誰だって借りるより貸す方がいいに決まっている。だが、我が国のように国債依存体質が染(し)みつくと、借りること自体が当たり前となり、借りるのが余り悪いことに思えなくなるから困る。^^ 言わば、借りたことを忘れる体質になってしまう訳だ。これでは国の未来が大いに危うい。^^
とある定食屋である。
「蚤村(のみむら)さん! そろそろお願いしますよっ!」
「えっ? なにをっ!?」
「いやですよ。お勘定(かんじょう)に決まってんじゃありませんかっ!」
「ああ、お勘定か…。忘れるとこだったよ、有難う!」
「有難うってあんた! うちはちっとも有り難くないんですよっ!」
「ははは…すまん、すまん! ツケで借りるのが、当たり前になってるからなぁ~」
「ツケを断ったら、毎回、払ってもらえます?」
店主は手の平を広げて催促(さいそく)がましく蚤村の前へ突き出し、笑顔で溜(た)まったお勘定を請求した。蚤村は忘れるのも問題ありだな…と思いながらツケの支払いを忘れて店を出た。
借りるのはいいが、返すことも忘れることなく憶えておこう! という教訓めいたお話である。^^
完