人々はやすらかです

が!銃弾が無く死ねないデヴィッドは 車の外に出て怪物に殺されることで死のうとしました

 

しかし!しかし!

近付いてきていたのは

怪物を退治し続けてきた軍隊

その車の音

保護されているのは 最初に店を出た女性とその家族

そして店に残っていた人々

 

何もしなければ 店に残っていれば

もしくはもっと早く店を出ていたらー

 

デヴィッドは家族を喪わずに 息子を殺さずとも良かったかもしれない

 

いえ 銃が無ければー

彼は殺す必要ない人間を殺さずに済んだ

 

後悔と絶望から彼は叫び続けます

デヴィッドの地獄は始まったばかりです

 

正常に戻っただろう世界で殺人犯として速やかに死刑となった方が 彼には救いとなるでしょう

生き残る為の選択であったはずなのに

襲ってくる化け物たちと戦い

その挙句が 

皮肉すぎるとても残酷な結末となってしまった

 

 

 

「セキュリティ」(2017年 アメリカ映画)

 

 

アメリカ海兵隊元大佐のエディ(アントニオ・バンデランス)は退職後 もう一年になるのに仕事が見つからない

最低賃金の仕事でいい 妻子は他の州で暮らしており オンボロ車も限界なんだーと頼み込んで

職業案内の女性の好意で やっと仕事が貰えた

場所も遠いしーと言われても

それはショッピングモールの夜間警備員

仕事を見つけたことを妻に電話するエディ

 

ちょっと口が悪くおしゃべりでもあるが気はいいらしい青年が主任で おたくっぽい人間や それぞれちょっとクセのありそうな若者達と これも美人だが変わっていそうな女性

ここに助けを求める少女ジェイミーが飛び込んでくる

 

彼女はFBIの保護のもと裁判で証言をする為に移動中に襲われた

殺されたのはジェイミーの父 彼はある犯罪組織の罪を暴こうと司法に協力し 裏切りを悟られて組織に殺された

 

ジェイミーを追いかけてきた組織は最初 ジェイミーの父親を装うが偽装を見破られると高額の金で警備員たちにジェイミーを引き渡させようとする

阻んだのはエディ

エデイにはジェイミーと同じ年頃の娘がいました

戦争でのひどい体験から 彼は自分がもしも娘を傷つけたらーと それが恐ろしくて家族と一緒に暮らせずにおりました

 

警備員の一人がジェイミーの父親が関わる事件について知っており 結局 気のいい そして勇気もある夜間警備員の面々は戦って少女を守る道を選びます

 

完全武装の殺人組織と

 

戦ううちに一人一人殺されていく夜間警備員の若者たち

善戦していた主任もー銃撃され 体が斜めになり 瞼が閉ざされます

 

 

殺人組織の親玉(ベン・キングズレー)がジェイミーを遂に見つけ捕らえますが

エディはお守りとして銃を渡していました

ジェイミーの母親が銃を持っていたから 撃ち方は知っているジェイミー

ジェイミーが親玉を撃ち エディがとどめを刺しました

 

そこへやっと警察さんたち

 

ジェイミー エディは助かりました 

エディはあちこち負傷しぼろぼろですが

なんと主任も助かっていて救急車に担架で運ばれています

軽口主任の青年 ここでいい笑顔を見せます

守り切ったー達成感でしょうか

犠牲も多くでましたが

 

エディの病室へジェイミーが挨拶にきます

里親に引き取られると思うーと不安そう

 

けれどエディが少女の後ろを見ていいます

「良さそうな人だ」と

少女が振り向くと 迎えに来ているのは 少女が大好きな

普通の家庭の いつも彼女を可愛がってくれていたおじさんーでした

喜ぶジェイミー

 

 

そして退院したエディの帰りを待っていてくれたのは 彼の妻子

ずうっと夫の父の帰りを待っていたのです

 

映画の中でエディとジェイミーのこんな会話があります

ジェイミーの父親は ジェイミーを危険な目に遭わせるのが怖かったのだろうと

そこでジェイミーも殺された父親について考えます

エディはジェイミーを通して娘を

ジェイミーはエディ越しに父親を

 

それぞれに思い考え

 

 

ジェイミーを守ったことで

この戦いを経て まるでご褒美のように家族のもとに帰ることができたエディ

後味のよい終わり方です

 

 

 

「ゴッドファーザー PARTⅢ」 (1990年 アメリカ映画)

 

 

 

 

フランシス・フォード・コッポラ監督

マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)も老いた

彼は若い頃 軍人で「家」とは離れた普通の世界で生きていくつもりだった

しかし父が殺されそうになり家族が危険な時に見過ごせず 家族を守る為に敢えて飛び込んだ世界

 

その結果 愛する妻は息子を連れて彼のもとを去り 他の男の妻となった

 

それでも綺麗な会社を娘に渡そうと

大司教の話しにも乘った

しかし大司教は マイケルの敵とも通じていた

マイケルは娘のメアリー(ソフィア・コッポラ)にも 息子のアンソニーにも 亡き兄の息子のヴィンセントにも堅気として生きてほしいと願っていた

自分にはできなかった生き方

果たせぬ夢

ファミリーの息子達にも聖職者となった者もいる

マイケルはそのための協力と助力は惜しまない

一時期不和であった妹のコニー(タリア・シャイア)も今やマイケルの理解者で惜しみない協力者だ

 

マイケルは言う

上に行けば 汚い世界と縁が切れると

上を目指したが どこまで行ってもー

 

何処にも強欲で狡くて汚くて悪い人間はいる

逆にタチが悪くなる

 

シチリアの人間は永遠の幸せを 不幸のただなかでも夢見るけれど

 

期待が裏切られることも多いのだ

 

マイケルに対抗し排除しようとする人間の意を受けて動いたジョーイ・ザザによって

マイケルと親しい人間達は襲撃され 多くの人間が亡くなる

マイケルの傍でマイケルを知り 身内としてマイケルを思うようになってきたヴィンセントが 命懸けでマイケルを守る

 

ヴィンセントはマイケルの娘のメアリーと愛し合う仲にもなっていたが

ヴィンセントを後継にと思い始めたマイケルは 娘と別れるように命じる

 

娘には殺し殺される世界とは無縁であってほしかったのだ

 

生まれ育った生家のあるシチリア島のコルレオーネ村へマイケルは向かう

彼は糖尿病随分弱っていた

前妻ケイに自分の想いを語るマイケル

 

この語らいの時間にドン・トマシーナが殺された報せが入る

マイケルを裏切っているドン・アルトベッロが殺し屋モスカ父子を マイケルを殺す為に手配し

モスカ父子に気付いた為にドン・トマシーナは殺されたのだ

 

マイケルの護衛もしていたカロは ドン・トマシーナの復讐を誓う

マイケルが正式に後継と決めたヴィンセント

これからはドン・ヴィンセント・コルレオーネと名乗ることになる

ヴィンセントはメアリーに別れを告げる

メアリーは納得できない

愛しているのに!!!!!

 

コルレオーネを裏切った者達には血の粛清を

カロも己の命を投げ出してルイージを殺した

 

ギルテイ大司教

大金を横領し逃げた銀行家(ヘルムート・バーガー)

 

けれどマイケルが信頼する新しい法王も毒殺されてしまった

そしてコニーは名付け親でもあり マイケルの命を狙ったドン・アルトベッロに毒を仕込んだ菓子を渡す

 

オペラの間 コニーが観ていたのは お菓子を食べ続ける名付け親の姿

「早く眠って(死んで)」と祈るように呟きながら

このオペラは マイケルの息子が出演している舞台

 

劇場内ではマイケルの命を狙うモスカ父子が動き ヴィンセントの部下の護衛の双子を殺す

劇場の中ではマイケルを殺せなかったモスカ父子は 建物の外でマイケルを狙って撃つ

流れ弾はメアリーにも当たってしまった

胸のど真ん中 ドレスを朱けに染め メアリーが倒れる

マイケルも撃たれ傷ついてはいるが メアリーにとりすがる

大切な大切な可愛い娘

 

モスカ父子は殺したヴィンセント

しかし愛するメアリーは息絶えた

もう動かない

 

 

それから長い月日が流れ 引退したマイケルも世を去った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴッドファーザー」といえば 日本では「ゴッドファーザー 愛のテーマ」もヒットした

歌った尾崎紀世彦氏も故人となったが

この曲はオルゴールにも使われた

 

 

ところでメアリーを演じたソフィア・コッポラさんの演技が酷評されたらしいが 私はひどいとか下手とかは思わなかった

何故 そんなに叩かれたのだろう

不思議に思う

 

ジョージ・ハミルトンやヘルムート・バーガーの出演も楽しかった

 

ああ こんなふうに「爺様」になられたのねーと

 

ヴィンセントと居る時に刺客に襲われ その時のヴィンセントの言動に怒る女性グレースにブリジット・フォンダ

 

老年のマイケルと若いヴィンセントとの対比も面白かったです

 

ヴィンセントの中にマイケルは かつての自分を見ただろうか

亡くなった兄の姿を見ただろうか

 

 

映画の中に出てくる幾つかの事件は 現実に起きた事からとか

真相は闇の中ーなのでしょうけれど

 

映画を観たなーって気持ちになる映画です


「パリは燃えているか」 (1966年 フランス・アメリカ合作)

2022-10-22 10:23:54 | 映画

モノクロ(白黒)作品です

ナチスドイツに占領下のパリが解放されるまでを描いた物語

テリー・コリンズとドミニク・ラピエールのノンフィクション作品を題材に ルネ・クレマン監督が映画化しました

脚本を手掛けたのは フランシス・フォード・コッポラとコア・ヴィタル

 

長い映画なので途中INTER MISSION (休憩)が入ります

 

アメリカとフランスのスター俳優も多く出演したオールスター作品でもあります

 

あら この俳優さん こんなところに こんな役でーと発見するのも楽しい

ドイツ軍の支配下で自由を取り戻すべく抵抗運動ーレジスタンスを頑張る人々もいます

テロに走ろうとする過激派がいれば 穏健派も

シャバン(アラン・ドロン)は連合軍を待とうーこれ以上人が死ぬは見たくないー

目にモノ見せてやるんだと血気盛んな人々も

 

ドイツ送りとなった旧友の為に動いたスウェーデンのノルドリンク領事(オーソン・ウエルズ)でしたが 旧友はドイツの親衛隊に射殺されました

必死に動いた旧友の妻の目の前で

 

この頃 パリを占領下においたドイツ側の司令官はコルティッツ将軍(ゲ

ルト・フレーベ)

彼はヒットラーから戦況が不利となればパリを破壊せとーと命じられ その為の準備だけは進めています

パリの各地に爆弾を設置して

 

ヒットラーが各地を破壊し歴史ある建造物さえ消滅させていることを 彼はよくは思っておりません

 

この不安な時代

中にはフランス人でありながらドイツ軍の手先となり 抵抗運動を続ける若者を騙し裏切り 殺させている人物もおります たとえばサージ大尉(ジャン・ルイ・トランティニャン)とか

 

連合軍と連絡取ろうと出したつなぎの人間も幾人か殺されておりのます

警察署や主な公共機関を自由を求める人々の手で取り戻したフランス人達

けれど弾薬も武器も底を尽き これをドイツ軍側に知られたら 束の間の無駄なことになってしまいます

そこで使者に選ばれしガロア少佐(ピエール・ヴァネック) パリを取り戻す為にと必死です

モノ―博士(シャルル・ボワイエ)の力も借りてパリを脱出

連合軍側の居る場所へと向かいますが

 

幾つかの困難乗り越えて会えたアメリカの軍人(実はパットン将軍 演じたのはカーク・ダグラスさん)

この軍人の助言によりガロアはルクレール将軍の居る場所へ向かうことに

この軍人は部下にガロアを車で送るように命じ ガロア出立後 別な将軍に「パリはどうなっている」と電話します

 

ガロアの熱弁は連合軍側の将軍たちの心も動かします

 

こうしてパリ解放の為の進軍が開始され

ドイツがわの抵抗にあい犠牲者を出しながら 遂にパリは解放されるのです

コルティッツ司令官はノルドリンク領事とこんな会話をしています

コ「-我々 二人だけだ

停戦がうまくいかず状況悪化

連合軍はパリを包囲する

 

総統から最終命令が出たーパリ全土を破壊せよーと

 

市内の通行許可を出すから なんとかしてくれ」

スウエーデン大使の問いには コルちゃん こう答えます

「ヒトラーは正気を失っている」

映画の始まりの頃 破壊されたポーランドのワルシャワのニュースを痛ましそうに見ていたコルちゃんでした

では 何故ヒットラーはパリ破壊命令を出したのか

それはもう正気を失っているからだと判断したドイツの将軍コルちゃん

敢えて命令に従わないその理由とは

「パリを破壊すれば ドイツが勝てると言うなら 私の手で街に火をつけるが 

我々は負ける

総統は正気を失っている

会った時に分かった」

 

こちらオーソン・ウエルズ氏 スウェーデン領事を演じております

パリを 人々を守る為に動いてくれるいい方でした

 

 

いよいよ連合軍側が乗り込んできたときにも 潔く降伏しております

「人命を救う為に やむを得ずパリを明け渡す

ノルドリンク総領事に深く感謝する」

 

連合軍がパリに入り ドイツ占領下には慣らされなかった鐘の音が響きます

コ「我々の葬式の鐘だ

ロシアやドイツの事を理解していないか

ノルマンディーのことも

もはや何があっても驚きではない」

 

コルちゃんだって連合軍の到着を手をこまねいて待っていたわけではなくて

電話で「ひと月前に約束した援軍を送ってもらえないかね」と諦めの表情で電話してもおります

けれど ひと月経とうと送られない援軍が今更送ってくることもなく

むしろ戦況悪化で「無理です 兵士の消耗が激しくて」という答え

兵士の消耗が激しいーというのは戦死者増加ーということ

 

コルちゃん 自分の家族のことを頼みます

 

ヨードル大将からの催促は「パリを燃やす準備はできたのかね」

コ「もちろんです

ルーブルやエッフェル塔にも爆弾を設置」

ヨ「ではなぜ さっさと爆破しない」

コ「45か所の橋にも爆弾を仕掛けた 水道施設にも」

(ここいら 総統命令に背いているわけではないとお芝居する 言い訳コルちゃん)

 

ヨ「それなら今すぐ 街を破壊する命令を出せ!」

コ「占領軍が全員引き揚げたなら」

ドイツ兵士の安全を考えているんだよーと 言いたいコルちゃん

 

ヨ「総統は即刻爆破しろと言ってるぞ」

 

この電話を途中で切っちゃうコルちゃんでした

そして忠実な配下には「我々は捕虜となる身だ」

告げると配下の方 いっそ清々しい表情で

「やっとー戦争と平和ーが読めます」

 

 

一方連合運側の一兵士を演じるアンソニー・パーキンス氏

ずっとパリに憧れておりましたが「想像していたとおりだ」

こう言ったあとにドイツ側の攻撃にあい落命

 

あの「ウエストサイド物語」のベルナルド役で日本でも人気のあった俳優のジョージ・チャキリスさんも一兵士役で出演

ノートルダム寺院の前あたりだったかな

 

シモーヌ・シニョレはパリに向かって進軍する連合軍側の兵士にただで電話をかけさせてあげるカフェの女性として

とてもあったかい笑顔をふりまいています

シモーヌ・シニョレさん 映画によっては大変恐ろしい女性も怪演される御方なので

 

映画の最後の方で こんな歌詞が入ります

ー憎き敵の血で田畑を潤すー

 

いやいや 人の血を肥やしとして育てた作物なんぞ口にしたくないです

パリ解放後 映画では描かれませんが

ドイツ人に協力していたと思い込まれただけで 実際はそんなことしていないのに

酷い目にあわされ命を奪われた方も多く出ました

 

敵であると思い込めば 何をしてもかまわない

そこに何の証拠が無くてもー

 

フランス革命時にも「悪く思われた」だけで ギロチンの犠牲となった無辜の人間も多数出ました

復讐という強迫観念に襲われた人々の 何をしたっていいんだーという思考は恐ろしくもあります

 

 

ジャン・ポール・ベルモンドは「行動の人」の役柄

 

それほど出演場面は多くありませんが おいしい場面をもらっているなと思います

 

映画の題「パリは燃えているか」ーはヒットラーの電話の言葉から

 

 

 

 


「山猫」 (1963年 仏・伊 映画)

2022-09-10 19:17:34 | 映画

監督 ルキノ・ヴィスコンティ

イタリア貴族の末裔のジュゼッペ・ラントゥーザ氏の書いた小説を 同じくイタリア貴族の血が流れるルキノ・ヴィスコンティ氏が映画にした

しかも映画の中の豪華な舞踏会場面には本物の貴族が出演しているという

完全版3時間7分ほどの作品を観ました

あまりに長いのでカットされた作品もあります

 

壮麗な館の中 サリーナ公爵ファブリッツィオ(バート・ランカスター)は届いた報せに不機嫌になります

ガリバルディ率いる赤シャツ隊

革命を怖れ逃げ出した貴族がいます

公爵は逃げるどころか 館の庭で兵士の死体が見つかるほど騒然としている外へ平気で出かけていくのです

後日 聖職者に結婚の誓いを破っている行為を咎められますが

「わたしは精力的な男だ」と逆に聖女ぶる妻への不満を言います

7人も子供を産んだのに 公爵は妻のへそすら見たことがない

公爵の情熱を受け止めてくれる女が必要なのだということでしょう

公爵には目をかけているハンサムな甥のタンクレディ(アラン・ドロン)がいます

彼は貴族でありながら ガリバルディ(ジュリアーノ・ジェンマ)率いる革命軍に参加すると

話を聞いて公爵は複雑な表情をしますが 彼に軍資金を持たせてやります

公爵の娘でタンクレディを慕っているコンスタンツェは心配で引き留めますけれど

馬車をかってタンクレディは行ってしまいます

 

やがて公爵一家は通行許可を取り別荘へ向かいますが 途中の道路が封鎖されており

大尉に昇進しているタンクレディが自分の権限でその封鎖を突破 無事に別荘へ

市長ゼダーラの歓迎も受けます

 

ゼダーラには美しい娘のアンジェリカ(クラウディア・カルデナーレ)がおりました

タンクレディは野性的な美しさをたたえたこの娘にすっかり魅了されます

 

聖職者から娘のコンスタンツェのタンクレディへの想いを聞かされた時に 公爵はこう答えています

つつましやかな娘の美点は認めつつ 野心家のタンクレディを妻として支えることはできないーと

 

タンクレディからアンジェリカと婚姻したい意志を知らされた時に 公爵は二人はいい組み合わせだと考えています

成りあがりの父親でも金がある

タンクレディには金が必要だ

公爵はよく人間を見ているし 心の中では貴族の伝統も大切にしながら 時流を見る目も持っています

 

 

 

1860年10月国民投票が行われ シチリアの民は統一され分かちがたいイタリアを望むとの結果が出ました

統一イタリア万歳

 

ここでイタリア統一の言葉に かつてルネサンス期にイタリア統一を目指し野望半ばで戦場で死んだチェザーレ・ボルジアのことを思い出しました

 

公爵は言います「風なくば 空気は腐った沼だ」

公爵は賛成票を入れました

 

公爵が狩りに伴ったドンチッチョは言うのです

自分は反対に入れた 反対票はもみ消されたのだと

自分は正直者

受けた恩義は忘れない

カラブリアの公爵夫人でスペインのイザベッラ王妃のお力添えで勉強し いまは教会のオルガン奏者を務めさせていただく

閣下の御厚情を賜っております

生活が苦しい折り 宮廷にお縋りしたら常に救いのお金が届けられた

もし今 あの気高い王様や王妃様が天からご覧になったら」

 

公爵は言います

「民衆はガリバルディの勝利に歓喜した

国民投票は無秩序に対する唯一の方策だ

我々にも害は少ない 

革命の時は過ぎ去った 今日この街で生まれたイタリアに栄光あれ」

 

そして公爵がタンクレディとアンジェリクの結婚を認めるつもりだと知りドン・チッチョは言います

「ファルコリーネ家は終わる サリーナ家も終わる」

公爵「この結婚は終わりではなく すべての始まりだ」

 

ガリバルディが落ち目になる前にさっさとイタリア国王陛下の正規軍へと友人の伯爵と共に鞍替えしたタンクレディ

全く驚くべき変わり身の早さです

勝ち馬に乗るのがうまいというか

 

かつてはお嬢様であったコンスタンツェと舞踏会で肩を並べるなんて考えられなかったアンジェリク

その新鮮な美しさでタンクレディを魅了

コンスタンツェがタンクレディを慕っていると知りながら 

ゆえに内心得意だし みせつけるような言動も

この育ちの悪さ 呆れるほど下品な笑い声

 

コンスタンツェは端正な整った正統派の美貌です

対してアンジェリクは性的魅力が

何処か軽薄さもあるタンクレディと合うのかもしれません

とは言えタンクレディは彼なりに公爵を大切にしています

 

ある貴族の開いた豪勢な舞踏会

疲れた公爵の目を捉えたのは 死の礼賛という絵でした

タンクレディに「死のことはよく考える 恐ろしくはない」と

心配そうな表情になるタンクレディ

アンジェリクは言います

「こちらにおいでと知って休憩にきたんです でもお願いがあって」

公爵「言ってごらん」

アンジェリク「マズルカを一緒に踊っていただけないかと 踊りの名手と伺いました」

公爵は ワルツでよければーと答えます

アンジェリクはタンクレディに「おじ様はお優しいわ あなたとは違うわ」

答えてタンクレディ「こんなにも粋で魅力的なおじ様には嫉妬するさ」

 

丁度ワルツが演奏されて 踊り出す公爵とアンジェリク

「皆さん親切で私はとても幸せです タンクレディは天使よ おじ様もです

すべておじ様のおかげです

彼だって(公爵に結婚を)反対されていたらー」

公爵「それでも(タンクレディは)結婚していたよ すべて君の力だ」

アンジェリク「いいえ 違います」

公爵「そうだよアンジェリク タンクレディは君の美しさにあらがえない 」

 

アンジェリク「ダンスの名人だと伺いましたがー」

公爵「また失望させて すまない」

 

アンジェリク「名人どころか あなたは魅惑の踊り手ですわ 私たち注目の的です」

 

二人の踊りを眺めていたタンクレデイ

「おじ様の威厳に圧倒されて拍手が足りなかったですが大喝采ものでしたよ」

 

このところ舞踊会が多い事をこぼすコンスタンツェに アンジェリクは自分は楽しくてたまらないーと

タンクレディとの仲をみせつけるような場面を 鈍感力発揮のタンクレディ

 

帰ることになり公爵の姿を捜すタンクレディ「サリーナ公爵を見なかったか」

見つけた公爵は家族の為の馬車の手配を頼み 自分は歩いて帰る 外の空気を吸いたいと話します

 

そして公爵の姿を見失うタンクレディ

 

夜の街に跪く公爵「星よ 誠実なる星よ 

いつ 束の間でない時をもたらす

全てを離れ お前の永遠の確かな地にー」

 

馬車の中の三人 タンクレディとアンジェリク そしてアンジェリクの父親

脱走兵が射殺ー処刑されているのか銃撃の音が聞こえてきます

アンジェリクの父親「シチリアにはこれが必要だ やっと安心ー」

 

寂しい路地を独り消えていく公爵の後ろ姿

誰もいなくなり

FINE

 

 

新しい国となった政権から 公爵は政治への参加を求められて 自身は断り代わりにアンジェリカの父親を推挙しています

 

旧体制側の人間であった自分は新しい国へはふさわしくない

時代の流れに乗れる人間のほうがふさわしいと

時代の変化を必要なものと認めつつ 古き良き時代への愛も深くあるのでしょう

それが滅び消え去る運命であるとしても 甘んじてうけいれて

貴族の体面 公爵としての誇り

家族への愛情

何を譲り 何を護り抜くべきか

 

名優バート・ランカスターの演技をじっくりとご覧になっていただきたいです

そのたたずまい

 

そしてできれば出演されている他の映画もご覧になってください

 

同じ人間か!と驚くはずです

演じる役柄で こんなにも違う人物になれるのかと

 

 

 

 

 

 


「マグニフィセント・セブン」(2016年 アメリカ映画)

2022-09-04 22:30:08 | 映画

 

 

 

 

 

日本映画「七人の侍」から西部劇「荒野の七人」が生まれ

 

その「荒野の七人」から この映画ができました

オマージュかリメイクか

 

困っている人々がいる

迫害されている無力な存在

迫害者を退治するのに守って代わりに戦ってくれる人間を捜す

大抵は金などにつられて集まった人間のはずが それが守る為に命を喪う

話の形式は決まっていて

 

どういう人間が集められるか それぞれの個性 集まり方に興味をひかれる

 

1879年ローズクリーク

教会に人々は集まっています

入植し彼らが開拓した場所なのに強欲なバーソロミュー・ホーグ(ピーター・サースガード)により追いたてをくらっているのです

金鉱で働く人々も酷い扱いを受けています

バーソロミューは金と暴力で保安官すら言いなり

雇われたブラックストーン警備会社はバーソロミューの意のまま

つまりは悪の手下です

今後のことを話し合う人々集まる教会に手下引き連れ姿を現わしたバーソロミュー

人々を教会から追い出し 教会に火をつけます

止めようとする牧師様は暴力を受け あまりにもひどいと止めようとした勇気ある男性マシュー・カレン(マット・ボマー)は射殺されるのです

住民に恐怖を植え付けるバーソロミュー

抵抗したら刃向かったら殺されると

 

土地を惜しんで命を奪われるか 追い出されてしまうのか

夫を殺されたエマ(ヘイリー・ベネット)は自分の全財産投げ出し 町を守ってくれるー夫の敵を討ってくれる人間を見つけようとします

青年テデイ(ルーク・グライムス)と町を出てたどり着いたアマトールシティで やっと頼りになりそうな人間に出会いました

七つの州の委任執行官サム・チザム(デンゼル・ワシントン)

サムは酒場で目をつけていたギャンブラーのジョシュ・ファラデー(クリス・プラット)のカタに取り上げられていた馬を買い戻し 仲間に加えました

抜け目ない目つきーどっか裏切りそうで信用できなさそうな空気も最初はたたえていらっしゃるんですけどね この御方

サムはテディとジョシュに「死の天使」ことグッドナイト・ロビショー(イーサン・ホーク)を連れてくるように告げ 自分はエマとある男を見つけにいきます

 

本当なら捕まえる予定だった賞金首のバスケス(マヌエル・ガルシア)

つかまえないことを条件に仲間に入らせます

 

グッドナイトは東洋人のビリー・ロックス(イ・ビョンホン)と組んで行動していました

それから熊の毛皮をまとったジャック・ホーン(ヴィンセント・ドノフリオ)

最後に加わったのはコマンチ族のレッド・ハーベスト(マーティン・センズメアー)

部族の長老に「お前の道は違う」と言われ部族を離れ放浪していたが サムと認め合い参加

 

彼らは町を恐怖支配していたバーソロミューの手下たちを斃します

そしてバーソロミューの意のままに動いていた保安官のバッジを外させ「解任だ」とし

バーソロミュ―への伝言を届けさせます

 

サムはバーソロミューが人を揃えて襲ってくるまで一週間と踏んでいました

その間に戦う術を知らない住人たちを訓練しなくてはなりません

それに武器も必要でした

バーソロミューが暴力と恐怖で人を働かせている金鉱へ出向いたサム達は 彼らを解放し共に戦う人間の希望者も募ります

そして作業用の爆薬なども手に入れるのでした

元北軍の騎兵隊にいたサム

元南軍にいたロビショー 彼はリンチされていてサムに救われた経験あり サムの家族のことも知っているようです

サムがこの命知らずな仕事を引き受けた動機にも勘づいているよう

もしもサムの妹が生きていたら エマくらいの年恰好だなと

そんな言葉もあります

兵士であった経験から 敵を斃す為の仕掛けもほどこし 人々の訓練やその工作 作業にも参加する彼ら

人々の戦う腕が未熟すぎてジョシュはいつもイライラ

子供達は額に汗し働く彼らに 水を配ってくれます

 

偵察に出ていたレッドは バーソロミューが近付いてきていることを知らせに戻りました

死の天使とも呼ばれるグッドナイトですが 実は人間が撃てなくなっていました

今度人を殺したら恐ろしい死に方をすると 

一度は去ってしまうグッドナイト

 

戦い前夜

サムは男達に言います「去りたいなら今のうちだ 去っても誰も恨みはしない」

ジャック「人の役に立てるんだ (仲間を見ながら)尊敬できるお前たちと

これ以上の望みはない」

 

こんないい場面なのにね これまで部族の言葉でしか話さなかったレッドが言うんです「腹減った」

 

なんだ こいつ白人の言葉も話せるんじゃないかと嬉しそうな表情になるジャック

「やまほど話があるんだ おいおいそっぽむくな」

 

相棒組んでいたグッドナイトが居なくなりビリーは一人で酒を呑んでいます

人々への訓練でビリーは得意のナイフ使いを教えようとしたのですが その技が凄すぎてね

教えを乞う人はいなくなりました

ビリーは真面目に教えていたのに かわいそうに

生徒にやる気がありませなんだ

 

この時代 東洋人は白人からは下に見られていて迫害―いじめられ不当な扱いを受けることも多かったんです

年上のグッドナイトを身内のようにビリーは思っていたのかも

 

エマは一人射撃の練習をずっと続けていました

 

サムは怪我をした片腕を吊ったままの牧師とも話します

牧師「一言お礼を言いたかった こんなに楽しい夜を過ごしたのは久しぶりです

奴等と戦おうと立ち上がってくれたあなたがたに感謝します」

 

エマとも話すサム

その脳裏には家族の墓が見えるのかー

バーソロミューによって殺された家族 自身も殺されかけ生き残り

これは自身の復讐の為でもありました

エマから敵がバーソロミューと聞いた時

ずっと追っていた敵でした

サムには報酬など必要なかったのです

 

一方バーソロミューは伝言を届けた元保安官を殺していました

「サム・チザムだ この町も谷もいただいた

来なけりゃ腰抜け」

煽る言葉

それを聞いて相手の人数を訊ね 7人と答えられ

バーソロミュー「たったの7人で腕利き22人を殺したのか 

そうなのか」

 

それは不意打ちだったからだろうと 元保安官を射殺

「ローズクリークは歴史に残らない もうすぐ消える

欲しい土地があれば奪う

軍団を集めろ 町に行く」とのバーソロミューさんでした

 

その悪い方々が襲ってくる前に 女子供は地下室へ避難

準備して悪い方々を待つ彼ら

ジャックは祈ります「主よ わたしに力を」

登場場面こそ どんな暴れん坊かと思わせたジャックでしたが あったかな心の持ち主であることが伝わります

そんなジャックさん死にました

頑張って頑張って だけど敵側のインディアンに射られてね

とうとう動かなくなってしまいました

 

 

待ち構えるサムはずっと黒っぽい服装なのですが

ここで思ってしまった

(ごめん デンゼル・ワシントン でもね やっぱりユル・ブリナー様の方が素敵なの)

あくまで個人の感想です

 

 

いっぱいいる悪い方々の戦闘要員ですが サム側の作戦が当たり どんどん減ってーお亡くなりになっていかれます

 

そこで焦ったバーソロミュー

まだまだ隠し玉があるとばっかりに「あれを持ってこい」

そこで運ばれてきたのが悪魔の銃と呼ばれるガトリング銃

 

ほら「るろうに剣心」で武田観柳斎かがね 自分のお屋敷がどんどん壊れるのに嬉しそうに撃ちまくったあの武器ね

回る蓮根みたいな形のとこからどんどん弾丸出てくるの

もう迷惑きわまりない

でも主役でなくて悪役さんだからー 主役さんに喧嘩売ってはねいけないんですよ

 

 

このガトリングの為に大きな犠牲が

こいつを何とかしようと 既に撃たれて出血中のジョシュが援護射撃を頼んで馬に乗り ガトリング銃に近づこうとし 

バンバン撃たれ

援護射撃中の戻ってきていたグッドナイトもビリーも ガトリングの攻撃で落命

 

ぼろぼろになってガトリングの近くに倒れ込んだジョシュ 最期の煙草を喫おうとして死んだと見せかけ

煙草の火で隠し持っていたダイナマイトに点火し投げました

「俺は最後は必ず勝つんだ」

ガトリングと共にご臨終です

 

ジョシュを演じたクリス・プラットさん 「ジュラシック・ワールド」でも死ななかったのに・・・・・

 

負傷した人間を庇っていたエマ 敵のインディアンに遭遇 銃を構えるも弾切れか

そこにレッド登場 ジャックの敵でもあるインディアンと戦い勝利

「インディアンの恥だ」

 

残りも僅かになってきたバーソロミュー その手下引き連れ町に乗り込み 累々たる死者の数にあざ笑い

けれどその僅かだった手下さんも殺されました

 

サムと1対1

バーソロミュー「何者なんだ」

サム「お前を殺す者だ」

バーソロミュー「会ったのか 何処かで」

サム「1867年 10月 元南軍兵士を雇いカンサスで土地を奪わせたろう」

バーソロミュー「入植者か」

サム「善人だった この町の連中のようにな」

バーソロミュー「神が彼らを生かす気だったら 弱い人間にはしなかった」

サムの母親はバーソロミューが雇った手下に犯されて殺された

二人の妹も

サム「思い出したか」

 

かつて自分が火をつけた焼け残りの教会に逃げ込み命乞いしながら隠し持った銃でサムを殺そうとするバーソロミュー

しかし教会の入り口に現れたエマに撃たれる

彼女は夫の敵を討ったのだ

 

(あのね サム ちょっと詰めが甘すぎると思うの 自分の側が絶対有利だからって油断しちゃ駄目だよ)

 

レッド サム バスケス 雇われた7人のうち生き残ったのはこの3人

馬に乗って町を去っていきます

住人たちは口々に

「心より感謝します」

 

それからエマの声で

ー何者であったにせよ 最後はここで

彼らは勇気と名誉と共に立ち上がり 自ら戦えぬ人々の為に戦い

そして命も落とした

彼らのものではない何かの為に

彼らは崇高なる男達ー

順々に墓が映ります

ビリー・ロックス

グッドナイト・ロビショー

ジョシュ・ファラデー

ジャック・ホーン

 

 

最初はさして仲も良くなかった男達

南軍だ北軍だの メキシコ人だの

アラモ砦で戦った人間達の敵と味方の子孫同士だのーなどとね

 

それが打ち解けバカ話もするようになって

背中合わせに敵と戦う場面もあり

 

いつか人々を守ろう 子供達を守ってやらにゃーと

心が変わり その為に死んでも惜しい命ではないと

 

これまでの人生も決して恵まれたものではなくて

むしろきついしんどい思いのほうが多かった人間ばかしであったのに

 

何かを護り抜く為に死んでいった男達

その姿が尊いからこそ 繰り返しリメイクやオマージュした作品がつくられるのかもしれません

 

 

 

この映画の詳しい情報あるサイトです↓

マグニフィセント・セブン - Wikipedia

 

『マグニフィセント・セブン』感想(ネタバレ)…7人には意味がある | シネマンドレイク:映画感想&レビュー (cinemandrake.com)

 

感想『マグニフィセント・セブン』イケてるオジサンたちが渋くキャッキャウフフして散っていく高揚感といったら - ジゴワットレポート (jigowatt121.com)

 

映画『マグニフィセント・セブン』評価と感想/ラスト30分がめちゃめちゃ面白い (eigamanzai.com)


「無法松の一生」 (1958年 日本映画)

2022-07-12 09:17:03 | 映画

 

 

子供の頃 父が好きな映画として挙げたのは バンツマこと坂東妻三郎主演1943年の映画でした

 

ところがこの映画は占領軍や内務省などの検閲により幾つかのシーンもカットされ 監督の稲垣浩氏としては不本意なものでした

いまふうに言えば 同じ監督が出演俳優を変えてのリベンジが1958年作品になります

結果ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞

音楽では團伊玖磨氏が参加です

 

村田英雄さんの歌 「無法松の一生」や「無法松の一生 度胸千両入り」などは現在もカラオケでも人気がありますし

多くの歌手が歌ってもおられます

坂本冬美さんの「あばれ太鼓」も無法松を歌ったものです

 

原作は岩下 俊作氏の小説「富島松五郎伝」

 

貧しい家に育ち 継母に叱られて父親が働く遠い場所まで歩いていく途中 夜になり揺れる木々の枝に こわいものを見て 怯え幼い男の子はようやっと父の居る場所へたどり着き

父親の顔を見て ただ泣きじゃくります

 

この「何かこわいもの」「白くひらひらと空中を浮遊するもの」が出てくる場面を観た時に 私は「ハリーポッター」シリーズに出てくる吸魂鬼ディメンターを思い出しました

日本も西洋も「こわいもの」は時代を問わず共通するのかも

 

 

映画の冒頭で車引き(人力車の車夫)の無茶 やんちゃぶりの逸話が描かれます

自分の失敗も笑い飛ばす豪快ぶり

車夫の身分をさげすまれれば 腹いせもしてみせますが ことをわけて道理を説かれれば これは素直に頭を下げて自分の非を認め さとしたくれた相手のことも認める

主演の松五郎役は 三船敏郎さん

松五郎をさとす結城重蔵役に笠智衆さん 渋い演技に役柄の説得力があります

 

愛されるごちゃもんの無法松

彼は怪我をした男の子を家へ送り 乞われてそのまま医者へも送り届け

礼金を渡そうとする男の子の母親の吉岡良子(高峰秀子)に 人助けをしただけーと断り帰っていきます

良子の夫の軍人である吉岡小太郎(芥川比呂志)は無法松の噂も知っていたし 彼の言動を目の当たりにしたこともあった

陸軍の偉い人にも怯まぬ傍若無人ぶり

いっそ痛快さを覚えており 客として松五郎を招き歓待するのであった

 

無学文盲な自分のような者を対等に扱ってくれる小太郎 

これまで知らなかった良子のような所作の美しい女性

二人の人柄に感じ入り まともな人間として扱ってくれることが 嬉しかったのだろう

ところが小太郎は風邪から あっさり世を去ってしまう

ひ弱いところもある息子の敏雄を女親一つで無事に育てあげられるか不安に思い 松五郎にも助力を願う

自分に足りないところをたのみとすると

 

敏雄の運動会に参加したかけっこで松五郎は自慢の足で一位になり その賞品は敏雄にと渡す

(この走る姿がね ちゃんと車夫さんの動きです

表情も

後年の用心棒・素浪人シリーズともちゃんと別人物)

力いっぱい大きな声で松五郎の応援をする敏雄の姿にも喜んだ良子

家族のいない松五郎

良子と敏雄から家庭の温みというようなものを松五郎が得ていた

学芸会での敏雄の発表する姿

どれも今迄松五郎が知らなかった世界だ

良子は兄夫婦が勧める再婚話も断っていた

吉岡の家の庭の手入れをしていた松五郎にも その話が聞こえる

松五郎の胸には良子への慕情もあった

あこがれ こわしてはならない聖域

しかし松五郎とて男なのだ

高い空にある月だって欲しくなる

やるせない寂しさに襲われることもある

松五郎の父親は酒で死んだのだという

自分もいつか酒に心臓をやられるだろうと

 

それであまり酒はやらなかった松五郎だが

 

家を離れ遠くの学校へ通う敏雄が祭り見物に先生を連れて帰郷

そこで小倉の祇園太鼓を先生が楽しみにしているが 現在はその様々な打ち方ができる人間がいないと知り落胆していると聞いた松五郎が 真似事だがーと

飛び入りで太鼓を打ってみせる

かえる打ちから始まり 流れ打ち、勇み駒、暴れ打ち

久々に聞く打ち方に 人々は聞きほれる

感心したようにその音を聞く先生の姿

 

おかげでおおいに敏雄も面目をほどこしたと良子も喜ぶ

 

募る想いを今日こそ良子に伝えたいと来た松五郎だったが 小太郎の遺影の前の良子の佇まい

母としての敏雄への言葉などから

ただ松五郎は うなだれて自分の心は汚い

そしてもう吉岡宅へは来ないことを言って去る

それから酒におぼれた松五郎は 大雪の日に屋外で倒れて死ぬ

その場所は 松五郎が時々 敏雄のことを気にかけ幾度も行った小学校の校庭近く

松五郎の脳裏に浮かぶは 出会ってからの敏雄や小太郎 良子の姿

中学生の敏雄の喧嘩に混じって暴れたこと かけっこで走り 

様々な想い出

回る回る人力車のくるまの回転よ 時も回る

回りが止まれば 心臓も止まる

 

松五郎の亡きがらは子供たちが見つけた

遺品からは

これまで吉岡の家から渡された 手伝いや骨折りへの謝礼が袋のまま手つかずで大切に仕舞われており

ばかりか当時のお金で500円(この頃では大金)ほどの良子と敏雄名義の通帳が2冊

 

葬儀へと来てくれていた結城重蔵は 松五郎とは そういう男であったと

 

ただ泣き崩れる良子

 

どれだけ大切に思っているか口には出せなかった松五郎

 

 

ウィキのあらすじがよくできておりますので

ここにコピーしたものを↓

明治30年、小倉に無法松と呼ばれる人力俥夫の松五郎がいた。松五郎は博奕で故郷を追放されていたが舞い戻り、若松警察の撃剣の先生と喧嘩をして頭を割られ、木賃宿の宇和島屋で寝込んでいた。そんな松五郎は喧嘩っ早いことで評判で、ある日、芝居小屋で仲間の熊吉と枡席でニンニクを炊いて嫌がらせをし、木戸番と喧嘩するが、土地の顔役である結城重蔵の仲裁で素直に謝った。松五郎は意気と侠気のある男だった。

松五郎は堀に落ちてけがをした少年・敏雄を助ける。敏雄の父親は陸軍大尉の吉岡小太郎であり、これが縁で松五郎は吉岡家に出入りするようになった。しかし、吉岡大尉は雨天の演習で風邪を引き急死した。夫人のよし子は、敏雄が気の弱いことを心配して松五郎を頼りにする。松五郎は夫人と敏雄に献身的に尽くしていった。

やがて敏雄は小倉中学の4年生になり、青島陥落を祝う提灯行列の日に他校の生徒と喧嘩をして母をハラハラさせるが、松五郎は逆にそれを喜び喧嘩に加勢した。その後敏雄は五高に入学し、松五郎とは疎遠になっていった。小倉祇園太鼓の日、夏休みのため敏雄が五高の先生を連れてきて帰省した。本場の祇園太鼓を聞きたがっていた先生の案内役をしていた松五郎は、山車に乗って撥を取り太鼓を打つ。流れ打ち、勇み駒、暴れ打ち。長い間聞くことのできなかった本場の祇園太鼓を叩き、町中にその音が響いた。

それから数日後、松五郎は吉岡家を訪ね、夫人に対する思慕を打ち明けようとするが、「ワシの心は汚い」と一言言って、彼女のもとを去った。その後、松五郎は酒に溺れ、遂に雪の中で倒れて死んだ。彼の遺品の中には、夫人と敏雄名義の預金通帳と、吉岡家からもらった祝儀が手を付けずに残してあったー

 

1943年版の映画の粗筋も同じくウィキからコピー↓

明治30年、小倉に無法松と呼ばれる人力俥夫の松五郎がいた。松五郎は博奕で故郷を追放されていたが舞い戻り、若松警察の撃剣の先生と喧嘩をして頭を割られ、木賃宿の宇和島屋で寝込んでいた。そんな松五郎は喧嘩っ早いことで評判で、ある日、芝居小屋で仲間の熊吉と枡席でニンニクを炊いて嫌がらせをし、木戸番と喧嘩するが、結城重蔵の仲裁で素直に謝った。松五郎は意気と侠気のある男だった。

松五郎は堀に落ちてけがをした少年・敏雄を助ける。敏雄の父親は陸軍大尉の吉岡小太郎であり、これが縁で松五郎は吉岡家に出入りするようになった。しかし、吉岡大尉は雨天の演習で風邪を引き急死した。夫人のよし子は、敏雄が気の弱いことを心配して松五郎を頼りにする。松五郎は夫人と敏雄に献身的に尽くしていった。

やがて敏雄は小倉中学の4年生になり、青島陥落を祝う提灯行列の日に他校の生徒と喧嘩をして母をハラハラさせるが、松五郎は逆にそれを喜び喧嘩に加勢した。その後敏雄は五高に入学し、松五郎とは疎遠になっていった。小倉祇園太鼓の日、夏休みのため敏雄が五高の先生を連れてきて帰省した。本場の祇園太鼓を聞きたがっていた先生の案内役をしていた松五郎は、山車に乗って撥を取り太鼓を打つ。流れ打ち、勇み駒、暴れ打ち。長い間聞くことのできなかった本場の祇園太鼓を叩き、町中にその音が響いた。

それから数日後、松五郎は吉岡家を訪ね、夫人に対する思慕を打ち明けようとするが、「ワシの心は汚い」と一言言って、彼女のもとを去った。その後、松五郎は酒に溺れ、遂に雪の中で倒れて死んだ。彼の遺品の中には、夫人と敏雄名義の預金通帳と、吉岡家からもらった祝儀が手を付けずに残してあったー

 

 

1958年出演者↓ウィキよりコピーです

 

名調子 村田英雄の 無法松の一生 度胸千両入りの歌詞はこちら↓

村田英雄 無法松の一生~度胸千両入り~ 歌詞 - 歌ネット (uta-net.com)

 

坂本冬美 あばれ太鼓 無法一代入りの歌詞はこちら↓

坂本冬美 あばれ太鼓~無法一代入り~ 歌詞 - 歌ネット (uta-net.com)

 

私の伯母の一人が長く小倉で暮らしておりましたが その話す言葉が 映画の中で高峰秀子さん演じる吉岡良子さんの物言いにとても似ておりました

 

ああ そういう言葉遣いであったなと とてもなつかしく感じました

 

 

 

 


「幕末」(1970年 日本映画

2022-07-09 10:14:44 | 映画

幕末ー日本の歴史の内 江戸幕府の政権末期の頃を指すーのだとか

映画では坂本竜馬が暗殺されるまでの半生が描かれます

当時の錚々たる俳優が出演しております

 

wikipediaさんよりコピー↓

 

 

 

 

 


観たモノから

2022-05-11 19:19:50 | 映画

 

「ダウト 偽りの代償」(2009年 アメリカ映画)

オリジナルは1956年作品 邦題は「条理ある疑いの彼方に」

目隠しした女性が居て質問を受けています

コーヒーの味の優劣

仕切っていたのはニコラス(ジェシー・メトカーフ)

見るからに胡散臭い笑顔

収録を終え彼は裁判所へ

先に来ていた友人のフィンリーと裁判の傍聴を

ニコラスは連戦連勝のハンター検事が後ろ暗いことをしているだろうと スクープ狙い

その為にハンター検事の部下の検事補のエラ・クリスタル(アンバー・タンブリン)に近づきます

 

検事補ならば自分に近づく男の思惑を疑ってもいいのに・・・・・

彼女はハンター検事の扱った事件の取り調べ画像をニコラスに渡し ばかりか関係も持つのです

(男を見る目のない尻軽女ーと観ていて思ってしまった 挨拶代わりに男と寝るんじゃないバカ)

 

ニコラスはハンターが証拠を捏造しているはずといきり立つのですが 彼の手がけている番組は視聴率悪く打ち切りに

他の場へ異動命令

 

それでも諦めないニコラス

野心に燃える彼がしたのは手頃な事件の殺人犯になりすます

そこで決定的な証拠をハンター検事がでっちあげるのを暴くーという かなり際どくあくどいもの

自分が本当の殺人犯でない証拠はフィンリーが保管

 

作戦通り めでたく逮捕されたニコラス

裁判でハンターの正体を暴こうとしますが 無罪の証拠を取りに行ったフインリーは ハンターが刑事時代にコンビを組んでいた警部補(ローレンス・ベロン)に執拗に追われて交通事故

運転していた車のガソリンが漏れたところへ警部補が煙草を投げて 車炎上

 

裁判所で待つニコラスにフィンリーの死が知らされます

これで無罪証拠は無くなり・・・・ニコラスは死刑囚に

刑務所に収監されます

 

刑務所からエラに救いを求めるニコラス

ニコラスの無罪を信じてエラは友人の力も借りて調べ始めます

ところがニコラスの刑務所の電話を聴いているハンター

エラは遂にハンターの証拠品の画像の不正トリックを暴きます

が!ハンターとつながっている警部補に車で追われて殺されそうになり 駐車場を逃げ回り

あわやという時 銃声が

かねてから この警部補の行動が怪しいと睨んでいた刑事が警部補を射殺

ハンタ―検事も逮捕されました

ニコラスは釈放され一躍有名人に

 

自由の身となり喜びエラと愛し合うニコラス

 

けれどエラは気付いてしまった

かつてニコラスが賞をとったフィルム

死んだ娘 その手が 指が

今度の事件で殺された女性と同じ

同一人物としか思えない

つまりニコラスは真実でない「やらせ」で賞を

 

この「やらせ」で強請られるかしていたニコラスが邪魔な 生きていては困る女性を本当に殺していた

気付いてからのエラの行動は早かった

すぐに警察に連絡

 

「ベッドに戻れ」自分を愛しているんだろう―と言うニコラスにエラは真実を突きつけ

「一緒に何処か遠くへ行こう」となおも言うニコラス

 

聞えてくるのはパトカーのサイレン

「何も言う事はないわ」と言ったエラだけれど 部屋の外へ出てきながら

「ああ ひとつだけ」

そしてサイレンの音に紛れるように「くたばれ」と

 

今度から もっと男は選ぼうねエラさんーというお話でした・笑

ニコラスに騙され 利用され命まで落としたフインリーさん 気の毒すぎます

 

 

BSプレミアムのドラマ「海の見える理髪店」

萩原浩さんの短編集の表題作をドラマ化したものです

小説の感想はこちらです↓

荻原浩著「海の見える理髪店」 (集英社) - 夢見るババアの雑談室 (goo.ne.jp)

 

鄙びた景色の中を行くバス

降りた男(藤原季節さん)

海が近い

男の目的地は・・・・・海辺の小さな街の理髪店

前庭に古いブランコがあります

空を海鳥たちが舞う

男は扉を開ける前に深呼吸

古いが掃除の行き届いた店内

「いらっしゃいませ」笑顔で客を迎える店主(柄本明さん)

言葉遣いも丁寧だ

 

「他にお客はいらっしゃいません おひとりずつ迎えるようにしているので」

 

それから

客の男の髪を整えながら・・・・・店主が話し始めるのは己の来し方

三代続いた床屋

祖父の代から

厳しかった修業

自分は違う仕事をしたかったこと

一度目の結婚

仕事の成功

酒に弱く 妻に手をあげるようになり 遂には離婚

考えを変えて店も作り替え

腕の立つ職人も雇った

思いがけず有名俳優も客となり

そして思い上がり 自分を見失う

二度目の妻も得て息子も産まれたのにー

公園のブランコで遊んでいて怪我をした息子

だから息子の頭には傷がある・・・・・

腕の立つ職人は 理髪師としての仕事に誇りを持ててない

他のモノであろうとする店主と これ以上一緒にやってはいけないーと思うようになっていた

独立するという職人の言葉 思いがけず自分のことを言い当てられて逆上した店主は 職人に手を上げ・・・・・

それで職人は死んだ

服役

殺人犯の妻 息子にはできないと離婚

理髪師を続けるつもりもなかったが

出所後 施設へボランティアの仕事で喜ばれ

 

店主は 幼い息子に泳ぎを教える約束をしていたが 実は泳げない

かなえることができないままの約束

庭のブランコ

海が見える場所に持った店

 

客の男は言う

自分の結婚式があるのだと その為の散髪だと

店主は尋ねる「お母様は元気ですか」

客は答える

自分の妻となる相手とも仲が良いのだと

 

いつしか日は傾き店に西日が射す

絵画のような黄金の海

客の頭には傷があった

客から予約が入り 名前を聞いた時点で店主にはわかっている

これから訪れる客は 自分の息子なのだと

妻の旧姓と 息子の名前

最初に確かめるように客の頭の 息子の傷があった場所に触れ

 

客はこの店のことが書かれた記事で 店の場所を知った

ーお父さんの店ー

 

生き別れの父の消息を知り・・・・・

会いに来て自分が家庭を持つことを会話の中で伝える

 

父も息子もどちらも「父よ」「息子よ」と名乗りはしない

呼びかけもしない

 

店主は客に支払いはいいーそう言うだけ

 

息子は客として店を出ていく

 

別れた妻が見事に育てあげた息子

店主は見送るばかり

 

どちらもその感情を吐露することはなく ドラマは終る

 

 

二度目の妻を演じたのは水野美紀さん

他のドラマ「探偵が早すぎる」の役柄とは全く違った顔を見せています

 

 

 

 


「リベンジ・マッチ」(2013年 アメリカ映画)

2022-04-30 19:39:54 | 映画

 

 

 

 

ピーター・シガール監督

原題Grudge Match

簡単に言えば 「レイジング・ブル」のロバート・デ・ニーロ

「ロッキー」のシルベスター・スタローン

若い頃 それぞれボクサー役を演じた俳優が いまや老境に入り かつてと比べれば筋肉も落ち体形も変わった

それが今や大物となった二人がリンクで相まみえるという

そこに一番の集客力があったような

下ネタも下品言葉もばんばんあるので そういうのが苦手な方には向きません

もうしゃあないなーと笑い飛ばせる広い心がなければ

 

互いに無敗だったチャンピオンボクサー二人の対戦は

一度目はビリー・ザ・キッド・マクドネン(ロバート・デ・ニーロ) 通称キッドの勝ち

二度目はヘンリー・レーザー・シャープ(シルベスター・スタローン)の勝ち

三度目の試合が行われる前にレーザーはボクサーを引退する

引退したレーザーは元の造船所工員に戻り・・・・・

30年ばかしの歳月が流れた

 

キッドはCMなどもこなし いまは店も経営 そこそこに金は持っているよう

工員の給料の中でかつて自分のトレーナーだった稲妻の入っている施設のお金も払っているレーザー

 

キッドは行われなかった3度目の対戦について レーザーのことを店でもネタにするほど 思うところが今もある

昔 キッドとレーザーの試合を取り持った人間は故人だが その息子ジュニアが3度目の対戦をーとレーザーの前に現れる

レーザーは良い返事を最初しない

しかし稲妻の施設費用の為に対戦をOK

だがー実はレーザーは右目を失明していた

レーザーには妻サリー・ローズ(キム・ベイシンガー)がいた

彼女はあまりにもボクシング一筋のレーザーへの面当てから あろうことかキッドと関係持ち

それで妊娠し息子を産んだ

その息子BJを育てたのは レーザーでもキッドでもない

今は死んでしまった男

キッドとの対戦を知り レーザーに会いにくるサリー

「試合なんてやめて 怪我させたくない」

彼女は心の底ではずっとレーザーを愛している

レーザーもまた

ただよりにもよってキッドと寝たことが許せなかった

手当たり次第 女なら誰でもいい男と

 

昔の対戦でキッドに負けたあと レーザーは人が変わった

今迄以上にボクシングに打ち込み 山ごもりしサリーとも会おうとしなかった

寂しいサリーが会いに行った時 レーザーは居なくて知らない女がいた

レーザーにとって知らない女

でもサリーは自分のことは寄せ付けず 他の女がいたことで傷ついた

だから仕返しに一番レーザーが傷つく相手と寝た

 

キッドには他の男が父親として育てた息子BJが会いにきた

彼はアメフト経験者で今は大学でコーチをしている

「俺はBJ あんたの息子だ」

キッド「コーヒーでも飲もう」

BJはキッドの不健康な食事の仕方を注意

世間は老人同士の対戦をお笑いのようにとらえていて キッドにもまともなトレーナーはつかない

「頼むよ 助けてくれ」

キッドはBJにトレーナーをしてくれるように頼み

BJは練習にも息子(キッドにとっては孫)を連れてきたり

いい関係が続いていたが チケットがよく売れたことで舞い上がったキッドは 孫息子トレイを連れていった店でハイになりすぎて女性と姿を消し 

その行状でBJを怒らせてしまう

 

いっぽう再びトレーナーとしてレーザーをコーチする稲妻ルイス(アラン・アーキン)から助言される

サリーと話せと

「これを言うのに30年かかったけど 私が悪かったわ 許して」

レーザーはサリーの息子について尋ねる「いい息子かい」

サリー「最高よ 気が合うわ」

運転中交通事故を起こしたことで ルイスはレーザーの右目が見えないことに気付く

サリーも試合は止めるように

 

レーザーは出場しないことを決意

怒ったキッドはレーザーの家の窓を割る

 

罵倒されてもキッドの心は変わらない

取り戻した妻の愛

これからの人生 それこそが大事だ

ーサリー 彼女は俺の命 

彼女をキッドに奪われたから 俺はボクサーを引退することで奴の命のボクシングを奪った

俺は多くの間違いを犯した 君を許そうとしなかった

間違いはもうたくさんだ

テレビを家に置いていないのも ボクシング中継が目に入るのがこわかった

俺は君から離れられない

愛しているー

 

一度は出場しないと決めたレーザーだが 胸にもやもやしたものを抱えている

偶然入った店には かつての工員仲間でクビにされた男がいた

彼は明るい笑顔でレーザーに言う

バーガーはおごりだ 試合を楽しみにしているよ

造船所の仲間と応援に行くよ

人生 一度は勝たなきゃ

 

長年勤めた会社をクビになった男

彼はレーザーの勝利に夢をかけている

人生勝つことがなければ

彼の人生はクビにもなり 負け続けだったのかもしれない

そんな彼らの希望が夢が 自分の試合にかかっている

 

レーザーは試合に出ることをサリーに告げる

自分は今迄 ボクシングからもサリーへの愛からも逃げていたのだと

最初は止めたサリーだが

「じゃ彼(キッド)をコテンパンにして」

 

 

一方 キッドはある品を持って BJに会いに行く

孫息子が食べたいと言ったお菓子に

それと実はキッドがずっと息子のことを気にかけていた証拠の

BJに関する記事の切り抜きを集めた・・・・・・

 

ずうっとサリーは「最低の男よ」とキッドがBJに近づくことを許さなかった

サリーの妹とも友人とも関係を持とうとした

女なら見境なしのろくでなし

 

そんな男に抱かれた自分が一番許せなかったのかもしれない

 

一度はレーザーがダウン

その時にキッドは レーザーの右目が見えていないことを知らされる

レーザーを助け起こすキッド

そしてレーザーの左目から消えない正面から打ちあうことに

正々堂々の戦いぶりにトレーナーに戻ったBJも笑顔

 

今度はキッドがダウン

なかなか起き上がれない

今度はレーザーがキッドを助け起こす

 

やがて試合は判定に

結果2-1でレーザーの勝利

 

レーザーは愛を取り戻し

キッドは息子と孫息子を取り戻した

 

孫息子のトレイ君が可愛くてね

笑いも誘いますし

 

犬猿の仲ながら試合の観客集めの為に あちこちのイベントに姿を見せるレーザーとキッドのやりとりも笑いを誘います

 

それから

レーザーはテレビを買って ルイスが好きだという「スターとダンス」という番組を観ています

その番組ではキッドが女性と踊っています

老いてますますおさかんなキッド

 

ジュニアは今度は いわくつきの試合をした二人ータイソンとホリーフィールドの対戦を実現させようとしているのでした

 

 

 

 

 

 

 

 

 


とても大雑把に

2022-04-14 16:15:14 | 映画

久々に外出しなくていい日で 撮りためた録画など消費

 

「オリエント急行殺人事件」もしくは オリエント急行の殺人(1974年作品)

 

 

久しぶりに観て

うん こんなにエルキュール・ポワロさん 攻撃的な言動だったっけ

セリフ回しとか演技ー

忘れていることも多くて

アガサ・クリスティーの原作を読破中の年頃に観た映画

リチャード・ウィドマーク氏の「嫌な人物役演技」(主役をはることも多い俳優さんでしたので)もね

眼に迫力ある演技巧者な方なので

 

この時代のジャクリーン・ビセットさんお美しい

ローレン・バコールさんと母娘設定もいいな

 

さすがはショーン・コネリー氏 この迫力と存在感よ

美貌の気配を消し去ったイングリッド・バーグマンさん

 

おお「サイコ」のお兄さん(笑)アンソニー・クィン氏

 

結末のポワロ探偵の「粋な裁き」

こうよ ポワロさんは こうでなくてはーと

頭脳明晰 小柄で卵を思わせるけれど 真実を追及しつつも 「情」も見せて

 

 

1957年「南部の反逆者」

 

 

 

「風と共に去りぬ」と南北戦争の時代で同じ

主演クラーク・ゲーブル

若い頃は無茶もやり奴隷売買の仕事も

現在は奴隷に理解示す大物

彼は奴隷売買の場で 商品価値を示す為に衣服も脱がされそうになっているヒロイン(イボンヌ・デ・カーロ)に高値をつけて競り落とす

ヒロインは富裕な父親の娘であったが 本人は知らず母親が奴隷であった為に 父の死後 奴隷として売られてしまったのだ

ヒロインを買った男は 彼女に手をつけようとせず その館の奴隷たちは自由にしている

男は己の過去を謝罪する気持ちで奴隷たちに接していた

男は黒人の一人に自分の農園を譲渡もしている

ヒロインは男の過去を知りショックを受けるが 自由な考えを持つはずのかつての恋人の心の狭さを知る

あれこれあってのハッピーエンドは 濡れ場の少ないハーレクイン小説のような展開でもありますが

後味良い終わり方でもあります

 


観たものから

2022-02-14 15:29:27 | 映画

午前中 雑用で外出 帰宅して昼食とりながらつけたテレビ BSプレミアムで放送がありました

 

 

 

 

「マイ・インターン」(2015年アメリカ映画)

ナンシー・マイヤーズ監督

若くして起業し成功した女社長の妻ジュールズ(アン・ハサウェイ)

妻を支える為に専業主夫となった夫

 

だがー夫は浮気していてジュールズは気付いてしまい秘かに悩んでいる

社長業で多忙なのがいけないのか

 

ジュールズの会社にシニア・インターン制度で採用された70歳のベン・ウィテカー(ロバート・デ・ニーロ)

最初は使えないと思えたベンだがー

ベンは42年連れ添った妻が亡くなっている

人生経験と人間としての器

かといってでしゃばらず 相手が必要としている助言ができる

たぶん一緒には暮らせないけれど 近くには居てほしい存在

 

若者たちとも打ち解け

ジュールズが出しちゃいけないメールをママに送ってしまった時に 若者達と一緒に対処してくれる

この時のわちゃわちゃしたやりとりが楽しい

「警報ベルがなっている」

ベンからの電話を受けジュールズの会社からの返事

「ママはケチなの 鳴っているだけのニセモノよ」

だけど警報機は本物 パトカーのサイレン音が近付いてくる

 

なんとか処置を終えて逃げてくベンと若者たち

ジュールズの夫の浮気現場をジュールズの娘の送迎をしていたベンも見ていて

 

ひとりぼっちでお墓に入りたくないとか あれこれ言って離婚は避けたいジュールズ

ー夫のことを愛しているから離婚したくないーってことだと思うけれどー

悩みのあれこれをベンに話すジュールズ

 

ジュールズの夫は不倫していたことをジュールズに告白 「終わった」と話し

「愛している」とジュールズに告げる

 

他の問題も解決

 

ベンも気になっていた女性とうまくいっている

 

 

ジュールズの娘役の子役さんがかわいい

ベン役のロバートさんが どの場面もとても良い表情で

お若い頃 中々こわい役もなさったロバートさん こんな素敵なおじいちゃまになられているのねと

 

 

「クワイェット・プレイス」(2018年 アメリカ映画)

 

 

 

 

解説は米田匡男さん(シネマ・ナビゲーター)の言葉から

ーホラー映画は設定やアイデアが勝負とよく言われます

この映画はまだこの手があったかと 感心させられた映画ですー

ー音のみに反応する怪物によって人類は危機に!

生き残る為には決して音を立ててはいけない

一組のカップルが迫りくる恐怖に立ち向かう物語ー

ーヒロインの妻はエミリー・プラント

映画の監督でもあり夫役のジョン・クラシンスキーとは本当の夫婦であるとの紹介もあります

ーこの夫婦ならではの息の合った演技もご堪能下さいー

 

そして米田氏の映画が始まる前のお言葉

「映画は記憶の中に 記憶は映画と共に」

続編も公開され シリーズ第3作も制作されるようです

i

宇宙から地球へやってきて人間の立てる音に反応し 人間を殺し餌とする怪物

その為に多くの人間が犠牲になりました

 

89日目

町にも雑貨店にも人の姿はありません

現れたアボット一家は必要なものを棚から取っていきます

ところが末の男の子がおもちゃを見つけて

電池を抜き取り上げられますが

姉のリーガンは弟におもちゃだけは手渡してやります

リーガンは耳が聞こえにくく 一家は手話を使います

音声を怪物に聞かれると襲われるので その為にも手話がいいのですね

 

徒歩で家に向かう帰り道

まだ小さい末の男の子は怪物の脅威が理解できていなかったのか

ちゃっかり持ってきた電池をおもちゃに入れて おもちゃが音を立てました

一瞬 男の子は怪物に殺されます

助ける時間すらありませんでした

 

 

472日目

母親のイブリンのお腹は大きいです 妊娠しているのですね

声を立ててはいけない世界のようですが それで出産は大変に困難なことでしょうに

 

NY市封鎖 奴等は音に反応する

地下に潜れーなど どこか絶望的な言葉が見受けられます

父親のリーが出す短波のSOSへの反応もありません

 

自分が渡したおもちゃが原因で末の弟が死んだ事で 父親は自分を嫌っていると思っている娘のリーガン

父親の言葉を素直に受け取れません

 

釣りに父親が弟だけを連れていったことにも納得できず 臨月近い母親を一人にしてしまうリーガン

産気づいた母親は 一人どうにかすべく動くうち 階段の釘を裸足で踏み抜いてしまいます

家の中を歩く時 足音がしないように素足で暮らしているのです

あげてしまった叫び声で怪物が家の中へ

 

滝音があれば紛れて声をあげても平気だと 叫んでみせる父親

 

この後 異状に気付いた父親のリーは 妻を救うべく動いたり

屋外で怪物に狙われている子供達を救いにいき

自ら囮となり怪物に殺されるのですが

 

父親の愛を疑っていた娘に「お前を愛している ずっと変わらずに愛している」

最期の言葉を遺すのです

 

 

そして娘は知ります

父親が生き延びる為にしていた努力

娘の為に作っていた補聴器

より良いものを 不具合のないものをと

 

赤ちゃんと子供達と母親とで怪物に対しなければいけません

守ってくれる夫はー子供たちにとっては父親は もう 居ないのです

妻の決意

子供達を守る為に 自分が奴等と戦わねば

 

イブリンは武器を取り構えます

リーガンは怪物たちの弱点に気付き 利用

父親が作ってくれていた補聴器

器用な父親が持っていた機器あればこそ

 

母と娘は 家に入ってきていた怪物を撃退

 

ここで映画は終わりますが

声を立てると怪物が殺しに現れる世界

赤ん坊には「泣くな」といっても駄目です 赤ん坊は泣くことも仕事なのですから

今後 彼らはどうやって生き延びていくのでしょうか

それは シリーズ2作目で描かれているそうです

今度活躍するのは子供達と新たな登場人物

 

 

 

 

 


「斬る」 (昭和37年 大映 日本映画)

2021-11-18 15:54:48 | 映画

 

 

 

緊張した面持ちで それでも毅然と そして決然としつつ静々と歩いていき 彼女(藤村志保)

は人を殺すのだ

藩を救うためと命じられ

 

「国の為 お部屋様の お命 申し受けまする」

眠っていたお部屋様は逃げる

それを庭まで追ってとどめをさす

どういう理由か 殺した女も殺された女もどういう素性であるのかも説明はない

場面変われば 殺した女が処刑される場面

処刑の為に刀を構える男(天地茂)

これから自分を斬る男をふり仰ぎ見て うっすら明るく微笑む女

 

そこから夜 急ぐ駕籠があり 赤ん坊の泣く声が聞こえる

 

主君に預かった赤ん坊を自分の息子として育てます

そう報告する高倉信右衛門

 

それから早くも月日は流れ信吾と名付けられた赤ん坊は凛々しい若侍(市川雷蔵)に育っている

信吾は旅に出て世間を見てみたいと願い 主君により許される

少々はねっ返りな妹の芳尾(渚まゆみ)は3年過ぎての兄の帰宅を喜ぶ

父の信右衛門 妹の芳尾 そして信吾 三人の穏やかで平和な時間が流れる

隣家では池辺父子が 水戸からの武士・庄司との試合に勝てばー

息子は隣家の芳尾に惚れており嫁に欲しいと言うも 父は同じ貧乏な家の娘などと 良い顔はしていない

 

御前試合で誰も庄司に勝てない

池辺の息子も負ける 簡単に

 

殿が信吾を出してみよと声をかける

呼ばれて裃を外し庄司と立ち会う信吾

彼は不思議な構えを見せた

庄司は自分の喉元狙う信吾の切っ先に動けない

「そこまで」と止める声がかかり 庄司はその場に崩れ落ちた

 

殿は信吾に「三味線を持つようなー三弦の構えというか」と名付ける

三年の旅の間に思い付き工夫したものなれど「邪剣です」という信吾

 

信吾の数奇な生い立ちゆえに託されて 殿もその成長を気にかけている

よい殿様なのだ

まだ信吾は自分の出生の秘密を知らずして

 

ところが試合に負けて出世の目もなく隣家の芳尾を息子の嫁にと持ち掛け 断られた池辺・父は殿の覚えもめでたい信吾が妬ましく

あれは捨て子だー隣家の妻女の腹は大きくなっていなかったのに ある日突然赤子の泣き声がした

そして息子の信吾だと

不義密通の子ではないかーと多く武士の居る場所でこと面白げに話す

 

そのことを殿に咎められ またもや隣家への逆恨み

このままでは武士の面目が立たんーなどと勝手な理屈で もうこんな藩出ていってやる

その行き掛けの駄賃にと 信吾の留守に父と娘を殺した

 

知らせに駆けて戻る信吾

妹は死んでいた

父は苦しい息の下から 初めて信吾の出生 実の両親について話す

 

愛妾わかやまに溺れる主君

このままでは藩の行く末がーと案じた者から命じられ 藤子は愛妾を討った

「皆様 決して乱心ではございませぬぞ」

言い放った藤子

愛する女を殺され激怒の主君は処刑を命じる

殿の奥方は藤子の忠義を哀れにも思い どうにか救ってやりたいと

たまたま訪れていた他藩ー長岡藩の多田草司に処刑の為に運ばれる藤子をさらい 

はらませよーと

その頼みを受けて必死の面もちで馬を走らせ 藤子を連れて逃げ共に隠れ暮らす

 

殿の奥方は一年の後には殿の怒りも解けようと思ったのだ

だが一年後 殿はまだしつこく怒り続けていた

見つけられた藤子を斬ることを 他の武士は命にかえてもーと辞退

処刑人は見つからない

とうとう藤子の夫で赤子の父親がー処刑人に

 

これが映画の冒頭近い場面になる

夫と妻として暮らした幸せな時間

藤子は女としての一生 その幸せを一年で・・・・・

愛し愛された想い出

 

解けぬ殿の怒りを案じ 信吾は他藩へ預けられたのだ

赤子まで殺されてはと

信吾は実の父の多田が長岡藩にいることを知る

 

育ての父と妹の敵を討つために池辺父子を追いかけ 一瞬で斬り捨てる信吾

彼は実の父に会う為に藩を出る

ここでも彼を哀れに思う主君は 信吾を追うなと命じる

 

信吾の父は僧侶になっていた

「わしはもう世を捨てている」

寂しくはないのかと問う信吾に

「わしは二人だ お前のお母さんと二人で暮らしている

 

わしはお前のお母さんを斬った

その場からお前のお母さん(遺骸)を抱いて去った

 

だが わしは寂しくはない

目を閉じれば藤子の温かい体温が伝わってくる

わしたちは生きている 二人で」

 

愛する女の遺骸を埋めた場所

そこを離れずに暮らしている

いつか自分が死ねば 二人はまた一緒になれる 

 

言葉もなく去るしかできない信吾

 

それから漂泊の日々

月代も伸びる

ある宿で夜 寝ている部屋に声をかけてきた若侍

傍らに姉を連れている

追手が迫ってきており姉をかくまってほしいと

自分が寝ている布団へとその姉をかくまう信吾だが

 

姉娘は弟の危機にたまらず 信吾の制止も振り切り出ていってしまう

弟に逃げよと言い 己は何を裸になり追手の前に立ちふさがり 両手を広げて「情けを知れ」と

が 彼女は無慚にも殺された

弟は必死で逃げていく

 

殺された女の躯を運び弔う信吾

 

しばらくして信吾は江戸へ

道場 玄武館で立ち会っている

「お手前の突きを躱す工夫はないと存ずる」

答えて信吾「世の中を捨てたのです 邪剣です」

剣と共に命も捨てようと思ったと

 

そんな信吾にその人柄と腕を見込んでの仕事が

幕府大目付松平大炊頭

不穏な世の中 その警護役をと

 

何処か亡き育ての父を思わせる穏やかな物腰 人柄の松平

いつしか3年の月日が流れた

 

風雲急を告げる時代

事を起こした水戸の処分で 水戸藩へと赴く松平

その道中にも水戸藩の刺客たちが大勢襲ってくる

全て斬り捨てる信吾

 

ようよう事が片付きそうになり 松平は妻帯せぬかと信吾に言った

自分の娘をと

 

これまでの信吾は自分の母親

殺された妹

かくまいながら死なせた女

 

この三人の女ゆえに 妻を持つ気は無いと話していた

己が昏い運命を感じてか

 

松平はかつて死んだ息子のように信吾のことを思い

信吾は殺された育ての父のように松平のことを感じていた

 

水戸藩 度重なる襲撃でも信吾の剣の為に 松平を討てなかった彼等ははかりごとを企てた

当家のならわしとしてご焼香をお願いします

これより仏間にございます

お腰のものをお預かりいたします

 

「しきたり」その言葉で居る場所すら引き離される松平と信吾

 

焼香する場所へ三人の武士

松平は殺された

 

信吾のところへも刺客が

その刺客の武士は かつて姉をかくまってほしいと頼んできた若侍

姉に庇われ逃げた弟

 

「頼み甲斐ないー」と武士は言う

「おぬし逃げたな」と答える信吾

 

剣は無く活けられた梅の枝で立ち向かう信吾だが 勝つ

そして松平の姿を求め走る

松平は事切れていた

 

「申し訳ございません」と躯に詫びて信吾

亡き主を追って切腹

 

そう死んで終わりです

原作 柴田錬三郎

監督 三隅研次

脚本 新藤兼人

 

品格ある映像美

清冽さの中にはっとさせられる

驚きと緊張の調和

 

柴田錬三郎氏の小説の主人公には孤独感漂わせる人物が多いです

安易な方楽な道へは生きられぬ

 

 

ウイキペディアさん↓

斬る - Wikipedia

 

映画の情報と感想あるサイトさん↓

映画『斬る』ネタバレあらすじ結末と感想|映画ウォッチ (eiga-watch.com)

 

斬る (raizofan.net)

↑ このサイトは とても読み応えがあります

 

 

 

 


「拳銃王」 (1950年 アメリカ映画)

2021-06-01 18:31:03 | 映画

ヘンリー・キング監督

音楽 アルフレッド・ニューマン

 

冒頭 馬に乗って旅する男

字幕はー1880年代の南西部 生死は一瞬で決まった

英雄ワイアット・アープすらも(ワイアット・アープは当時有名な保安官 実在の人物)

その一瞬で生まれた

 

だが 証言によれば 史上最高の早撃ちは

長身のテキサス人だ

名をリンゴと言ったー

 

 

馬に乗って旅してきた男は 酒場の前で馬からおりる

「ジミー」と声をかけられ挨拶を返す

彼こそ早撃ちで有名なジミー・リンゴ(グレゴリー・ペック)

彼が入ってきたことで酒場の男達はざわつきます

「ジミー・リンゴだ こいつはたまげたな」

 

見るからに生意気そうな男が 早撃ちで名前を売った男らしくないーと軽くみた発言を

「タフに見えねえ」

他の男は教えます「奴の通ったあとは死人だらけだ」

「早撃ちならアープ」という者も

他の男は止めます「バカな考えは起こすな やめておけ」

しかし このエディという若者は自分も早撃ちにそこそこ自信があるのでしょう

「おっさんに見えるぜ」などといきがっており

席を立ち ジミーに絡んでいきます

 

カウンターの中の男も「相手はジミー・リンゴ 礼儀を弁えろ」と注意するのですが

からみつづける駄々っ子のようなエディに ジミーが言います

「俺は一人静かに飲みに寄っただけだ 君はいっぱいおごってくれた

俺も一杯おごる それで終わりだ」

 

終わりにできないエディ銃に手をかけ

一瞬 倒れます

早撃ちではジミーの敵ではありませんでした

愚かなガキの末路です

他の男がジミーに忠告「俺があんたなら早く町を出る

エディには荒くれ者の兄貴が3人いる」

聞き届けて去って行くジミー・リンゴ

 

日が変わり エディの兄たち ジミーの後を追っています

既に待ち構えていたジミーに先手を打たれ 銃も馬も奪われます

 

ジミーとしたら 自分の後を追うことを諦めさせようとしたのでしょうか

 

エディの兄たち3人は 去っていくジミーの進む方向を見定め 「カイエンへ行くぞ」と

歩き始めるのでした

 

カイエンの町の保安官はマーク・ストレット(ミラード・ミッチェル)

かつてはジミーと一緒に無茶した仲間でした

現在は足を洗い頼れる保安官になっています

揉め事を嫌い ジミーに町を出ていくように言います

 

ジミーはこの町に戻ってきたのは 愛する女性ペギ―⦅ヘレン・ウェスコット)と二人の間の息子に会う為でした

ペギーは名前を変えて 学校の教師になっています

マークはペギーの気持ちを聞きにいきます

 

そして厄介を起こしそうな人物ハントを連れてくるように保安官助手のチャーリーに言いつけるのでした

 

男の子たちは 有名なジミー・リンゴが町にきたという噂に 学校を抜け出し酒場の外で見物に

授業にならず学校は休校に

 

またジミーを息子の敵と勝手に思い込んでいる男は酒場の向こう側の二階から ジミーが姿を現わしたら撃とうと銃をかまえています

(後で これはこの男の誤解であったとわかります)

妻は「馬鹿なことはやめて」と止めているのですが

 

今は堅実な暮らしをしているペギー

ジミーには会わないと言います

息子のことを考えるのです

「いえ 会わないわ 断っておいて」

「ごめんなさい」ただ それだけ伝えてほしいと

 

酒場でペギーを待つジミー

そこへ現れたのは昔の知り合いのモリー

彼女は 酒場で歌い男達に酒をねだる生活をしていると

ジミーの仲間でモリーの恋人だったバッキーは 夜 後頭部を撃たれて死んでしまったと

モリーにペギーの様子を尋ねるジミー

ハントって男が近付くけれど ペギーは迷惑している

 

そして必ずペギーを連れてくるからとジミーに約束し ペギーを迎えに行きます

 

その頃 噂のハントは床屋に入ってきて ジミー・リンゴが町の酒場にいることを知ります

ハントも半端な早撃ち自慢の若者だったのでした

「ただの人間だと 誰かが証明してやらないと」

他の男達が止めますが ハント酒場に入っていきます

 

そしていいようにジミーにあしらわれるのでした

踏んでいる場数が違います

 

厄介事が起きるのを案じて 保安官は留置場に入ってるか 町を離れるか選べーとハントに言います

 

ジミーを追うエディの兄たちは牧場で馬と銃を手に入れることに成功

馬ならあと1時間で辿り着く

 

モリーに連れられ やっとペギーが会いにきました

実はずうっとジミーを思い続けていたんです

 

その頃 やんちゃなペギーの息子は 閉じ込められた部屋の窓から抜け出し町へ

他の男の子たちと同じで撃ち合いが見たいのです

 

ジミー「君に会いたくてきたんだ」

 

こう言葉を続けます「南西部を出て 小さな牧場を買って一緒に暮らす

そうすれば過去は関係ない

今はこれが唯一の願いだ」

家族と一緒に平穏に暮らすこと

やっとやすらげる場所がほしいーそう願うようになっていたジミー

 

ペギー「素敵な計画 でも夢物語だわ

一生逃げ続ける人生 私だけなら一生無法者でもかまわない」

 

だけど彼女は母親 息子の将来を考えます

 

めげないジミー「いいか 俺が生きて戻ったら 1年あればいろんなことが起きる

いいねペギー」

牧場を手に入れて迎えにくるーそうジミーは言うのです「きっとうまくいく」ーとも

 

そして息子に会わせてくれ

会ったら出て行くからーと

 

息子には父親としてでなく風来坊として会い

強いのは保安官だと教えます

ワイアット・アープもたいしたことない

 

この頃 やっと町に着いたエディの兄たち3人

 

ジミーの馬を捜してて 保安官助手のチャーリーに見つかります

 

保安官のマークに挨拶し町を出て行くために馬に乗って 後ろ姿のジミー

そこに町を出ないで ずっと隠れていたハント

軽くあしらわれ恨みに思うハントは 卑怯にも そのジミーの背中に声をかけ撃つのです

ええ いわば騙し討ち

正面切っては勝てない弱い薄汚い卑怯者のすることです

実力も根性も無いのにいきがるだけの愚か者

 

ジミーは苦しい息の下から こう言いました

「先に銃を抜いたのは自分だ」

 

そう言えばハントは人殺しとして処刑されない

庇ったのでしょうか

いいえ 実はもっと残酷な やり返しです

ジミー「その男 ハントだな

俺が先に銃を抜いた そういうことにしてくれ

 

そして

思い知れ

タフなガンマンの生きざまをな

だから感謝は無用だ

いつか 分かる

苦しみに

待ってろ」

 

早撃ち王と怖れられ 早撃ち自慢の人間達に命を狙われ続けた日々

本人が望まずとも 争いごとがやってくる

そっとしておいてはくれない もらえない

安住の地はない

 

ジミー・リンゴは死にました

保安官はハントに町を出ていくように言います

逆らおうとするハントを叩きのめして

ジミーと同じにかつては無法者の世界にいた人間

保安官も強いのです

なんだかんだ言ってもジミーは旧友

背中を預けられる相手

 

殺されて 保安官は怒っています

「よく聞け 臆病者

貴様はリンゴと同じようにくたばる運命だ

今後は薄汚い同類どもが こぞって彼を撃った男を殺しにくる

だが 私の管轄でやられるのはごめんだ

 

さっさと行け!

よそで殺されろ」

 

 

それからジミー・リンゴの葬式が教会で行われ

集まった人々でいっぱい

保安官助手のチャーリー

やってきたペギーと息子に「ウォルシュさん あいにく席がいっぱいで」

教会には入れないーと教えます

 

するとペギーは中にいるという保安官に「リンゴ夫人だと伝えて」と自分の本名を明かします

チャーリー確認します「ジミー・リンゴの?」

リンゴの「妻です」「息子だ」と それぞれ誇らしげに口にするのです

 

チャーリー「承知しました」

ペギーと息子は保安官の隣の席に案内されました

 

映画の中でジミーのセリフ「35歳にもなって時計も買えない」

グレゴリー・ペックは1916年生まれ 映画公開の1950年にはほぼ同年齢でしょうか

身長190cm

役柄の長身ーという言葉に説得力があります

 

 

 

 

 


「血と怒りの河」 (1968年 アメリカ映画)

2021-05-22 10:56:59 | 映画

原題「BLUE」

 

ならず者集団が店を襲い警官は役に立たず 遊ばれている

店の女将が怒っている

「店で一番の売れっ妓(こ」を」

女を馬に乗せ去ろうとするならず者達

コケにされた警察署長が叫ぶ「必ず処刑する」

 

だがー撃たれて殺された

情け容赦なく撃ち殺したのは青い瞳の若者アズール(テレンス・スタンプ)

 

アジトに戻ったならず者達はどんちゃん騒ぎをしている

粗野な男達

頭目のオルテガ(リカルド・モンテルバン)には母親が違う4人の息子がいる

 

カルロス(ジョー・デ・サンチェス)

ハビエル(カルロス・イースト)

アントニオ(ロバート・リプトン)

マニュエル(スタチス・ヒアレリス)

 

そして拾って我が子同然に育てたアズール

オルテガはアズールの資質に自分と似たものを感じていたが 副官はそれを案じる

血のつながった息子と同じに扱うことへの危ぶみ

 

そして野盗でしかない彼らなのに革命家気取りであること

フランスやスペインと戦ってはいない

アメリカが怖いなら手を出すなーと

このあたり副官はよく見ている

 

だがオルテガは違うことを考えていた

 

国境の川の向こう

テキサス開拓者達を襲うのだ

アメリカの独立記念日に

 

襲撃

マニュエルは金髪のジョアンを執拗に追いかけていた

女 女 襲う 抱いて(乱暴して)たのしむ!それしか頭にない

抵抗し逃げるジョアン

 

危ないという時に家の扉が開き 現れた男はマニュエルを射殺

それはアズール 何故?

家の外に立ち尽くすアズール

彼はどういうつもりだったのか

逃げ遅れたアズールを捜してアントニオ 一緒に来るように言い 自分と同じ馬にアズールを乗せる

 

 

 

襲われた開拓民達も黙ってない

追撃をかけようとしていた

アズールとアントニオも撃たれる

逃げるがアントニオは囲まれ殺された

 

アズールが逃げこんだ先は偶然にも先程助けたジョアンの家

ジョアンの父親は医師のモートン(カール・マルデン)

モートンは合図を撃ち他の開拓民に知らせようとするが ジョアンが止める

自分を乱暴しようとした男から救ってくれたのだ

根っからの悪人とは思えない

 

手当介抱してくれたモートン医師を信じず最初は心を開かないアズールだが

 

食器を使わずに食事する そんなアズールにマナーを教え

アズール 青のことねーとブルーと呼ぶようになるジョアン

 

少しずつ 少しずつブルーも心を開く

傷が治り

出ていく日が近付いた

 

ジョアンは彼がこのまま残ってくれることを願っている

 

ならず者達の中には 頭目の息子を殺したのだ 戻れない

彼には行くところなどないのだ

 

幼い日の彼の記憶

国境が定まるまではメキシコ人もブルーの両親も仲の良い隣人として暮らしていた

メキシコ国境の中に住んでいるとなったブルーの父親は隣人たちから出ていくように言われた

自分が開拓した土地 ブルーの父親は出ていかない

まずは家を焼くことだ 自分達を出ていかせたいならー

そう言ってしまった

寝ている間にブルーの両親は家ごと焼かれた

昨日まで仲の良かった隣人たちが そうしたのだ

 

ブルーはその地を離れ歩き続け 

オルテガに出遭った

彼は大切に自分の息子と同じようにブルーを育ててくれた

アズール(靑)と呼んだのは ブルーの目が青かったからだろうか

ブルーは言う これは愛称なんだと ニックネーム

では彼の本名はー

 

ブルーはモートン医師の家にとどまり開拓を手伝う

とうもろこしも大きく育つ

 

モートン医師はこのままブルーがここで暮らすなら他の開拓民にもお披露目すべきだと考えて呼ぶ

 

ジョアンを好きなジェス・パーカー(アンソニー・コステロ)は ブルーを不審に思い 持っている銃などからも彼が以前襲撃してきたならず者達の一味ではと考える

 

息子達を殺されたオルテガも復讐を考えていた

 

アズール(ブルー)は愛情と期待をかけた息子だったのに・・・・・

 

開拓民たちをも殺すというオルテガ

 

オルテガ一味と戦うことに決めた開拓民たち

開拓民たちを護る為にブルーは作戦を立てる

それは自分を育ててくれたオルテガと殺し合うこと

たたかうこと

 

青い目と白い肌ゆえにならず者達には心から受け入れられず その前身(ならず者一味であったこと)ゆえに

開拓民たちにもおそらくは心からはうけいれてもらえない

 

自分はどっち側の人間であればいいのか

自分の居場所などあるのか

いずれでも異端・・・・・

 

恋人となったジョアン

彼女の目に自分はどう映っているのか

 

 

ブルーの作戦はあたり オルテガ一味は壊滅状態に

 

国境の川の中 オルテガと向き合うブルー

愛を注いでくれたオルテガに・・・・

ブルーの指導力と作戦をほめて「自慢の息子」と言ってくれたオルテガ

彼を撃たねばならない

オルテガはブルーを撃たなかった

ブルーに撃たれてオルテガは言う「メキシコの地で死なせてくれ」と

 

川の中 オルテガの体を抱きかかえ運ぶブルー

 

そのブルーを オルテガの副官が撃った

川に沈むブルー

 

悲痛な叫びをあげ川に飛び込むジョアン

続いてジェス 開拓民たちも

殺されてブルーは 彼らに仲間としてうけいれられたのだろうか

 

ブルーの青い瞳は閉ざされた もう開かない

何を見ることもできない

 

 

ならず者時代の 

それまでに犯した無法が彼を裁いたのかもしれない

 

かつて殺された両親のように開拓民として生き直そうとはしたけれど