◎◎ ドル・円は上昇、ドル資金需要のひっ迫懸念などが下支え-107円後半
野沢茂樹
2020年4月16日 12:45 JST
更新日時
2020年4月16日 16:00 JST
東京外国為替市場のドル・円相場は上昇。新型コロナウイルスの感染拡大と世界経済の悪化懸念を背景に国内外の株価が下げる中、ドル資金需要のひっ迫懸念などが相場を支えた。オーストラリアドル相場は豪雇用情勢が市場予想ほど悪化しなかったのを受けて下げ幅をいったん縮めたものの、軟調に推移した。
ハイライト
ドル・円は午後3時45分現在、前日比0.3%高の1ドル=107円73銭。朝方の107円38銭から一時108円08銭まで上昇
オーストラリアドル・ドルは0.3%安の1豪ドル=0.6302ドル。対円では0.1%安の1豪ドル=67円86銭
ドル・円はリスクオフのドル買いが優勢
市場関係者の見方
大和アセットマネジメントの亀岡裕次チーフ為替ストラテジスト
金融市場全体は株安・金利低下のリスクオフで、円も決して弱いわけではないがドルの強さが上回っている。クロス・円は円高気味だ
ただ、リスクオフが対円でもドル高というのは昨日きょうの話で、必ずしも明確な傾向があるわけではない。前週末と比べればまだドル安・円高の水準だ
豪ドル安には隣国のニュージーランド中銀総裁がマイナス金利政策の可能性に言及した影響が波及した面があるのではないか
あおぞら銀行のあおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長
日米の株安を受けてリスク回避的なドル買いと円買いがせめぎ合う中、ドル資金需要のひっ迫懸念や仲値にかけての実需のドル買いもあり、ドル・円はやや上がりやすくなっている
ただ、ここからの上値は重く、108円台に乗れば戻り売りが出やすいだろう。米経済指標は今後さらに悪化し、新型コロナウイルスの影響は長期化する。株高基調に転じるとは考えにくく、円高の地合いが続くだろう
三井住友信託銀行ニューヨークマーケットビジネスユニットの持田拓也調査役
豪ドルは主な産油国ではないが資源国通貨なので原油安が重し。新型コロナの影響で需要が減っているので売られるのは不思議ではない
背景
【新型コロナ】感染者数が世界で200万人を突破、わずか12日で倍増
【米国市況】株が大幅反落、景気懸念強まる-原油は20ドル割れ
米地区連銀報告:経済活動は「急激に縮小」、ウイルス感染拡大で
IMF、アジア太平洋地域は今年ゼロ成長を予想-過去の危機より悪い
トランプ大統領、経済再開で財界首脳と電話会議-作業部会断念
日経平均株価は前日比259円89銭安で取引を終了。米株価指数先物は一進一退
原油先物、18年ぶり安値近辺-需要懸念が減産合意の効果打ち消す
最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE