今年は五年生担任ですので,音楽の授業は専科の先生に見ていただいています。
まぁ,この「空き時間」ってすばらしい(笑)
昨年度1年生をもっていたときには味わえなかった感覚です。
さて,この「空き時間」を語るよりも。
ふと1年生と音楽の授業をしていたときのことを思い出します。
私はいわゆる体育会系で,音楽に関してはど素人なんですが,この1年生を相手に音楽から逃げるわけにはいきませんでした。
よく考えたら音楽を授業していた年は,これまでにもほんのわずかしかなくて,また一から勉強という感じでした。
何度も音楽専科の先生や,隣の学年主任の先生のところに足を運んでは,明日の音楽の授業について助けを求めていました。
そして,1年生も楽器を扱うようになりました。
カスタネットからはじまり,いろんな打楽器,そして鍵盤ハーモニカ…
もちろん子どもたちは楽器がうれしそうでした。
それらの楽器を手にすれば,すぐにでも音を出したくなるのが子どもの本能。
そしてそれらを制止したがるのは先生の本能(笑)
この両者の間で激しいバトルが起きるのは音楽の授業の日常茶飯事。
「鍵盤ハーモニカを開いたら,手をひざの上に置いて待ちなさい」
という指示を最初にきちんと出せば,子どもたちもちゃんとその姿勢をとれることもあります。
それから
「じゃあドの音を出してみましょう。さんはい」 ドー
って感じで授業は流れ出しますが,子どもの気持ちを察してみると,そうしながらも楽器への「ムズムズ感」は溜まる一方で,不満気味かもしれません。
(ドだけじゃなくて,いろんな音を出してみたい…!)
だから
楽器の最初3分間は,「自由に鳴らしてどうぞ」
としてあげるようにしました。
楽器を思い切り鳴らしてみたいという子どもの欲求を最初に満たしてあげます。
雑音にしか聞こえないような大音量の音しか出せない子も,それが楽しかったりするでしょう。
「へぇ~こんな音が出るんだ」なんて感覚を自然とつかむ子もいるかもしれません。
前の時間にうまくできなかったことを,復習する子も見られました。
全員がガチャガチャと楽器を鳴らし,やかましくなるのだけは避けようとするのが先生ですが,この3分だけは折れてあげます。
3分間思い切り音を鳴らせば,子どもたちも落ち着きだします。
欲求が満たされて,その後の「ドの音を出してみましょう」からの授業も落ち着いてのぞめます。
もちろん,「楽器を手にしたらすぐに鳴らしてよい」ではありません。
それでは「3分間」という約束が伝わりません。
「鍵盤ハーモニカを開いたら,手をひざに置いて待ちなさい」という最初の指示は同じで,そのあとに
「今から3分間,自由にならしてどうぞ。3分後に先生が高く手を挙げます。そしてたら,また手をひざにおきなさい。では,どうぞ。」
となりますね。
こういった,子どもの欲求を最初に満たしてあげるという考え方は,他の学習に関しても,上学年に対しても,通じるところがあるようにも感じます。
家では近所迷惑になるからと、出来ないことも多いですし、せめて学校では!
私も小学生の時、フエや鍵盤ハーモニカの練習をするにも、兄弟には「うるさい」、親には「夜はダメ」と言われて、なかなか練習できなかった記憶があります~