じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

夏の思いで

2014-07-30 14:40:08 | 日記的雑談
夏の思いで・・・つげ義春の漫画本なんだけれども、これは、自分の好きな本であります。

私がつげ義春を知ったのは貸本屋時代の作品ではなく、漫画雑誌のガロに書くようになってからだと思います。

いや、娯楽作品とつげ義春自身が言う時代劇物の絵柄を見ると、見ていたような気もしますが、時系列的に私は子供過ぎてリアルタイムでは見ていないはずです。
ナンボナンでも5~6歳でチャンバラの時代劇や人情話し漫画を見ているはずは無い・・・そこまでヒネタ子供ではなかったし。

で、ガロなんて漫画を小学生が見ているのも結構な変わり者なんですが、多分、白戸三平のカムイ伝を見ていたんだろうと思いますけど、定かでは無いです。

で、つげ義春の漫画は自分の子供の頃の記憶に強くは残って無いんで、多分、その後のつげ義春ブームの時に読んだ物が子供の頃の記憶と置き換わっているのかと思う訳です。

さて、「夏の思いで」は本の表題なんですけど、短編の作品名でもありまして、本はいくつかの短編漫画を集めて1988年に出版されている訳です。

この本に書かれている年表で、つげ義春ブームは昭和45年となっているのだけれども、私の勘では漫画が直接ブームになったのではなく、朝日グラフで旅の事を書いたのが切っ掛けじゃないのか? ナンテ思ってみるんですけど、単なる勘です。

現実につげ義春はこの頃から10年間程やたらと旅をしているし、その後、漫画を書かなくなってからは「貧困旅行記」なんかのようなエッセイとしての旅行記などを出している訳です。

つげ義春の漫画を年代毎に見て行くと、絵が変わって行くし、粗筋も相当変化して行く訳です。
絵の変化は、やっぱし、アシスタントで入った時の水木しげるの影響がその後定着していると思うんですが、石森正太郎の真似と思われる絵が出て来るSF物「右舷の窓」の解説では、はっきりと描き方が分からずキャラクターも真似をしたと言っている訳です。

で、私の好きなつげ義春の作品は「夢の散歩」以後の作品で「夏の思いで」もその頃からの作品になる訳です。
そして、つげ自身も言っているんですけど、「夏の思いで」からのストーリーがいちばん自分にとって楽な展開だったと。
しかし、読んでみればどれも似ている訳でして、好き嫌いを別にして言えば、つげ義春は漫画の筋を作るのは下手なんだと思います。

まっ、つげ義春が面白いと思う人は変な人だと思うんですけれども、しかし、昭和の匂いが溢れている自伝的な漫画では、三丁目の夕日とは違った、もう一段底辺のリアリティーと言いますか、本物の貧乏が描かれていたりして、貴重だと思う訳です。

もしも読んでみたいと思う人が居たならば、漫画は止めて新潮文庫の「新版 貧困旅行記」などが良いと思うんですけど・・・面白く無かったとか言われても困るので勧めませんが。



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バスに乗った

2014-07-30 13:59:19 | 日記的雑談
昨日、仙台駅迄バスで行ったら1時間10分掛かっちまって、魂消ました。
いや、時間帯が悪くて街場に入ってからずっと渋滞だったと言う事なんですけど、そう言えば、超大昔にバスで通勤していた頃って、バスが時刻通りに来るナンテあり得なかったもんな、と、思い出したりして・・・。
やっぱし落合駅で降りて仙山線で行くべきだったかな、と、思ったりして・・・。

しかし、そんなバスに乗っていて不快とか不愉快とか、そう言う事では無い訳でして、自分で運転している訳でもなく、座って外を見ていれば良いので楽って言えば楽チンです。

おお、外を見ていれば、で、思い出しました・・・激走ママチャリの一件。

渋滞が佳境に入る少し手前の八幡町で歩道を走るママチャリがバスを追い抜いて行った訳です。
ママチャリの主は、蛍光オレンジの派手なタンクトップに、ショートパンツと言うよりは、昔風にホットパンツと呼ぶのが相応しい短いパンツ姿で、スラリと伸びた美脚が目を引くのであります。
ママチャリの前後には子供用の椅子が取り付けられ、赤子か子供が乗っている感じでありました。

ママチャリに子供を乗せていると言う事は、蛍光オレンジの派手な出で立ちのイカした格好では有っても、間違い無くママであろうと思う訳でありますが、夕方とは言え未だ熱気をはらんだ風の吹く街中を何故にあのようにガシガシとチャリを漕いで行くのか、と・・・追いつ追われつ、抜きつ抜かれつするママチャリを見ていた訳であります。

大学病院前辺り迄来るとママチャリは渋滞で動きの遅いバスを尻目に随分前に行った訳ですが、時折、ホットパンツの尻を持ち上げ立ち漕ぎと言いますか、ダンシングと言いますか、更に加速するべくガシガシと漕ぐ訳であります。

この暑さの中、理由は伺い知る余地もありませぬが、ママチャリの前後に子供を乗せ、果敢に立ち漕ぎ迄してカッ飛んで行く後ろ姿に、私は、何だか理由の無い感動を覚え、言葉にならない声援を送ったのでありました。

で、驚いたのはアレです・・・仙台市営バスなのに運転士はJRバスの人でして、受託ナントか、と、書かれているのであります。
ホホォ~・・・そうすると人件費が押さえられるとか、そう言う事なのかな? ナンテ事を思って見たりして。

で、1時間10分あれば新幹線の速いのなら大宮に着いちまうよなぁ~とか思いつつ、アレだなぁ~バスも乗っていて不快と言う事は無い訳で、こうして見ると一番理不尽な公共交通機関は飛行機だな・・・アレは乗せてやるからな、と気取っていて、何もかも最先端みたいな顔をしているが、実体としてはあれ程乗客に無理を強いると言うか、理不尽な乗り物は無いな、と、渋滞の道路を尺取り虫みたいに進むバスの中で思ったのでありました。

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