3月は何かと忙しいものです。しかし、合間を見つけ弘前建築詣で。
青森あたりはまだまだ雪がたくさんありました。そして、寒かった。日中でもせいぜい1,2度だったのではないでしょうか。
前川建築をうまく保存活用しているということで見に行ったのですが、それだけではありませんでした。町全体が歴史的建築を大事に使いこなしていました。またそれがゆえに、新しい感性の建物もところどころで清清しい存在感を放っていました。
お昼過ぎに弘前着。まずは前川國男氏に敬意を表して市役所へ向かいます。
お城の前の顔となっています。まち並みに群青色の天井もなじんでいます。
中もまさしく前川建築ですね。1958年の竣工ですから、丹下先生の香川県庁舎と同じ年になるのでしょうか。
世田谷区庁舎の2年前です。階段や吹き抜けのスケール感がよく似ています。
事務スペースは荷物と人であふれてあふれています。また耐震的にも問題があるそうです。
それゆえ、隣に新しい庁舎を増築しています。もちろんこの庁舎は耐震補強のうえ、使い続ける予定です。
案内してくれた方(突然の土曜日の訪問者をご親切に案内くださいました)に、建て替えの話はなかったのですかとお聞きしたところ、そんな話しはまったくなかったとのことでした。
大事に使うのが当たり前だとお考えのようです。面積が小さかったり、耐震壁の新設で使いにくくなるのはしょうがない、それに関しては増築棟があるのでまったく問題ないとおっしゃっていました。
市民的な合意のもとで前川さんの建築を大事にしているのでしょう。このときはまだ知りませんでしたが、まちの中にある他の建築も大事に、しかも十分に使い込むかたちでいきいきとしていました。
高谷時彦記 Tokihiko Takatani
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます