ラウラがSVF-64アンサーズに配属される前の機種転換センターで学生だった頃の話である。
この頃はバルキリーの実機訓練や白兵戦になった時の訓練が行われていた。
だけど、実際はそれだけでは無い事は以外にも知られてない。
ラウラ「うげぇ・・・・・・・辛い・・・・・・・」
軍人であったラウラであるが、訓練教官である桐原茂人より軍内部のアルバイトをして地球人らしい文化的な仕事の辛さを知っておけと言われ土日は正規軍.PXの売店のアルバイトをさせられる。
こう言う仕事をやらないと、他の地球人と協調する事はないと言うのが理由である。
だけど戦闘種族ゼントラーディ人であるラウラからすれば暇であった。
軍のPXでのバイトはめんどくさい、地球人の軍人のエピソードや名言を知りたい・・・
それと地球で起こった戦いの歴史も・・・・
「おい姉ちゃん、まだかよ。」
ラウラ「えぇぇと・・・・・これで・・・」
「そうだよ、早くやってくれよゼントラーディ人の姉ちゃんよ」
ラウラ「はい申し訳ございません。」
そんな事を思っている程余裕はない。
早く処理しないとどんどん買い物をする軍人達の迷惑がかかる。
ラウラはどんどん仕事をするが、どうも時間が遅れる・・・・
「ラウラくん・・・・商品の配列を頼むよ、レジは俺がやります。」
ラウラ「申し訳ございません。」
仕事が遅いので、同僚が変わりにレジをやりラウラは商品の配列を行う。
屈辱的であるが、できない事は事実・・・・
ラウラは抗う事は正しくないと諦め、素直に商品の配列を行う。
「桐原少佐からアルバイトとしてやとってくれと頼まれた子はどう?」
「返事はいい、流石はゼントラーディ人・・・商品の配列はいいが・・・・接客は駄目・・・レジが遅い計算ができない・・・・だめだめだな。」
「そうか・・・ゼントラーディ人には厳しいのですかね・・・・」
「かもな。」
上司や先輩の会話から、ラウラが接客が悪いとかレジが遅い計算ができないとか散々言われる。
商品配列を行っていたラウラにも聞こえてしまい、その事実にぐっと心が痛くなる。
自分はまだまだ情けない存在、そうラウラは自分自身をそう捉えるようになった。
桐原少佐「うん・・・ラウラの成績は若干落ちたな。」
カゴメ「そうですね、アルバイトをしてからどんどん落ちているように感じますね。」
桐原少佐「あっ・・・・そうか・・・・・」
ラウラはアルバイトしてからか、上司や先輩から散々言われている事を気にしているのか訓練時の成績がどんどん落ちている。
桐原はアルバイトをさせたのもラウラのためだが、肝心の訓練における成績が落ちるのもなんだかなと思った。
桐原少佐「バッカニア君・・・」
カゴメ「はい・・・・」
桐原少佐「君もアルバイトに行きなさい!!」
カゴメ「えぇぇぇ!!」
桐原少佐「これは上官命令である。」
ラウラの気持ちを落ち着かせるため、カゴメを同じPXで働かせる事を決めた。
まぁこれがラウラのためになるならとカゴメは覚悟を決めPXで働く命令を受諾し。
その日のうちにPXで働く事を決めた。
ラウラ「まさか、カゴメまでここで働くとはびっくりだよ。」
カゴメ「これも少佐の命令でね、まぁ親しい人間がいれば気持ち的に楽になるでしょ。頑張りなさい。」
ラウラ「はい。」
カゴメが同じ職場で働く事で、ラウラは笑顔を取り戻していった。
これは桐原の狙いであり、仲間意識の強いラウラに親しい人を同じ場所で働かせる事で士気を高める目的である。
最初にそれを考えなかった桐原は失敗したと後悔した。
その効果もあり数日後。
ラウラ「いらっしゃいませ~」
「!?」
「なんか急に社交的になったような。」
ラウラの意識も変わり始め、社交的になり接客業も良くなった。
それだけじゃない、全然計算もできなかったラウラだがカゴメが来た事で急に出来るようになり始めた。
「最近ゼントラーディの姉ちゃん成長したな。」
「あぁ可愛いし、結構頑張っているな~後。お前はどっちだ?」
「二人もいいけど、くぅぅどちらも捨てがたいぜ。」
利用客のラウラに対する感情も良くなりラウラのファンになる人も増え始めた。
ラウラ派かカゴメ派どっちかがいいと言いあう程であり、店の売上もあがってきた。
上司もほくほくと喜んだ。
「まぁ最初は駄目な子だったけど、やればできるじゃないか。それにうちのPXの看板娘にまで成長するとは、嬉しいもんだな。」
その後も二人はPXでバイトをするのだが、それも終わりを告げる。
ラウラが機種転換センターを卒業しARMD級宇宙空母アルタミラ所属.SVF-64アンサーズに配属される。
無論、働いていたPXはカゴメと共に辞める事となる。
「ラウラちゃんとカゴメちゃん辞めたそうだな、残念。」
「二人とも良かったのに、一気に華が消えたな。残ったのは、田舎臭のあるイモい兄ちゃんばかりだし。」
「本当だな。」
この事もあり、利用客はラウラとカゴメが辞めた事によりPXで買い物をする率が減り。
基地内食堂を利用する事になる。
なお基地内食堂には若い綺麗な女性兵士が勤務しており、それ目当てであると・・・・・
「あの二人が辞めてから、収入は以前より少し減ったな。」
「店長暇ですね。」
「・・・・・・せめてこのイモッターズの顔が良ければな・・・・」
「店長・・・正直それは傷つきます。」
店長はラウラとカゴメが辞めた愚痴を客がいない時に吐く。
二人には正直辞めて欲しくなかったが、本来の任務じゃないからしょうがないと思う・・・・
されどな・・・・と店長は永遠に愚痴を言い続ける。
それから20年後
吉野朝灯「バイトですか?母さん。」
ラウラ「ねっバイトして、稼いでね。軍隊入るんでしょ、それやらないと衛生兵としての受験はしちゃだぁぁめ♪」
吉野朝灯「姉さん二人にも言ってなかったけど、なんで私だけ・・・・」
ラウラ「一応顔つきは私に似ているから・・・ね

」
吉野朝灯「はぁ・・・」
三女である娘.朝灯にも受け継がれる事になる。
ラウラ的にもこのアルバイト経験は自分の歴史の重要な1Pだったようである。