夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「雲に問ふ」

2018-10-30 09:39:17 | 自作の詩
秋の日暮れの哀しみを 謳うか 浮かぶ雲一つ

その白い色は黄昏に染まり昏(くら)さを増していく

おや 独りきりではないのか
それは子供達か


見上げる雲はじわじわ形を変えていく

眺めるうちに夜が来る

あの雲は消えてしまった
黄昏と共に


短き秋の日暮れは闇に沈み 夜へと変わる

白い月が浮かび 星が輝く


夜空を見上げた少女は「星がいっぱい出てる きれい」と言う


夜もまた愉しか

けれど消えてしまった あの雲はもう観られない

此の秋の日の黄昏時の哀しみよ
この手に掴み とどめておけぬ その美しさよ

「花の嘆き」

2017-06-08 19:25:03 | 自作の詩
誰がわたくしの事を移り気などと言うのでしょう
そのようなモノになぞらえてしまうのでしょう

わたくしは ただ恋をしただけ

あの方の気を惹けるような色をまといたかった ただそれだけですのに


緑を帯びた白

少し縁をごくごく淡い水色にして
少しずつ少しずつ 水色を多く濃くしていって
次に藤色 それからそれから濃い紫色へ

深まっていったのは わたくしの恋心
あの方の心を求めて

無垢な乙女の白から艶やかに色づく・・・・・
わたくしを変えたのは あの方ですのに

それが罪だと移り気 浮気と責められますか

わたくしは あの方ゆえにー染まり染められ
装いを変え続けるしかありませんでした

求められれば大胆にも慎ましやかにも
一重に咲こうとも 八重九重に咲こうともー
想いはただ一途 ひたむきに ひたすらに

愛して愛して 愛し続けて


この緑の葉が濡れているのは雨のせいではありません
わたくしが密かに流した涙です
堪えきれず隠しきれず こぼしてしまった涙のしずくです


得る事無き報われる事無き恋心
かように染められ 色日々変えようとも
ああ!
時が来れば わたくしは わたくしと言う花は ただ枯れて死んでいくしかないのです

「空が泣く日に・・・」

2017-06-08 11:14:18 | 自作の詩
誰かの夢を追うように 先程まで明るかった空が色を変えていた

あの青空は何処に消えたのだろう
今にも降ってやるぞと言いたげな重たい色 
青空は眠ってしまったのだろうか

空も夢を見るのだろうか
哀しい夢を見て泣くのか

間もなく降り出す雨
空に向かい言ってみる

「そんなに泣くなよ
泣くなよ」


烈しく空は泣きだし 土砂降りに変わる

空よ 何がそんなに悲しいのか
何を嘆く


お前はどんな景色を見ている
何を見ている


ところで そろそろ止まないか
傘の無い身のこちらは すっかりずぶ濡れになってしまった

ねえ 空よ
泣きたいのは こっちだ
まだ風邪も治ってないというのに

濡れるのは嫌いじゃないが
雨の匂いだって嫌じゃない

でも雨上がりの景色はもっと好きだ
いきいきした緑 輝く緑
まるで人生を取り戻したような美しさ

虹を出せとまで注文はつけないから
ねえ 空よ
ちょっとだけ泣き止んでみないか


仕方ない
雨が止んだ青空の夢を見ることにする

でも できればあんまり暑くしないでくれ
暑いのは苦手なんだ

「娘に・・・」

2016-09-29 16:22:19 | 自作の詩
いつかあなたは気付くだろうか

あなたが産まれる前から 私がどれだけあなたを愛していたか

産まれてきてくれることを楽しみに待っていたか

3004g 夜泣きもあんまりしなくて 


早くから立って・・・  そして歩き出すのも早かった


歩き出すようになる前 ずっと歩行器に乗っていたお兄ちゃんとは逆に

歩行器に乗せたら 顔を真っ赤にして怒って泣いた



いま思えば あんなにちっちゃな時から 自立心 独立心の強い人間だったのか

私が女の子にと願った習い事は悉く嫌がった娘


子供は思うようにはならないもの


全然 私と違うようで 似ているところもある娘

親だからあなたの全てが理解できるなんて言わない


ただ・・・

まっすぐで 不器用で損をする
貧乏クジを引かないか気にかかる


あなたのそのまっすぐさが 時に間違った相手を傷つけないか

恨みをかわないか 気にかかる


何故なら正論は案外人を傷つけるから


どんな時も何があっても
どうかあなたが元気に生きていけますように

傷つくことなく苦しむことなく


あきれるほど心優しいのに
その自分の優しさに気付かない


好きなこと やりたいこと 興味を持ったことには一直線
何もかも忘れて夢中になる・・・・・


その純粋さが何処か危なっかしく見えて

心配です



あなたの夢がかなうといい


本当にやりたいことが見つかればいい



そうは思いながら


あなたが自分の家族を持つことを願っています

一緒に生きていける人が見つかりますように


いつか「自分は いい母親になる自信がない」
そう言ったあなた


あなたは私などより よほどいいお母さんになれます

どうか自分を信じて

あなたは 大切な大切な わたしの愛する娘なのだから

「不滅の街よ」

2016-08-10 09:54:05 | 自作の詩
光は闇を消す

だが・・・その強烈な光は多くの苦しみと闇を生んだ
はるか彼方からも見えたという その光

それは実は 闇そのものであったから

焼き尽くす ただ焼き尽くす 建物すら一瞬で廃墟にする
人も魚も 鳥も牛も馬も 虫すらもー

この世は地獄に変わる


命は浸食される


それでも・・・・・人は挫けはしなかった
諦めはしなかった  命を街を捨てはしない

焼け野原となってしまった街
罪なく奪われた数え切れぬ命

わけも分からず苦しみ抜いて死んでいった人々
その いわれなき地獄


人々は立ち上がる 自分にできることを

生きること 生き抜くこと  それだけに精一杯
そうでなくては生きていけない 生きていられない

だから 生きる 生きていく



あの光は二度と人間が見てはいけない
人間に見させてはいけない

その事をこそ 叫び続ける為に
伝え続ける為に

その光
それは・・・・・臆病者の実験
卑怯者が弄ぼうとする存在(もの)

死しかもたらさないモノ


いわれなく奪われた命が魂が
やすらかでありますように

屈せず さながら不死鳥の如き再生遂げた長崎
この美しい街の抱く記憶の哀しみと苦しみの前には
どんな言葉も意味を成さない

そんな思いもあるけれど

よくぞ甦ったと ただ感嘆ー




(昨日 進行を受け持った女学生の声の響きによせてー)
乙女らの 声ぞ揃ひて 過去悼み 希望溢るる 未来示さん

「名残りの罪の赫き花よ」

2015-09-30 21:59:08 | 自作の詩
死の向こう岸に在(あ)りても 割れるよに開くか曼珠沙華   夜の闇の彼方 ただ赫く群れて咲く

魂伴う明かりの行列



ー赤い花なら曼珠沙華ー 古い歌が口をつき   それと共に想い出す

「曼珠沙華には近づいては だめ    あれは 毒があるのですよ」

細い項(うなじ)も淋し気な人の言葉




毒など恐れる理由にはならぬ    近付いて摘んではならぬ理由にはならぬ

毒ならば 何故 共に飲み干せなかったのか

たとえ滅ぼうと 何ら悔いはなかったはずを



かの人は 独りで死んだ



曼珠沙華は わたしの罪を思い出させる



「あなたは いいのです  生きて・・・下さいな」



愛しい愛しい曼珠沙華  秋訪れるごとに かの人の化身の如き花も咲く

かの人の流した血の紅(くれない)と同じ色



どこへ移り住んでも庭に一輪 緋の色の花が咲き

もう朧(おぼろ)な面影のかの人と わたしは夢の中で逢う



ああ いっそ わたしを許せ 連れて行け

その魂の在(あ)ると同じ処へと

「誰かの眠りの為に・・・」

2015-08-17 21:16:02 | 自作の詩
ひとりの娘は夜の闇を織り上げ いまひとりの娘は夜の闇をほどいた糸に金色の陽(ひ)の光を合わせて編み込んでいく


ふたりの娘の手仕事は永遠に終わらない


織り上げる端から解かれていく夜の闇


編んでも編んでも 追い付いてくる夜


裂いた端から 夜の帳(とばり)は降りてくる


それでも季節は巡る



与えられた罰を受け続けているのか 罪を贖い続けているのか ふたりの娘はー




まるで徒労とも思えるその作業を 飽きることなく 倦むことなく ふたりの娘は続けていく

おのれの存在がある限り


夜はなくてはいけない 夜が続いてもいけない

だからー


娘達の仕事は終わらない


此の世のある限り



だから

ふたりの娘は背中合わせに 終わりの無い手仕事を続けている

パインジャムも無くなって・・・

2015-06-06 23:37:10 | 自作の詩
コンビニで買ってきたパンを軽くトーストし スーパーで見つけたパインジャムを塗る

苺ジャムには飽きたし マーマーレードの気分じゃなかったから

しばらくパインジャムサンドがお気に入り

ただ ぴったり合う飲み物を決めかねている

コーヒー 紅茶 玄米茶 牛乳

なんか どれも ぴったり来ない



決めきらないでいるうちにパインジャムが無くなった


気に入ったけど また買いに行くのも面倒


その時 好きなものは変わっていく


中華のお粥

幕の内弁当


オムライス

おにぎり


でもまた食べたくなって戻る

飽きる一歩手前で食べるのをやめる


やめる

思い切る



忘れる

忘れる


忘れる


食べ物ならね ことは簡単

そう他のモノを食べればいいから


忘れられないのは あなた
捨てられない想い


ずっと ずっと

でも 忘れてみせる


うん・・・

きっとね




山桜幻想

2015-05-07 20:04:32 | 自作の詩
自分を罪と呼び呪った乙女は死んだ
「愛」を覚えたゆえに・・・・・

どう生きようと周囲を傷つけ 悲劇へと追いやる運命の娘

自分が左を想う気持ちより 右が自分を恋する想いを選び 
それでも右は幸せにはなれず 死に


それからは 次から次へとー不幸の連鎖


娘は その己という存在を面白がれはしなかった
むしろ「罪」であることを苦しんだ



だから喜んで 左へ命を差出した

愛する人の手にかかるこそ幸せ

不幸の極みは幸せだと




その後 左は放浪の果てに ある樹を見つけた

偶然 近くに人の住まなくなった家があり
畑を耕し田に少しの稲を播き 以外の空いた時間は一心不乱に樹を彫り始めた
自分が殺した光の姿を


やがて左は 小さな男の子を拾い育て

その子の幼い頃は坊と呼び 少し大きくなると太郎丸と呼び

長じたその子には自分のもとの名前を与えた

左の名を貰った男は 左の死後 別の樹を選び 左の姿を彫る




やがて その男も死に

二本の樹は生き続け その枝同士が手を重ねるようになり やがて一つの樹のように繋がる

春が来るたび光と左の姿を映した樹は花を咲かせ
その由来を知らぬ人々を楽しませている




我が名は罪ゆえに

2015-05-06 10:10:23 | 自作の詩
明け方 夢を見た 
夢だから名前までは覚えていない 
いつの時代かもはっきりしない 



幼い双子の男の子が赤ん坊を拾うのだ

兄と妹のように彼らは育ち やがて恋をする 

娘はたいそう美しく育ったのだ 

兄を左 弟を右  娘を光と仮に呼ぼうか
 
左も右も光を愛した 

少しはすに構えたところのある左は その思いを見せはしなかったが 

まっすぐな右は苦しいほどに光を愛し 


光は左に思いがあったのにー右を受け入れた 

左は土地を離れ 噂を聞く

右が死んで光も消えたと 

こうして左の放浪と追跡が始まる

いずこの場所でも光には常に死の陰 
不幸のばらまき

絶えない悲劇 


左は光に追いつけそうで追いつけぬ 

ようやっと向き合うことのできた左に光は告げた 

真の名前は 我が名は罪 それだけのこと 

左にできるのは その命を奪い眠らせることだけだった

三日月に甘えて

2015-04-09 22:22:00 | 自作の詩
三日月浮かぶ夜に 貴方を想っている 

空に浮かぶは三日月 明るい光 

想うは貴方のこと 

ただ想い続ける とりとめなく 

ー眠れないのは わたしばかりかしら 


ただ 好きなのだと 

貴方のことを考えている 

夜の下 


三日月よ 空に浮かぶ三日月よ 

ああ

君ありき ただ君ありき 


巡り来る三日月よ 


また寂しさは 

ー貴方が傍にいないから  貴方を前にしたら言えないけれど


ただ 三日月に呟いてみる

月の光に甘えるように

「さくら花に寄せてー」

2015-04-06 09:29:52 | 自作の詩
咲いた桜は散るもので それは寂しいけれど 花吹雪は美しい
桜は散る時も飛ぶ花びらが嬉しくしてくれる

もうすぐ咲くよ そろそろ咲くよ じきに咲くよ
色づく桜 薄紫に 


それからちらほら 桜の赤ちゃんのように花が開き始めて

ほら今年も忘れず咲きました

川沿いの並木
街のあちこちにある桜の樹
学校の塀沿いや校門近くにある桜達も
入学式へ華やぎ添えるように優しく咲きます

続く雨にも負けないで
咲き続けています

くじけてる人を励ますように
夢を忘れないで

春を彩る桜花

優しい花は凛として美しく枝を伸ばし

ーああ 今年もまた咲いている
枯れることなく

その広げた腕に希望の花を咲かせている
人の想いも受け止めるように


暗い夜でさえ花灯り

道標のようにそこだけ明るく輝いている


さくらよ桜 桜花


その桜のような優しさをいつも胸にたたえる人であろう
透き通った明るさを心に抱いていよう

桜 さくら 桜花

来年もまた 還ってきておくれ
優しく美しく明るくー希望の花を咲かせておくれ





(近くにある高校の校門の桜です 交差点手前の銀行の看板の方が目立ってしまっていますけれど・笑)

「やがては消えるものゆえに」

2014-08-03 01:44:25 | 自作の詩
其処に在る悲しみは君が求めていたものか  何ゆえ君は哀しむのか 

それが君が求めていたものならば

生きていくことが苦しいと 苦しく悲しくあるべきだと  何故決めつける 


無理矢理に悲しみ不幸を見つけて浸るのは こんなにも不幸なのだと  悲しいと苦しいと ただ浸るのは 


それは どうなのだろう 


苦しみも悲しみも君の心が作り出している



もっともっと辛いこと 悲しいことに出会った時に分かる 


そしてそんなにも辛く悲しい中にあっても笑えることにも


本当に辛い時には 逆にささやかな喜び 幸せを見つけようとする


でなければ辛さに負けてしまうから  挫けてしまうから



悲しい悲しい私はこんなに悲しい辛い 

その時には まだ本当の辛さには悲しみには出会っていない 


悲しく辛い 耐え難いほどに 


その気持ちを忘れようとする 


まだ大丈夫 大丈夫 そう繰り返して 日々過ごし 乗り越えていく


そうして ただ生きていく


それでも生きていける 



生きることにこそ 意味があるのだと 

ただ生きていくことに 


そうして生きている間に ただ生きている間に  悲しみも苦しみも辛さも やがて消える 

忘れられていく 


ただただ生きているうちにー


風運ぶ 金木犀の 花の香を

2013-10-03 13:47:47 | 自作の詩

姑の家に着き車庫の戸を開ける為に 車から降りたら甘い香りが流れてきました

どちらかで金木犀の花がもう咲いているのでしょうか

ーああ十月なんだ 

今年も金木犀の花薫る季節になったのだなーと 思わず周囲を見渡し 花がついている金木犀の木を探してしまいました

我が家の金木犀はまだ蕾もついていません

早く咲かないかな~~~~