ブログ仙岩

各紙のコラムや報道番組、読書の感想、カメラ自然探索など。

咲きだした牡丹

2016-04-30 11:17:42 | エッセイ
4月28日開園した須賀川牡丹園は国指定の名勝で5月31日まで、過去に大桑原つつじ園と合わせて見学しています。見事な色合いの花です。

立てばシャクヤク座れば牡丹で、我が家の牡丹も4,5日前から咲きだしました。

白ピンク、赤と3色の鉢物でしたが、白は枯れて、残っているのは赤とピンクです。この赤は、20年前、ピアノを運び入れるために移動、根が切れて2,3個の咲でしたが、今年は見事に13個も咲きます。

咲き終わってからの手入れ、寒肥など手まめに世話しないと咲きません。

ボタン科の高さ1m落葉低木、花王と呼ぶ中国が原産です。鑑賞用・薬用に古くから栽培されており、4~5月頃直径20㎝の花びら日差しですぐダメになりますが美しい花です。

早咲きの寒牡丹、牡丹餅、ボタン桜、牡丹鍋(ししなべ)など沢山のボタンに関する言葉もあります。

薬用としても、頭痛、腰痛、生理痛などに効きます。

愛牛の冥福を祈り・・・鎮魂慰霊碑

2016-04-29 08:08:21 | エッセイ
昨日の福島民報あぶくま抄に、富岡に立つ牛の慰霊碑の前で女性が肩を震わせた。かって双葉町で牛約50頭を原発事故で避難、すべて命を落とし、牛と共にあった暮らしや避難後の苦しい日々の思いがこみ上げてきた。

除幕式には多くの畜産農家が駆けつけ、1,700頭余りが餓死や安楽死処分で犠牲になり、3,400頭が死んだ。慰霊碑の完成で、一つの区切りとしたいが双葉牛再興の見通しが立たない苦しさがにじむ。

双葉の酪農家は知らないが、福島へ行くとき、福浪線114号国道を通る。津島の399号や459号の合流地点を過ぎると、上り坂になり登り切ると平になり、もう川俣の境が見える右手に牧場がある。いつも車を止めて牛などを眺めていた。

こんな平穏な牧場の再興の見通しが立たないという。いつ帰還できるか。再興しても風評がまた立ちはだかる。

<愛牛の冥府を祈り、組合の再興を約す>が・・・ 

西湖のクニマス展示館

2016-04-28 09:02:00 | 問題
昨日27日お昼のタビラジ、河口湖町西湖からの放送で、クニマス展示館の案内をしていた。

円錐形の成層火山富士山の北嶺山梨県には、富士五湖西から、青木ヶ原の溶岩流が三分した本栖湖、精進湖、西湖、そして2番目に広い河口湖と離れて1番広い山中湖がある。河口湖ホテルから見る逆さ富士はいい思い出。

精進湖、河口湖や山中湖には栄養が豊富、しかし、本栖湖や西湖は貧栄養湖なのに、ワカサギやフナが生息、特に、1940年秋田県田沢湖のクニマスが酸性河川水で絶滅となったが、西湖で2010年京都大のチームで確認された。

生物の分類上設けた各群で、上位から、界、門、鋼、目、科、属、種に分け、クニマスは最下位の種の亜種で、サケ目サケ科に属し、キノシリマスの異名を持つ淡水硬骨魚でベニサケと同種で35㎝ぐらいの大きさ。ベニサケというと、今は殆ど引退した不動丸、亀鶴丸、金比羅丸、観音丸・・・など北洋サケマス船団へ向けて四倉港から出港する光景を思い出す。

一番深い121.6mの本栖湖、2番目に深い73.2m精進湖でなく、一番小さい精進湖に次ぐ広さで深さ70mの西湖に生息していたクニマスの生態が明らかになるであろう。1935年田沢湖のクニマスの卵を本栖湖と同様に放流したが、長い間その確認がされていなかった幻の魚である。

大石邦子の震災体験

2016-04-27 08:10:52 | エッセイ
風のあとさき181「すみれ色の靴が飛び」大石邦子エッセイストは、何年ぶりかに靴を買った。すみれ色の靴が宅配便で届いた。と5年前の3.11「ハイッ!みんぽう」の原稿を書いていた。

全く靴底の減らない車いすの大石さんは講演も多く、稀に新しい靴を履いて見たいとネット通販でいつものひも付きでないおしゃれな靴である。

履いてみたソファーから降りて、車いすに移った瞬間車いすが突然宙に浮き、すみれ色の靴が宙に飛んだ。今まで経験したことのない激しい揺れでブレーキなど役に立たず、電線が激しく揺れていた。

その時、工事中のガスの設備屋さんが駆け込んできた。思わず私はその人にしがみついた。日本観測史上最大の地震、津波、さらに追い打ちをかける原発事故である。

次第にその惨状が分かるにつれ言葉を失い何も言えなくなった。

一瞬にして人生が断ち切られた遠い事故の日のことを思った。十余年の療養の日々を思った。一瞬にして愛する人を失い絶望的悲しみを思うとき、こんな体でも今なお生きる命の負い目に押しつぶされそうになった。

あれから5年、被災地の人々の苦闘は続く、福島の悲惨を教訓に、原発の再稼働は見送られるかと思っていたが、司法の判断にさえ異議を唱える力は大きい。

核のごみ処理も確立されないまま見切り発車した国と電力会社の責任は重い。無人の町に咲く花は寂しい。