今年もさっそく一つ研究授業をしました。
本校は,昨年度大きな研究公開をして,今年はちょっと研修は規模を小さく。
私は変わらず研修担当ですが,外部の目を気にせず,「本当に自分たちが勉強してみたいことを,フットワーク軽くやってみよう」ということで進めています。
何の指定も受けない年っていうのは珍しいもので,来年度になればまたなんらかの指定を受けることになる可能性も高く,そういう意味では今年フリーに研修ができるのは,貴重な時間とも言えます。
そこで先生たちからアンケートをとり,本校なりの学習指導に関する研修を進めているところです。
その一発目の研究授業が,私でございました。
うーん
研修担当の私がするのは,何か「筋違い」と感じる人もいるかもしれませんが,私,研究授業をやらない年があってはいけないと勝手に思っているもんで,今回もやっちゃいました。
さて
毎回のことなのですが
研究授業前に行われる「指導案検討会」では,授業者である私は指導案を出し,自分の授業プランを話すわけですが,そのときは,何の迷いもなく,完全に
「これがベストなプランだ」
と自信満々です。
だって,自分で頭を使って,一番いいと思う形に仕上げて提示しているわけですから,当然です。
自分の中じゃそれが一番なんです。
そして,検討会でいろんな先生からいろんな意見をもらいます。
内心
(どんな意見でもかかってこい!軽く返してやるぜ!)
と上から構えています。
そして,検討会は進み,閉会するころには・・・
(はぁ~ いろんな意見もらえてよかった~ このまま授業してたら危ないとこだった~)
となっています。(笑)
そうなんです。
いつもそうで,今回もばっちりそうでした。
自分が一番と思っていたプランは,他の人の目から見るとツッコミどころが満載なんです。
自分一人でしていると,そのツッコミどころに気付かないんですね~ これが。
もちろん,「このままじゃだめでしょ」的な意見をもらい,へこみたくなるのもありますが,それは真摯に受け止め,プランを立て直します。
そして立て直してみて,やっぱり
(あ~ 絶対この方がいいね)
と思えます。
そして授業。
プランどおりに進み,自分的には結構な手応え。満足。
さあ,授業後の授業研究会。
また私は自信満々。
(なんでもかかってこい~)
そしていろんな意見や質問が出てきます。
「先生は~しましたけど,~としてはどうでしたか?」
「もっと~することで,子どもたちは~となったのでは?」
私は,
「…確かにそうですね。」
そう答えます。(笑)
だって,本当にその先生たちが言うことが的を得ているから。。。
自分的に満足だった授業も,また別の目から見ると,まだまだ改善の余地がたっくさんあるんですねぇ
ふ~ 毎回こんな感じです。
要するに
大事な仕事は,絶対に複数人でする!
この必要性です。
大事な仕事をするのに,最初から最後まで一人でしてはいけないということです。
私みたいになるから。(笑)
一人の弱さ,限界って,仕事では露骨に表れるんですね。
逆に,数の力,可能性ってすごいです。
これに迷わず頼るべきです。
自信家や,ベテランは一人でやりたがってしまうものです。
そして周囲に自分の力を示したいところがあります。
でも,本当のいい仕事人,いわゆる「プロ」は,自分の能力がどんなに高くても,それを過信せず,そこに甘えず,別の人の目を借ります。
アイディアを広く取り入れて,自分にないもの見つけます。
その柔軟性と創造性から,さらにいい結果を生み出すシステムを,自分の中に作り上げています。
常にそんなスタイルで仕事を進めていると,自然と周囲の同僚も,その人を信頼し,協力的になり,いっしょに仕事をしたいと思うようになります。
理想的な形ですね。
私の研究授業に話を戻して
指導案をたたき台として自分で作るのはいいとして,それを決して完成形だなんて思わないこと。
そのたたき台にいろんな人が足を踏み入れ,ぐちゃぐちゃに形を変えていくものだと思っておくこと。
実際の授業についても,やり終えて一旦は満足感を味わうのはいいとして,それがベストだったなんて思わないこと。
他にどんな選択肢があったのか,それを考える余地はたくさんあることを理解しておき,他者の意見を積極的に受け入れること。
研究授業は,その姿勢を学ぶいい機会にもなるんだと,今回も改めて思うことができました。