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近藤勝重著「健さんからの手紙」

2015-02-25 09:09:33 | エッセイ
近藤さんが高倉健さんから頂いた50通余りの手紙を紹介しながら、俳優から人間高倉健を語る22日放送本のツボからである。

1945年愛媛県生まれの近藤さんは、早稲田大学からジャーナリストへ、サンデー毎日編集長をへて東京毎日新聞社に、早稲田大学大学院で、近藤流文章表現の授業に健さんから聴講させてくださいのお手紙を頂いた。

賀状によろしかったらと添え書きすると、学生は何人ですかと、15人と答えると16番目の最後の席に座らせてくださいと。学生達は健さんを離さなかったという。そしてジャーナリズムで経済的豊かさと心の豊かさは違うと・・・学生達にどんな役を望んでいるかと聞いていたと。

人間健さんは想いにあふれた方で、手紙の内容はごちゃごちゃしておらず、白い庭に石が転がっているすっきりしたもの、決めたら我が道をゆく感じのもので、良き日本人良き映画人が手紙の中に表現されていた。

近藤さんは、健さんの映画の看板を見ると吸い込まれ、観賞すると自分の至らなさに気付き、教えられ勇気を与えてくれる。そして、健さんは一生懸命生きている人を演じたいと。

おしゃべりであり、映画人として言葉の使い手で言いたいことが沢山あった筈なのに、演技や表情で伝わるからと多くを語らず、文化人でもなければ、ジャーナリストでもない、俳優であるからと明言した。

僕が死ぬまで死なないでくださいと言う手紙の健さんに、そんなことはないだろうと思っていたが、後ろ姿に憧れる制服が似合う俳優さんであった。



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