◎◎ 来週の日本株は上値重い、コロナ後の経済正常化探る-実態悪警戒
2020年4月17日 15:42 JST
米国は新規感染者数ペース頭打ち、週前半は日経平均2万円トライも
TIやアルコアなど米企業決算相次ぐ、米住宅指標は悪化の見込み
☆☆ 4月4週(20ー24日)の日本株は上値の重い展開となりそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大からの経済正常化を探る流れが一段と強まり、週前半は売られ過ぎた株価を見直す動きが強まりそう。ただ、実態悪への懸念や国内感染拡大の不透明感は次第に上値を抑える。
世界最大の新型コロナウイルス感染国の米国では、新規感染者の増加率が足元で頭打ち傾向を示している。トランプ米大統領は感染収束後の米経済再開に関するガイドラインを公表した。「米国の矢継ぎ早の金融政策と景気刺激策から考えて、コロナ感染がピークアウトすれば米国株は戻りを試すとの思惑がある。日経平均は2万円トライが考えられる」と、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは予想する。
もっとも、米企業決算では金融中心に失望も相次いでおり、決算発表が進むとともに足元の厳しい実態悪が再度意識される可能性がある。国内でも緊急事態宣言の対象地域が全都道府県に拡大されたばかりで、感染抑え込みの不透明感が残る中で日経平均が2万円を上回る場面では戻り売りも出やすい。
決算では米国で21日にテキサス・インスツルメンツ(TI)、22日にシーゲイトやアルコア、23日にインテルなど。経済指標では21日に3月の中古住宅販売件数、23日に米新築住宅販売件数が予定され、いずれも前月より悪化の見込み。国内では23日にオムロンやキヤノンなどの企業決算、20日に3月の貿易統計が予定される。3週のTOPIXは週間で0.9%高の1442.54と2週連続で上昇。
《市場関係者の見方》
アセットマネジメントOneの淺岡均シニアストラテジスト
「米企業決算も金融が発表されたが、資本財、化学などの企業決算では世界の実需を反映し今後悪い数字がどんどん出てくる懸念がある。米国・日本とも決算で業績見通しの下方修正、自社株買いをやめたり、減配などがでてくれば、投資家は今のリスクオンの動きを変える可能性がある。IMFの経済予想は、4-6月期底のシナリオでマイナス3%だが、一般のエコノミストはさらに悪い予想を出している。日経平均の予想レンジは1万8000円ー2万円」
さわかみ投信の草刈貴弘最高投資責任者(CIO)
「日本経済が動いていない中、日経平均は2万円近くまで戻ったが、国内の企業決算はこれからで今後は不透明。米国では今期のキャッシュフローが厳しくなり、自社株買いや配当が難しくなる。これまで米国の時価総額が拡大してきたのは4割が自社株買いと配当。キャッシュフローが厳しくなると、この(自社株買いや配当)ブースターがなくなる。株価上昇がなくなると消費も増えない。リバウンドして半値戻したら、実体経済がどれくらい悪いか下値を探す展開になる。日経平均のレンジは1万8000円ー2万円」
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