寒いですね~
なかなか季節が進まず,私もぐずぐず体調を崩してしまいました…
ブログも一週間ほど停滞してしまったので,また調子を取り戻したいと思います。
さて
昨日は,とある「シンポジウム」に参加してきました。
土曜日の会ですので,いわゆる「非公式」な会ですが,とても大きな会で,本県のみならず,全国から人が集まっていました。
小中高それぞれの先生,そして行政関係者,さらには大学の先生たち。
「非公式」なのに,こんなメンバーが集まるということは,それだけこの会が意義のあるものだということだし,集まっている人たちは熱意溢れる人たちだということでしょう。
ん??
なぜそんな会に,私がいるのか?
私もそれを一番疑問に感じていましたが,以前ブログに書きましたように,また発表の依頼があり,その会場がここだったのです。
これまでの発表とは見る人が違い,雰囲気が違ったので,緊張もしましたが,なんとかうまくできたと思ってます。
(ちなみに,もう,この手の依頼は引き受けんぞ!)
シンポジムでは,テーマについて,学校,行政,大学といろいろな立場から,それぞれ研究していることや実践していることを出し合い,意見交換を活発にしていました。
海外の情報も豊富に提供され,私にとっては「目から鱗」な話が次から次に出てきました。
(土曜日出勤を命じられて,ちぇっと思ってたけど,こんなに勉強になる会だったのでよかったです。)
いわゆる,このテーマについては,
「現段階の日本のトップレベルの話し合いがなされている」
まさしくそんな場でした。
どの方の話も奥が深くて,新しくて,先見的でした。
中身の濃い議論が活発に行き交い,一日を通して,この会場内では深まったものがおおいにあったことと思います。
(そんな方達の足元にも及ばない私が言うもの何ですが…)
しかし,同時に私は,学校現場側の人間として,思いました。
「ここでの議論が,本当に現場で実践されるようになる日は,いつ来るのだろうか」
そのためには,いくつかのステップがあります。
①情報が現場に伝わる
②現場の人が解釈する
③現場の人が納得する
④実践する環境が整う
⑤現場の人が実践する
こんなところじゃないかと思いますが,どうでしょうか。
「ステップ」としましたが,言いかえればこれらは「ハードル」でもあり,この中のどれか一つでもつまずいてしまうと,実践には結び付きません。
①まず,情報が伝わらなければ話になりません。このシンポジウムには貴重な情報が満載でしたが,それらが日本中すべての学校に届くシステムは,どう作っていくのでしょうか。
②情報が伝わったとしても,それを現場の先生たちが解釈できなければいけません。難しすぎたり,関心がなかったりすることもあり得るでしょう。
③解釈できたとしても,「これはいい!やろう!」と,納得できなければいけません。学校は忙しいところです。先生たちも余裕がありません。目の前の子どもたちの日々の対応で精一杯で,「他にやらなきゃいけないことがいっぱいなんだよ!」と言う声が聞こえてきそうです。
④現場の先生たちが納得してやる気になったとしても,やれる環境が整っていなければできません。ハード面・ソフト面・そして経済的な面。実践に対する周囲の人たち(保護者や地域等)の理解というのもその一つでしょう。
⑤ここまでがすべてクリアされて,いよいよ最後のステップに来たとしても,肝心な,現場の人の実践力がなくては実践できません。新しい取組を自分の授業の中に柔軟に取り込んで,うまく転がし,一定の成果を出す。そのためには,かなりの腕が必要になることは言うまでもありません。
こう思うと,実践までには,なかなかハードルが高いことが分かります。
今回のシンポジウムは,国の関係者もいましたので,国の施策に反映される可能性もあり,そうなれば,①の「情報が伝わる」というのはクリアされるでしょうが,問題は②以降です。
ここからは現場の人次第です。
ここから先のハードルが多く,高いことが理解できると,学校という場がなかなか体質が変わらないことも理解できますね。
もっと言えば,先生って,「自分のやり方を変えられない」というところにつながるんだと思います。
日本トップレベルの会合に参加しながら,明日から始まる現場を想像しては,その間にある長い長い距離に,ため息が出そうでした。