久しぶりにカレンダーの中に日曜日をみつけました。
午前中はゆっくりして、昼から世田谷文学館で開かれている「都市から郊外ヘ-1930年代の東京」展にぶらりと出かけました。
上の写真の植え込みの中に展覧会の看板があります。展覧会は1930年代の世田谷を文学、写真、絵画そして建築(郊外住宅)など多面的な視野のもとに捉えようとするもので、時代の雰囲気がよく伝わってきました。「多面的」に欲張りすぎたのかなという感じも残りましたが総じてよい企画だという印象です。
ただちょっと残念な思いもしました。それは文学館と一体的に整備され、庭を共有しているお屋敷のことです。もともとはウテナ化粧品の創業者の所有だと聞いていましたが、立派なお屋敷がこわされ、老人ホームが建てられました。
あまりにも既存の塀ぎりぎりに建っています。また形状や外観のデザインが十分に考え抜かれた結果とはいえないように思われます。
このあたりには、昔のお屋敷あとなどに建てられたと思われる高層マンションなどが多く存在します。殆どのものが、多くの床を確保するために周辺とは隔絶した巨大なボリュームとなっていますが、それでも計画者、設計者の工夫があるものとないものでは、まち並みや場所の雰囲気において雲泥の差が生じることが分かります。
上の2枚はどちらも世田谷文学館前にある巨大な集合住宅ですが、地上に近い部分の扱い方によって、まったく違う場所の質を作り出しています。
先ほどの事例においては今でも文学館と庭を共有しているという点では大きな工夫がありますが、もう少しデザインや計画に時間をかけて十分に検討する必要があったように思います。
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