明日も仕事だぁ～!!!

いや、仕事と言うには余りにも寂しいお手当・・・日当4000円の日雇いですから。

でも、私と言えば、一年中がお休みだった訳でして、少しくらい働いたからとて平均労働時間に均したら「屁」みたいなモノと言いますか、蚤の金玉程の値とでも言いましょうか・・・まっ、要するに少ない訳であります。

昨日まではお寺さんが現場だったんで歩き回る量が半端無く多かった訳ですが、本日は個人宅の庭だったんで、ナンボ広いったってソレは知れている訳であります。
が、しかし、お寺さんだと墓参りの人用に外から入れるトイレなど有る訳ですが個人宅にはそのような物は無く、だからとて家のトイレをかして下さいとも言えない感じなので、こっそり隠れて用足しなどしちまうと言う・・・トイレを借りない事よりその方が失礼とも思いますが、親方がアッチのコンビニに行くか裏手で良きに計らうか選べと言われたのでそうした次第であります。

本日の仕事のハイライトは、庭の芝を草刈り用の刈り払い機で刈ったと言う、暴挙と言いますか快挙と言いますか・・・まっ、難しい仕事で有りました。

考えても見て下さいな・・・刈り払い機で事が済むんならもっと高価な芝刈り機なんてのが流通するはずも無い訳でして、草刈り機はやっぱし細かい仕事には向いていない訳です。
まっ、親方がやれと言うのでやってみましたが、狭い庭である上に石など配置してあってとても刈り払い機がエンジン音を唸らせて活躍できる環境でもない訳であります。
なので結局は小さな手鋏でコツコツと芝を刈ると言う・・・だったら芝刈り用の鋏くらい用意しとけよな、と、思いましたがそんな事は１ミリも口に出さず、3時間も掛けて手鋏で芝刈りをした訳であります・・・殆ど禅僧の修行に匹敵するモノであると胆に命じ精神を鋏の先に集中させ刈り込んだ次第であります・・・石に当たって鋏が可哀想でありました。

アレです・・・たった4000円の日当ですが、刈り込み鋏・剪定鋏・木鋏大・木鋏小・ノコギリと、鋏のヤニ取りなどは自前の物を使う訳です・・・この経費って、お手当の安さから鑑みるとバカにならない負担でありますが・・・まっ、徒弟制度が厳然と生きるこの業界の見習いでありますから致し方無しと呑み込んでおります。

で、午後になりまして親方が刈り込んだツツジだか五月だかの玉物の仕上げをしなさいと指示が下った訳です。
いや、トリマーと言えば聞こえは良いですが、要するにバリカンで刈り込んでいるのでピョンピョンと長いのが顔を出したり葉っぱが落とされて枝だけになって見苦しい物などが出たのを私が鋏で挟んで行くのであります。
まっ、誰にでも出来る簡単なお仕事であります・・・が、ソレが終わったら突然「このツツジば刈り込んでみさい」と、大きなツツジの玉三個を刈り込めとの指示が下った訳です。
しかし、好事魔多し、でありまして、親方が見本で切り込んだ深さに寸分違わずに合わせて刈ったと言うのに「あぁ～そんでは浅過ぎてダメだなぁ・・・このくらいまで苅込まいん」と、駄目出しをされてしまったのであります。
これが以前の私ならすかさず「アンタがこの線で刈れと指示したんでしょ!!!いい加減にしなさいよ」と、言ったと思うんですけれども、今の私は宛ら禅の修行僧のような心持ちでありますので「ハイ分かりました」の返事だけなのであります。

で、親方の指示した次の線は明らかに刈り過ぎと、僭越ながら見習いの私は思った訳で訳です。
しかし、親方の指示と有れば黒いカラスでも白な訳ですから、言われた線で刈り込んでみました。
で、私も子供じゃないので親方が指示した線のある木からは掛からずに隣りから始めた訳です。
で、見事に刈り込んだんですけれども親方、無言で通り過ぎる訳です。
ソレならばと三玉を全部刈り込んでみたんですけれどもやはり反応は無く・・・本気でココまで刈り込んで良かったのかと感心するやら驚くやらで有りました。
その訳は後で分かったんですが、この御宅は強い刈り込みでしっかりと結果が見えるのが好みなのだそうでして、そっかぁ～・・・お客さんの好みや満足度も加味しなくちゃナニなのかとまた一つ勉強になった次第であります。

明日、再度このお宅に伺って仕上げたら私の夏休みであります・・・が、学校が始まるまで後5日しか無い訳でして・・・ああ、私の恐らくは人生最後の学生としての夏休みは儚い物であるなぁ、ナンて思ってみたりする訳であります。

と、言う事で、明日の為に今日も寝ます　　皆様　おやすみなさい、と。