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※※ 本日、最後の記事です。
きょうの国内市況(4月3日):株式、債券、為替市場
Bloomberg News
2020年4月3日 16:24 JST
●原油高一服でリスクオン後退、TOPIX5日続落
2日の海外市場で急騰した原油価格が日本時間3日の取引で上げ一服となってリスクオンムードがやや後退、日本株市場でTOPIX(東証株価指数)は下落に転じて取引を終えた。
TOPIXの終値は前日比4.74ポイント(0.4%)安の1325.13
日経平均株価は同1円47銭(0.01%)高の1万7820円19銭
長国先物小幅安、長期金利はマイナス0.01%に低下―国債増発懸念が重し
ドル・円相場はほぼ横ばいの1ドル=107円90銭付近。朝方に前日比0.3%高の108円20銭を付けた後、小幅に上下しながら弱含む
東京株式相場は午後に失速してTOPIXは5日続落。原油需給の改善期待から上昇して始まったが、原油市況の軟調を受けた米国株先物安が重しとなった。アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは「原油価格は供給面を絞れたとしても、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて生産・消費活動が止まっている需要サイドの問題も大きい。価格上昇への道のりは長そう」とみる。新型コロナの収束がみえてこない中では「投資家はリスクが取れない」と述べた。
東証33業種では輸送用機器、電機、小売、サービスが下落
陸運、電気・ガス、保険は上昇
●債券先物が下落、国債増発への警戒感や来週の入札に向けた売り優勢
債券市場では先物相場が下落。2020年度補正予算編成に伴う国債増発への警戒感に加え、来週は30年債と5年債の入札を控えて需給懸念から売り圧力が掛かった。
長期国債先物6月物の終値は前日比13銭安の152円61銭。一時は152円53銭まで下落
新発20年債利回りは0.5ベーシスポイント(bp)高い0.275%、新発30年債利回りは横ばいの0.39%
新発10年債利回りは0.5bp低いマイナス0.01%
岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
国債の増発規模や年限ごとの増額幅が焦点となる中、来週には30年債と5年債の入札も控えて上値を追う動きは限られた
市場が不安定になれば国債の買い入れを増額する日本銀行の姿勢も変わらず、全体の需給バランスを見極めにくい
新年度に入ってプラス利回りの超長期債を早めに買う動きもあり得るが、もう少し待とうという慎重な投資家もいるとみられる
日銀オペ
対象は残存期間1年超5年以下と10年超
岡三証の鈴木氏
結果は強弱がまちまちといった感じで相場には影響がなかった
●ドル・円もみ合い、原油高・株高も新型コロナ懸念根強く-108円前後
東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=108円を挟んで一進一退。トランプ米大統領のツイートを受けた原油高・株高の流れでドル買い・円売りが先行したが、新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感が根強く、もみ合いに転じた。
ドル・円は午後3時41分現在、前日比0.1%高の107円99銭。ここまでのレンジは107円80銭から108円20銭にとどまる
ユーロ・ドルは0.2%安の1ユーロ=1.0832ドル
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジスト
新型コロナウイルスの感染拡大の先行きは不透明だが、大荒れの3月相場をもたらした期末要因ははく落し、米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な資金供給でドル資金需給のひっ迫も落ち着いてきた
日米とも景気後退局面入りはほぼ確実となり、米国の相次ぐ金融緩和と両国の財政出動で政策も似通っており、ドル・円は大きく一方向には動きにくい状況に戻っていくのではないか
原油安もロシアとサウジアラビアが不毛な増産合戦をやめる可能性が浮上し、原油安が株安を通じてドル・円を振り回す影響力も低下していくとみる
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