何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

輝く’’光’’を守り、自らも光ろう

2018-12-09 23:51:55 | ひとりごと
私はあまりバラを育てるのは上手くはないが、そこは「勝手に赤い畑のトマト」ならぬ「勝手に美しい庭のバラ」で、厳寒の一時を除き四季折々美しく咲いてくれる。

バラ(全般)の花言葉は’’愛’’なのだそうだが、寒さのなか凛と咲くバラは特に見る者を惹きつけるのだろう、冬バラには「輝かしく」「いつ見ても優美である」という特別な花言葉もあるそうだし、冬の季語にもなっているそうだ。
今日12月9日は そんな凛とした美しさと花言葉にふさわしい雅子妃殿下のお誕生日だ。


つい先日 英国王室(周辺)から届けられた、ある詩と そのあたりを廻るご活動に注目していたのだが、今朝の雅子妃殿下のお誕生日を伝える新聞の一文に、このところ職場の人間関係の調整に苦労している家人が胸を詰まらせていたことから、この詩の違う側面が心に迫ってきた。

「A Return to Love」(Marianne Williamson)
Our deepest fear is not that we are inadequate.
Our deepest fear is that we are powerful beyond measure.
It is our light, not our darkness, that most frightens us.
We ask ourselves, 'Who am I to be brilliant, gorgeous, talented and fabulous?'
Actually, who are you not to be?You are a child of God.
Your playing small does not serve the world.
There is nothing enlightened about shrinking so that other people won't feel insecure around you.
We are all meant to shine, as children do.
We were born to make manifest the glory of God that is within us.
It’s not just in some of us; it’s in everyone.
And as we let our own light shine, we unconsciously give other people permission to do the same.
As we are liberated from our own fear, our presence automatically liberates others.

英国王室から発せられた この詩は、1994年の大統領就任演説で元南アフリカ大統領ネルソン・マンデラ氏も引用し広く知られるところとなった、「A Return to Love」の一部である。

この詩を初めて知った時、強く印象に残ったのは、「Our deepest fear is not that we are inadequate.
Our deepest fear is that we are powerful beyond measure.」だった。
私の理解は詩の真意とはおそらく違うだろうが、言い訳を許さないような ある種の厳しさを感じたからだ。

だが、12月9日の朝、雅子妃殿下のお誕生日を伝える新聞を読み、もう一度この詩を思い出すと、違う部分が気になってきた。

平成30年12月9日 朝日新聞朝刊より一部引用
~引用はじまり
臨床経験が豊富な精神科医の坂元薫氏は「ある活動を療養前と同じように行えるかどうか」が回復のバロメーターとみる。今年は、療養以降控えていた活動に再び取り組めた場面が目立ち、5月には全国赤十字大会に出席、6月の銀婚式には記者団からの質問に文書回答。秋の園遊会では全ルートを歩いた。雅子さま自身、「少しずつ果たせる務めが増えてきました」と感想につづった。
坂元氏は「活動が増えているのは回復してきているとみるのが一般的」と評価しながら、「公的な立場の人は無理をして振る舞ってしまう場合があり、注意が必要だ」と指摘する。
坂元氏によれば、適応障害は環境に適応できない人がなると思われがちだが、実際は環境に適応しようと努力している人がなりやすい病気だという。「だれもがかかりうる病気。偏見が減り、みんなが応援するような環境になってほしい」
~引用おわり

近年では精神科医まで「新型うつ」などを安易に語り、心の病を誤解させる原因となっていたので、記事の「適応障害は環境に適応できない人がなると思われがちだが、実際は環境に適応しようと努力している人がなりやすい病気だ」に思わず肯いてしまった。
確かに、自分ファーストで我が道をゆく人や、義務や責任に忠実でない人は、心を病むことは少ないと思われるからだ。
だが、この認識では足りない事に、すぐ気づく。

努力して適応しようする(対象の)環境が真っ当か、という問題だ。
本来 適応しようと努力する(対象)の環境が真っ当なら、心を病む必要のない人は、多いはずだ。

それを意識させたのは、今日12月9日に詩の次の箇所を思い出したからだ。
Your playing small does not serve the world.
There is nothing enlightened about shrinking so that other people won't feel insecure around you.

子どもを、いや男児を産むことだけを要求される環境、男児の命だけに価値を見出すという環境。
男児を産む女性だけに価値を見出し、優れた知性やそれを磨くための真っ当な努力を否定する環境。
男児を産めなかった女性は、そのような環境に適応するため、小さく小さく小さくなって生きる努力し、心を病んでしまわれた。

詩の一部を我流に解釈することには無理があるのは承知しているが、女性の教育や活動の重要性に力を入れている英国王室の方が この詩を朗読されたと知り、生来の才能をたゆまぬ努力で磨かれた その知性が活かされぬままに15年もの歳月を病まれた事をお気の毒に思うと同時に、そのような環境を変えることができないでいる我々国民を情けなく思ったのだ。

だが、来年5月には大きな変革の時を迎える。

お誕生日に寄せられた文章では、ご自身を雁字搦めにしてきた過去の因習という視点を離れ、将来的な地球規模の視点から環境や福祉への厳しい予測を持ちながらも、「国民の幸せのために力を尽くしていくことができますよう、研鑽を積みながら努めてまいりたい」と綴られている。
そこには、謙虚な姿勢はそのままに、しかしかつての「Your playing small」は感じられない。
宮内庁ホームページ
http://www.kunaicho.go.jp/activity/gokinkyo/02/h30-1209-ph.html

さまざまな苦しみを乗り越えられた方だからこそ、そこに希望の’’光’’を感じることができると私は思う。

希望の’’光’’を守りながら、その’’光’’に守られ、しっかり次の時代も頑張っていかねばならないと思っている。

そのように思いを新たにすることができた12月9日
雅子妃殿下 お誕生日おめでとうございます


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