何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

2017 四方山話 輝く命編

2017-09-16 20:00:00 | 自然
「2017四方山話 推理モノ編」より

「一ノ俣殺人渓谷」(梓林太郎)の後書きで、板垣亮平氏は『登山者という人種は妙にマメで、自分の山行記録をしっかりつけている人が多』く、作家が『いいかげんな描写をすると「この季節の〇〇尾根は、こんな感じじゃない。この作者はガイドブックだけ見て書いたんじゃないか」』などという指摘(苦情)があると、書いている。

私は、歩くだけで精一杯で詳細な山行記録をつける余裕がないだけでなく、動植物の知識もないため、その点については緩い視点で眺めている。
どれくらいの緩さ情けないかというと、穂高岳山荘のテラスで宴会する登山者の足元で落し物を啄んでいる この鳥を「雷鳥かも?」と言う人の声を聞きつけ、ホイホイとシャッターを切ってしまうような、私だ。
さすがに、これは自分でも「違う」と思い調べたのだが、この鳥はおそらく「岩ひばり」

こんな私故に せっかく綺麗に咲いている花の名前も、まったく分からないので、遠慮しいしい ここに載せておこうと思う。

2017お盆の頃の上高地から横尾までの花々
  


  
 

横尾から涸沢(2350㍍)の花々
  


  


涸沢のお猿

数年前までは、河童橋周辺から徳沢あたりまで多くの猿が見られたが、ここ数年その数はめっきり減っている。
いくら啓蒙しても餌をやる人が絶えないため、人馴れした猿による被害が出る前にと、ホテルの関係者などが猿追いをして下さっているそうだ。
そうして里を追われたせいか、元々そこが棲みかだったのか、近年では涸沢で猿の群れを見るようになっているが、高地で、猿が雷鳥を捕食するという事例が発覚するなど、問題も発生している。
忘れてはならないのは、人間の方が侵入者だということ。


涸沢のお花畑? ザイテングラードから奥穂のてっぺん?あたりの花々


   

歩くだけで精一杯ということもあるし、生来無粋だということもあるが、何一つ花の名前を知らない。
ただ、花に目をとめ写真を撮るようになったことで、山を歩く楽しみが広がったような気がしている。
いつか、好きな本を数冊ザックにしのばせ、涸沢のお花畑でゆっくり読む、という幸福な時間を持ちたいと思っている。


焼岳
ここに掲載した’’岩ひばり?’’や猿だけでなく、この山域にはカモシカやクマの目撃情報もあり、特にクマについては、出没した場所と日時を記した警告看板が、そこかしこにある。
お盆の時期ということもあり花の種類は少ないが、森林限界を超えた岩陰に健気に咲く花は、ホッと一息つかせてくれるだけでなく、命の強さも教えてくれる。
だが、生きているのは、動植物だけでは、ない。
山そのものが生きている。

<焼岳で小規模な「噴気」> 日テレNEWS24 2017年8月10日 13:51配信より一部引用
岐阜県と長野県の境に位置する活火山の焼岳で、9日夜から10日未明にかけて、小規模な「噴気」が確認された。気象庁は、今後の火山活動に注意するよう呼びかけている。
気象庁によると、岐阜県と長野県の境に位置する活火山の焼岳で、9日午後11時50分頃から10日未明の午前2時頃までの間に、「空振」を伴う地震が6回観測され、山頂の西側約400メートル付近の山腹で、白い噴気が確認された。
このうち、午前0時48分に確認された噴気は、約100メートルまで上がり、東に流れたということだが、その後、噴気は次第に弱まり、午前3時以降は観測されていないという。


出発直前にもたらされたニュースは、御嶽山の惨事を思い起させ不安を感じたが、絶えず最新のニュースを取り安全を第一に考えることを再度肝に銘じ、出発した。
もちろん自然の力を侮ってはならないが、白樺の立ち枯れが幻想的な あの大正池は、焼岳の大噴火で噴出した泥流で 梓川がせき止められたことにより現出した池であることを思うと、山も生きているからこそ美しいのかもしれない。

そんな山々と本来ともにあるのは、そこに生きる動植物であって、我々人間はその恩恵にほんの一時与るだけの闖入者・侵入者だと自覚をもちながら、これからも命あふれる山で、命の洗濯をさせてもらいたいと思っている。

2017 夏 山行 感謝

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