🌋 気象庁によりますと、午後5時35分に、鹿児島県の薩摩硫黄島の硫黄岳で小規模な噴火が発生し、噴煙は一時、火口の上空1000メートル以上に達しました。
気象庁は、今後も小規模な噴火が発生するおそれがあるとして、「火口周辺警報」を発表したうえで、噴火警戒レベルを、レベル1から「火口周辺規制」を示すレベル2に引き上げました。
気象庁は、火口からおおむね1キロの範囲では噴石に警戒するとともに、風下側に流される火山灰や小さな噴石、火山ガスなどに注意するよう呼びかけています。
薩摩硫黄島で噴火が確認されるのは、今から6年前の平成25年6月にごく小規模な噴火が発生して以来です。
薩摩硫黄島とは
🏝🌋 鹿児島県三島村の薩摩硫黄島は鹿児島市から南へ90キロほど離れた東西6キロ、南北3キロの火山島です。
東側に硫黄岳があり、山頂にある火口では、過去に噴火が繰り返し起きています。
住民はおよそ100人で、火口から南西に2.5キロから3キロほど離れた地域に住んで
います。
火口から2キロ以内にあたる海岸沿いの岩場には温泉があり、地元の住民のほか、島を訪れた観光客なども利用しています。鹿児島港を発着するフェリーが運航しています。
硫黄岳近くに住む男性は
🏔 👤 硫黄岳のふもとから西に1.5キロほど離れた場所に住む男性は「噴火の瞬間、外に出ていたが、体感では爆発は分からなかった。
現在は、硫黄島の上に薄いガスのようなものがかかっているように見えるが、きょうは雲が低いので、雲と一緒に西よりの風に乗って流れていてはっきりとは見えない状況だ。灰も現時点では降っておらずガスの匂いも感じられない」と話していました。
政府 「情報連絡室」を設置
🌋 「噴火速報」が発表された鹿児島県の薩摩硫黄島の火山活動に関して、政府は2日午後5時39分、総理大臣官邸の危機管理センターに「情報連絡室」を設置し、情報収集と警戒にあたっています。
薩摩硫黄島と周辺海域 過去にもたびたび噴火
🏢 気象庁によりますと、鹿児島県の薩摩硫黄島とその周辺の海域では過去にもたびたび噴火が起きています。
最近では、平成10年からは平成16年にかけて硫黄岳の山頂火口で噴火を繰り返し、火口から南西に2.5キロほど離れた島の集落にたびたび火山灰が降ったほか、平成25年6月には、ごく小規模な噴火が3日間にわたって観測されました。
去年2月以降は、夜間に高温のガスなどが噴煙や雲に映って赤く見える「火映現象」がたびたび確認されたほか、3月には火山性地震が一時的に増加しました。
このため気象庁は噴火警戒レベルを「1」から「2」に引き上げましたが、その後、地震が減少し、再びレベル1に引き下げていました。
15世紀から16世紀には硫黄岳の山頂火口で水蒸気噴火が起きて、火砕流が発生しました。
また、昭和9年から10年にかけては薩摩硫黄島の東約2キロの海底で大規模なマグマ噴火が発生し、新たな島、昭和硫黄島ができました。
噴火警戒レベル1での噴火は過去にも
🌋 鹿児島県の薩摩硫黄島では、噴火警戒レベルが最も低いレベル1の状態で噴火が発生しました。
レベル1の状態での噴火は過去にも発生しています。ことし8月には「浅間山」で、去年1月には「草津白根山」で突然噴火が発生しましたが、いずれも噴火警戒レベルはレベル1のままでした。
そして、5年前の平成26年9月、御嶽山ではレベル1のまま噴火が発生し、登山者63人が犠牲となりました。
👀👂 噴火警戒レベルが最も低いレベル1であっても、顕著な前兆がない中で突然の噴火が起こりうることを改めて認識する必要があります。