じじい日記

日々の雑感と戯言を綴っております

元気に労働!!!

2018-11-25 16:21:40 | 日記的雑談
昨日は遅番のバイトで、午後2時半からPM8時半まで・・・これは朝は楽だけれども帰りが遅いんで夜の時間が詰まってしまう訳です。
まっ、その分午前中に一仕事できるという利点がありますけど。

で、今日のバイトは、AM8時45分から午後の2時半まで、でありました。
これは朝が忙しくて午後バイトの後の時間もそんなに余裕では無いという、使えない1日になってしまう訳です。
しかも、早番勤務だと朝一からプールに入る訳でして・・・アレです、大きなネットを持ってプールに潜りゴミ拾いなどするのであります。
その他に各所の安全確認などする訳でして、疎かにできない仕事なんであります。

で、本日はPM2時半にサッサとバイト先をでましてスーパービバホームへ行った訳であります。
目当てのものは・・・檜の板であります。
バイト先のサウナの腰板が痛んでいるんで修理するのに高温と水に強い木材というと檜になる訳なんですが、そんじょそこらでは売っていない訳であります。

が、意外とそんじょそこらと思われる近所のホームセンターにあったんであります。
1800ミリの60の15で税込900円くらいと安いもんでありました。
まっ、節の多い端材なんですけれども、まっ、檜に違いは無いというか、それしか無いのでそれしか買えないのでありますが。

で、修理箇所が妙に傾いているんでホームセンターの加工室で切ってもらおうと持って行ったら5ミリ単位の加工なんてできないと言われた次第であります。

その時私は・・・メンドクセェからお金払って済まそうと思ったのにプロが出来ねぇってか❓と、やや憤った訳であります。
まっ、しかし、ホームセンターに居るからプロなのかというとソー言う事でも無いんだろうなと思い直し、んじゃぁ自分できるから・・・と、店を後にした次第であります。

で、1450ミリの長さの板のこっち側が幅55ミリ、で、あっち側が50ミリと言うとノコギリ類で切ったんでは精度が出ないと思いカンナで削ってみました。

いや、ガイド無しで1450ミリを手鋸でまっすぐに切る自信は無い訳であります。
いやぁ~・・・板目を微妙に斜めに鋸で挽くってシロートには至難の技ですゼィ。
当然刃の厚い電気の丸ノコやジグゾーは使えませんし。
電動糸鋸は懐が浅くて1450ミリは送れませんのでダメであります。

と、言う事で、カンナでスコスコと削った次第であります。
いや、これが以外とスンナリでありまして、思ったほどの手間では無かったのであります。

私、シロートの木工好きなんですけれども、檜なんてぇ高級素材は使ったことが無かった訳です。
しかし、切って吃驚、削ってまた吃驚、と、柔らかいし板の目の素性は良いし、ホントに素直な木材なんですね。
古来より檜が重宝された理由はこんなところにも有るのかも、なんて感動したのでありました。

で、出来栄えなんですけれども、まだ修理箇所に当てていないんで判りませんけど、自分の見た目ではほぼ間違いない寸法にできていると思う次第であります。

で、しゅるるる~しゅるしゅる~とカンナが滑ると檜の薄い削り屑が出てくる訳でありますが、いやぁ~感動しました。

アレです・・・あの檜風呂の香りそのままの香りがつーんと香って来るんであります。
いやぁ~カンナを走らせるとしゅるしゅると面白いように削れ、なおかつ清々しい香りがたつ訳ですからこの作業は面白くて堪りませぬ。

そんな訳で、本日はバイトの後は軽い木工作業でありました、と。




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片足だけ韓国へ

2018-11-24 13:34:20 | 日記的雑談
一昨日だったか、韓国へ入国してしまった訳ですけれども・・・風光明媚といいますか、のんびりした田舎の風景でありまして、日韓の軋轢や反日感情がなければゆっくりと見て回りたい風景でありました。

あの風景に合う速度は車や高速鉄道では無く、原付バイクか自転車の速度が似合うと思いました。
まっ、わずかに4時間、仁川空港の近くをバスで移動しただけの感想ですからインチキも甚だしくはありますが、まっ、でも、私の印象はそんなもんでありました。

仁川空港で開催しているトランジット客向けの無料ツアーに参加してみた訳です。
最短で1時間のコースから最長で5時間まで、寺廻りやらショッピング、はたまた韓流映画のロケ地を回るコースなんてのもあるようでした。
自分はその中の寺回り4時間コースを選択した次第であります。

いや、この日は14人の参加者のうちに3名の日本人がいたんですけれども、寺の拝観料4ドルは現金支払いだった訳です。

で、カード大国韓国ですから当然カードでと思ったんですが、ドーいう訳か日本人のカードだけが通らないんであります。
私は3枚持ってましたが全部ダメ、で、クレジットでは無いデビットカードを出したらそれはダメ、と言われた訳です。
仕方が無いので1000円だけ両替したんですけれども、500円分ほど、要りもし無い韓国の銭が残ってしまった訳です。
これを韓国側の陰毛・・・もとい陰謀というのは勘繰りすぎでありましょうか❓
いや、USA野郎のカードはすんなり通って日本のだけダメって、ありますかね❓


夜明けは西日本と同じ頃か、少し遅く感じた


寺というよりも山の公園的な雰囲気の伝燈寺


ここまでくれば寺のようだが規模は小さい


鐘と太鼓が吊られていた 中国風か


これが本殿で金ピカのお釈迦様が祀られていた


日本とは桁違いに荒っぽい彫りもの細工


徳津鎮 要塞とか砲台とか


遠くに深センの街を望む 女性はガイドさん

で、ガイドさんは一生懸命に北と南は一心同体で間も無く統一されるであろうなんてことを宣っていましたが、小一時間も南北融和の話を聞かされ眠くなって寝てしまいました。

いや、無料なんで何の文句も無いんですが、寺や古い建物なんてのは日本と比べたら陳腐の類でして、貧しかったんだなぁ、昔はとの印象しか抱きませんでした。

寺と言っても奈良や京都どころか、東北の古刹にも勝てない感じでして、まっ、そう言う国なんでありましよう。

おおっと、途中ですが バイトに行く時間であります。

尻切れごめん。



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雪だ そーです

2018-11-24 12:47:03 | 日記的雑談
いや、我が家の裏山も雪景色なんですけれども、まだ本格的な冬という感じではなく、日差しが戻るとそこはかとない晩秋の気配が無きにしも非ず・・・へっ、秋なのか冬なのかはっきりしろですか❓ まっ、アレですよね、人って中々言い切れない時ってありますよね。

とかナントか言ってますけど、東北道も岩手の県北から先はチェーン規制だし、秋田道だって要滑り止めってなってる様子・・・やっぱし冬ですな、たぶん。

と、まぁ、こういう天気ネタに始まる時は何を書くでも無く惰性でブログを開いた証なんであります。

本日は土曜日・・・六日間のお休みも終わり午後からバイトであります。
かなり予定外の散財をしちまったので穴埋め処理に稼がねばなりませぬ。

もうすぐ正月でしょ・・・いや、仏教徒なのでクリスマスは無視であります、が、正月ともなれば御節は外したとしても餅くらいは食いたいじゃありませんか。
餅代も稼がなければならないし、正月飾りも準備しなくちゃ・・・で、銭がいるんですよね、年末は。

さて、今朝はのんびりとジムに出かけ軽い筋トレなどしてきた次第であります。
何のための体作りなのか❓ それを書くと、まぁ~たそっちかよと言われそうなんでナニですけれども、やっぱし裸になった時のことを意識していると言うのが本音であります。

頭はしょうが無い・・・アデランスに手を出すほど気にしちゃいませんので薄いのは短髪でごまかすとして、首から下は鍛えれば見られても耐えられる訳でして、そりゃぁ~スケべな男の身だしなみと思っている訳であります。

その線で狙うのは痩せマッチョ・・・けっしてゴリマッチョになってはダメなんであります。
少し力を入れると筋繊維が浮かび筋が出るのが美しいと自分は思っているんですけれども、これをキッチリと作るには脂身を纏ってはダメなんであります。
脂身は体の線を丸く見せてしまうんで目標体脂肪は12パー以下・・・基礎代謝の衰えたジジイにはキツイ値であります。

まっ、私のような見てくれ重視の場合は胸と腹筋と大腿四頭筋がそれなりなら形はできる訳でしてさほど難しくも無いんですが。

へっ❓ つまらん、ですか・・・まっ、いいでしょう。

あと一月足らずで新年・・・また歳をとるのか、と憂鬱であります。

一休禅師は宣いました・・・「門松は冥途の旅の一里塚馬駕籠もなく泊まり屋もなし」と。
ひたすら冥途を目指すのが人が生きると言うことであります。
疲れたと思っても馬もカゴも無く、休みたいと思っても旅籠は無いのであります。
ただ只管にその日のために生き続けるのであります。

そんなことを考えると少し見えませんか、人生って何なのか❓
私に言わせると、死なないので生きている・・・だけなのであります。

モームも小説の中で、人生に意味など無いと言い捨てた訳でして、たぶんそう言うことだろうと思うんであります。

いつ死ぬの? いまでしょ!!!・・・それはチョットおふざけがナニなんですけれども、でも、私ゃいつ死んでも良いとは思っているんであります。

いや、ただいま突然に明日死ぬことになったと言われたら相当なショックではありますが、まっ、ジタバタせずに軽く人生の締めをする覚悟はあるつもりであります。

もうこの歳何でやり残したことは何も無く、今やっていることは生きている序での事ばかりでして、言って見ればオマケであります。
やらなくてはならない必然はどこにも無いのであります。

夏過ぎあたりから左手の具合が良く無いといいますか、物が持てなくなったり突然痙攣したりするようになった訳です。
まっ、交通事故でほとんど動かなくなった左手と、特定方向の筋力を失った腕をここまで回復させた訳でして、考えてみればリハビリって過酷でして、酷使したんだなとも思う訳です。

肉体はすり減る・・・いや、鍛えればいつまでも大丈夫というのは限界を見ていないから言えるんであって、そこまで追い込んだらあとは年齢とともに衰えるばかりであります。
イチローもやっぱし・・・で、なんぼ頑張ってもピーク時を維持できる期間は短いのであります。
まっ、ピークですからその上は無く、高いピークほど尖っている訳でして、降りだしたら早いのも宜なるかな、であります。

本日、いつものバーベルが全く挙がらなかった訳であります。
それは左腕が言うことを効かなかったからなんですけれども、けっこうショックでありました。
それをカバーするべく頑張ってきたはずなのに・・・ダメか、でありました。

握力も落ちてきまして、とうとう18キロを割り込んでしまいました。
まっ、その分右手が55キロに育っているんで大概のことで不自由はしませんけど・・・でも、そう言う問題では無いのであります。

また、天丼を食うのが不自由になりました。
味噌汁もこぼすとヤヴァイので両手で持って啜ることになりました。

まっ、たかが左腕一本・・・まだ右手があるじゃ無いか、と言うよりも、まだまだ使い道はあるんでそんなに嘆くことでも無いんですけれども、でも、このまま動かなくなったら、嫌だなぁ・・・なんてね、明日死んでも良いと嘯きながら腕一本には固執する我は、矛盾の無に生きつつ、足掻いているのでありました。

今日も何だか暗いことしか書けないなぁ・・・ドーしちまったんだろう俺。



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思い出話し

2018-11-23 19:40:29 | 日記的雑談
昨日帰ってきたばかりなのに、それはもう遠い昔のように思え、記憶さえも断片になっている。

いや、ひょっとすると自分はあの街には行って居ないのかも知れない、と、そんな気さえするのです。

そー・・・あれは幻の街で、あの娘は蜉蝣であり、旅が終わった今は消えたのでありましょう。

なぁ~んて感傷的雰囲気から入っても、書くのが私でありますから、どーせお下劣な方向に話が流れるのは必至・・・だったら正攻法に時系列で並べましょう、と。


これはフィリピンでは無く仙台の中心部です

仙台空港からは遠くに仙台市街が見えます。
少し言い訳すると、デジカメのデジタル望遠で目一杯引っ張ったので画質がナニですが、まっ、雰囲気を見るということで。

小さな仙台空港は入国審査を終えると唐突に待合室に顔を突っ込むのであります。
そこで私はお気に入りの席に座り生ビールの中とカレーを頼むのであります。
そして、カレーをつまみにビールを舐め、まばらな飛行機を見たり、仙台市街や蔵王の山並みなど眺めるのであります。

自分が成田や羽田に行かなくなった理由はこれかも知れません。
地元の空港はなぜか尻が落ち着くのであります。
かつて成田を頻繁に利用していた頃にも定位置と言える席があり、同じようにビーフカレーとビールをやっていたんですけれども、そんなに落ち着く場所では無く、何と無く田舎者をあざ笑っている風に感じたものでありました。

自宅から駅まで車で10分。
仙山線に乗って20分弱で仙台駅に着き、空港線に乗り換えて20分であります。
乗り継ぎが上手くいくと1時間で空港につけるのは気持ちも体も楽であります。
まっ、掟破りとも言える韓国のアシアナ航空で行くのは少し気が引けますが、まっ、それを咎められるとしたら私は宮城県知事に大声で言いたい。
全日空でも日本航空でも東亜国内航空でも良いからもっと飛ばして便利にしてくれや、と。


インチョン空港で中国人を隠し撮り

インチョン空港は巨大であります。
今年は平昌オリンピックがあって第二ターミナルが開業しました。
それによってさらに大きくなったインチョン空港は規模では日本のどの空港よりも上回っていると言えます。

そして世界のハブ空港を声高に言うだけあって施設の充実度もそれなりに悪くは無いのであります。
例えば、ハブ空港ともなれば長時間の乗り継ぎ待ちの客は増える訳です。
が、この空港には誰にも気兼ね無く、しかも相当静かに寝ていられる場所が数箇所もあるのです。
日本の空港を含め自分が知る限りの空港でこんなにのんびり寝られる場所が多いのはここだけであります。

大嫌いな韓国ですけれども、正直に言って日本のおもてなし、こと空港に関しては完全に負けています。

そしてピンボケ・手ぶれのお写真は中国人の担ぎ屋です。
航空運賃が安いインチョンの免税店で買い物をしてとんぼ返りで中国へ戻る担ぎ屋がトランジットサービスエリアで荷物を小さくして詰め込んでいるところであります。

日本でも見られる光景ではありますが、その規模はインチョンの方が上だと、自分は思います。
そんなことに勝った負けたは無いのしょうけれども、中国人の購買力を当てにした日本の小売業もあるのを鑑みれば、負けているとも見えるのであります。


フィリピンの夜はどこも大渋滞

フィリピンもここ十年でめまぐるしく変わっています。
まず、車が増えました。
それも昔多かった、日本から輸入の中古車を左ハンドルに改造したものでは無く、フィリピンで生産されたトヨタの新車などが多いのであります。

まっ、トヨタよりも安いので韓国製のKIAやHYUNDAIも多いんですが、大型のピックアップやSUVはトヨタが勝っているようでありました。


ここは場末、メインの歓楽街はもっときらびやか

歓楽街は夜になると歩行者天国になって酔っ払いがふらついても大丈夫です。
タイにの歓楽街もホコ天になっていますが、規模で言ったらバンコクやパタヤやプーケットと比べたら可哀想なほどの規模であります。
しかも、店はよく潰れるようで時々看板が変わっていたりもします。

何よりも驚く変化は、20年前の上客といえば日本人だったのが、今は圧倒的に韓国人が多い事であります。
まっ、質的にどっちが上客かとフィリピン人に問うと間違いなく日本人と答えますが、量では圧倒的すぎて話になりません。
なのでホテルも食べ物屋も一気に韓国色に染まっているのであります。
ちなみにホテルの朝食にはキムチが出されていましたし、おかゆは「韓国式」と書かれていました。

看板も然りです。
かつてのフィリピンの観光地には日本語が溢れていましが、今はハングルが隆盛であります。
英語と日本語の表記から日本語が消え、変わってハングルがそこに収まっているのであります。
あの街の外れにはコリアンタウンができているので小さいながらも韓国の食材を売る店もあるのです。


夜のプールサイドと夜景

30年前のフィリピンは首都圏でさえ頻繁に停電していたのであります。
それほど電力事情は不安定で、だから信号機は機能せずで、設置はしてみるものの動かなかったのであります。

フィリピンの夜は真っ暗にならないのであります・・・これ、本当です。
だから停電の時にブラックアウトとは言わずにブラウンアウトと言うのであります。(今もそうだと思いますが)

東南アジアの安ホテルは停電が多いのでエレベーターが使えませんでした。
なので6階建てなのにエレベーターの無いホテルなんてのがあります。
まっ、少し立派なホテルや飲食店なら大型のディーゼル発電機で賄っていたのでさほど不便も感じませんでしたけど。


既出ですけど 昼飯のフィリピン ブレックファスト

この昼飯はフィリピン人用の朝飯でありました。
まっ、昼飯に頼んでも文句は言わないので頼んだんですけれども、メニューにこれを見つけた時は心の底から嬉しくなりました。

自分がフィリピンにどっぷりと浸かっていた頃、よく食べたものだったのであります。
この国の全てに翻弄されて必死だった頃に唯一心底美味いと思って安心して食べられたのがブラッドでありました。

チャンゲに行けば小銭で買えるフィリピン人の庶民のおかずなんですが、いろんな小魚が季節と地方によって微妙に違ってそれも楽しいのであります。

この日、セットに付いてきた二枚をあっという間に食べ終え追加で注文したんですけれども、お代を取らずに持ってきてくれました。
その時のウェイターとあれこれ話をしたんですけれども、自分がビサヤ語を話す事に驚くとともに、日本人である事も大いに喜んでくれたのでありました。

このホテルも御多分に洩れず韓国人が多いのであります。
ホテルの人たちは決してあからさまに区別や差別はしないのですけれども、今は少数になってしまった日本人に出会うと何故か喜んでくれるのであります。
それはまるで古くからの友人を歓迎でもするかのような優しい笑みで話してくるのであります。

フィリピン人が日本人に向ける笑顔は本当の友人に向けるそれだと自分は思うのであります。
たいして金も持っていないのに見栄っ張りで、本当は値切りたいくせに言い値で支払ってしまう気の弱い日本人がフィリピン人は好きなんであります。
言ってみればあの街の古き良き時代の「カモ」であった訳ですが、当時を知るフィリピン人も懐かしがっているのだろうと思うのであります。



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魔性の街か天国か

2018-11-23 17:02:22 | 日記的雑談
あの街は天国である・・・金さえ有れば、だが。

そんな街が世界には・・・いや、自分は東南アジアしか知らないが、貧困の国はある種の男にとって天国なのだ。

嘘だと思うなら行ってみるが良い。
産業などほとんど無く、農業や漁業とて自分らの腹を満たすのが精一杯で売り物になる作物など作れない、貧困国の田舎へ行ってみるが良い。
気の毒になるほど純真な娘が春を販いでいるから。

昔、自分が暮らしたフィリピンの街の近くでこんな農村の姿を見た。

そこは電気も水道も無く、携帯電話の電波も届かない山の中だった。
村というほどの集落も無く、急傾斜の山を切り開いた農地で主にバナナを栽培して暮らしていた。
水は雨季に降る天水をコンクリートで作った大きなタンクに貯めて凌いでいた。
電気は、大型のバッテリーを街で充電して使う人もいたが大半の家の明かりはケロシンランプだった。
煮炊きは竃で燃料は薪だから生活に光熱費は掛からない。

たいていの家は豚と山羊と鶏と水牛を飼っていて、水牛は畑の動力として使い、その他は換金ように育てていた。

その山の集落へは車やバイクが通れる道はなかった。
集落の子供らは片道5キロ以上も歩いて下の村の学校に通っていた。
学校で使うノートや鉛筆を買うくらいの収入はバナナや山羊や豚を商って十分得られていた。
だから集落の子供らは街場の貧困層よりも就学率が高く小学校を卒業すると大抵は高校へ通った。(小学と中学が一緒で上は高校)
山の集落は決して貧しくはなかったのだ、が、それは道ができるまでだった。

道ができたら生活が便利になる。
便利というのは無料では無いのだ。
道ができたら交通手段が欲しくなる。
山間部の集落にもバイクが走り出すのだ。
バイクを買うには金が要るし、走らせるのにはガソリンも買わなくてはならない。

バイクは豚や山羊を売っても容易には買えない。
そこで販売店に行って長期のローンを組む羽目になる。

さて、道路ができると電信柱が経ち電気が通る。
電気が通ると明かりを点けたくなるのは道理であるし、テレビだって見たくなる。
程なくして携帯の電波が届くと携帯電話だって欲しくなるのが人情である。

今まで固定費としての生活費がかからなかった集落の人たちは光熱費や携帯の費用やガソリン代やらで定期的に現金が必要になる。

この集落の収入源は農産物である。
バナナは年中収穫できるものでは無いし、手入れをしてから収穫するまでにはそれなりの期間もかかる。
鶏だって山羊だって毎月売れるほど育てられるはずも無い。

もう書かなくても察してもらったことと思うけれども、山の民は文明の語る「便利な生活」の罠に絡め取られたのである。

かくして長閑に何の憂いも無く暮らしていたはずの農民が現金に追い立てられ「労働」をしなくてはならなくなるのだ。

屈託無く5キロの道を歩いていた山の子供たちだって俄かにできたバイクタクシーで学校に通うようになり、毎日いくばくかの小銭を持たなくてはならなくなった。
現金の無い暮らしは不可能になったのだ。

末路というのは気の毒だが、働ける人は男も女も街に出るしか無くなる。
さて、元々産業に乏しく貧乏な国である。
昨日まで山でバナナを育て山羊と鶏を飼って暮らしていた農民に何ができるのか。
気の毒だが街に降りても仕事は無いのである。
それどころか山に居れば食うには困らなかったのに、街では雨風をしのぐ場所にも不自由し、食べるのも侭ならないのだ。

少し単純に荒っぽく書いたがこれが街に溢れるスクオッターや最下層の民の始まりの一つであるのは間違いない。

街に出て仕事も無く荒んでゆく男は山に帰らず刹那の快楽に走り、また悪事に走るものも多い。
そして山に戻って農業をする気力も失せた人は街の隙間に住み着き、最下層の民が拡大再生産されるのである。

これは山の人を書いたけれども海の人だって同じである。

そして、ここで表題の意味に戻るんだけれども、男に天国の夢を与える女もこんなところから始まっているのだ。
今でも田舎から出で来ては歓楽街に身を置き僅かな現金を得て親に仕送りをする娘は後を絶たない。

娘は生まれた時から貧困だったかもしれないが、その始まりはそんなに古く無い昔に、現金に追われて農民や漁民をやめたところから始まっているのだ。
だってフィリピンの街に電気が普通に通ったのは僅かに30年前で、山間部となるとここ十年の話なのである。
携帯電話も然り、家電製品も言わずもがなである。


と、単純に自分の見た状況から書きましたけれども、東南アジアでは戦争や内戦が原因のことも多く話は単純では無いのであります。
しかし、それとても根底は同じだと思うんであります。
貧困の素は物質文明なんであります・・・と。

おおっと、風呂が沸きましたので、尻切れですが、このへんで。







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