何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

ワンコとともに

2016-01-28 12:01:25 | ひとりごと
誰かを応援するためのブログに、悲しい別れを書くべきか、いや心棒をもぎ取られた哀しみを記すべき言葉が見つからない、と思っていた。
だが、あれから一週間触れることのなかった、このページの検索ワードを見ると、ワンコ・老犬・介護・余命などの言葉がある。

ワンコの夜鳴きが始まり介護が必要になったとき、咀嚼がうまくいかないワンコの食事を調べたいとき、祈るような気持ちでネットを彷徨い、老犬介護の体験を綴っておられるブログを貪るように読んだ、夜。
一日でも一分でも一秒でもワンコが気持ちよく過ごしてくれるようにと、祈るような気持ちで夜毎ネットを彷徨った日々を思うと、「ワンコ、老犬、介護、夜鳴き」などで検索してこられる方の気持ちは、痛いほど分かる。

最近ではワンコも長寿社会となっており、かなり長寿のワンコ話を耳にすることもあるので、我がワンコの17歳2か月の経験を書き記すことが、お役にたつかどうか心もとないが、そもそも個体差があること、医師の指導を信じることを前提に、素人家族が感じたことを書いてみる。

我がワンコは、その痛みだけで命が危険という場所に神経痛をもっていたし、かなり若い段階で僧房弁に問題があることも分かっていた。
ただ、ワンコ獣医さんと相性がよく、丁寧に診て下さったおかげで、痛みの緩和も心拍の安定も得られていたように思っているので、医師との付き合い方として、信頼できる医師の指導には素直に従うべきだと思う。
家族が獣医師を信頼しているか否かはワンコにも伝わり、ワンコが診察台で素直に診察を受けるか否かに影響を与えうるらしく、やはり落ち着いて診察できれば、診断の正確さも上がるのだと思われる。

医師の治療に委ねるしか術がないことは、別にして、検索ワードに多い「老犬介護・夜鳴き」について、素人の気付きを書いておく。

我がワンコは最後まで自力で立とうとしており寝たきり生活は4か月半だったが、寝たきりとなって二年目というワンコも知っているので、一概には言えないのは重々承知しているが。

我がワンコが、認知症と思しき鳴き方を初めてしたのは、一年半前、15歳と半年の頃。
その頃から、少し膀胱関係で医師に相談することが増えてきた。
それ以前は朝夕の散歩で、用をたしていたワンコが、昼と夜中にもチッチを知らせるようになり、何度か膀胱炎を患うようになったのが、16歳を過ぎた頃。
膀胱炎そのものは医師の治療に委ねるしかないが、我がワンコには、尿路健康維持サポートをうたう大塚グループペットスエットゼリーが良かったと思われる。

サプリメントという点では、
医師から処方されるものも試したが、価格的に購入しやすく効果があったと思われるのは、DHC「きびきび散歩」「(瞳)ぱっちり」
高齢犬特有の白内障も関節痛も、年相応よりも良い状態だと言われていた。

<ワンコ食事>
ワンコはサイエンスダイエットのドライフードだけを食べていたおかげで、歯には問題なかったが、16歳を超えた頃から固いドライフードを咀嚼しにくくなってきた。
ワンコ仲間からは「湯でふやかしたら良い」とアドバイスをもらったが、湯でふやかすと、ドライフード特有の不味そうな匂いが強調されるせいか、食欲がすっかり減退してしまった。
そんな時、老犬介護本で「ササミの茹で汁で作った御粥が良い」と読み、試したら、美味しそうに食べるので喜んでいたが、これが結果的には良くなかったと思っている。三日でないという便秘になった。
医師によると、正確には便秘ではないそうだ。「便秘とは、出したいのに出ない状態をいう。しかしワンコの場合、御粥では栄養がなく、全て吸収されてしまっているので、出るものがない、という状態」・・・・・美味しそうに御粥は食べていたが、栄養がなく体重も減ってしまうのでは意味がない。

再度、ふやかしフードを試す
ササミの茹で汁でふやかしたものと、カボチャを形がなくなるまで煮た茹で汁でフードをふやかしたものが、大好きだった。
とくに、カボチャの茹で汁は水分としても摂っていた。

注意点
フードをふやかすと、食べかすが口内に残りやすい。
ワンコの口内炎も、そのせいだと思われるので、口内の衛生面には気をつけること。


<夜鳴き>
これが実際には一番悩ましいところとなるのだと思われる。
一年半前(15歳と半年)に初めて認知症由来の鳴き方をしたが、その後は落ち着いており、本格的に夜鳴きを始めたのは、半年前のことだった。
ワンコ仲間には、「安定剤が効いた」という人もいるが、我が獣医さんは「正確には安定剤というものはなく、抗うつ剤と鎮静剤であり、それも痴呆には効果が少ない」とおっしゃったこともあり、我がワンコは使用しなかった。
薬でない方法を模索している我が家に、ワンコ実家から「サイエンスダイエット・プロ・健康ガード脳」が新発売されたという情報が入った。
これがよく効いたという声もあるそうだし、我がワンコも多少の改善はあったかもしれないが、正確な効果のほどは分かない。というのも、これは7歳からの療養食であり、夜鳴きの症状が出てしまってからでは遅いのではないかと思われるからだ。
ともかく、哀切を帯びた鳴き声が認知症特有の鳴き方だそうで、その声の物悲しさが、家族の心を居た堪れないものにするが、より実際的にはご近所に御迷惑をかけることを心配しての心労の方が大きかったと感じている。
夜鳴きを抑える方法も、良い対処の仕方も、未だに分からない。
獣医さんは「この鳴き声を聞くと辛いでしょうが、ワンコとしては遣りたいようにやっている。もしかすると若い頃のように走っている気分で気持ち良く鳴いているのかもしれないので、あまり気疲れしないように」と常々話されていた。
このアドバイスが今も、胸にささっている。
ご近所には、多頭飼いで鳴くがままに鳴かせている御宅があり、回覧板的に問題となっているが、遣りたいようにやっているワンコにはストレスがないのかもしれない、今も元気に、鳴いている。
我が家は、ご近所迷惑を気にしすぎて、ワンコが鳴き始めると必ず抱っこをして宥めていたが、これがワンコのストレスになったのではないかという思いが拭えない。
おそらく、「ワンコ・夜鳴き」で検索される方も、ご近所への迷惑が気がかりなのだと思うのだが、答えも方法も分からない。
分からないが、我がワンコのひどい夜鳴きは、半年ほどのことだった。

「ウンチとチッチと食事、これがデキていて、それでも鳴く分には、しょうがないなぁ と鷹揚に構えていることが大事」
この言葉が、今も後悔とともに蘇ってくる。

ワンコ介護は体力的にキツイときもあるし、現実問題としてご近所迷惑という問題が頭を悩ませるが、悲しいけれど実際には(そう)長い期間となるものではないので、ワンコと出逢えた「仕合せ」を噛みしめ一瞬一瞬を大切にと心から願い、ワンコ介護されている方を応援している。




老衰

年末年始、夜鳴きはあるもののそれなりに落ち着いていたはずだが、七日から食欲が極端に落ち、粗相をするようになった。
九日に口内炎の診断を得て、塗り薬と点滴でいったんは体力が回復し、自力で立ち上がりチッチも知らせるようにまでなっていたが、食べることを拒否することが、ワンコの意思だったのかもしれない。

うまく咀嚼できないながらも、好物のチーズとプリンといちごを食べた、ワンコ。
大寒を直前にひかえ明け方の冷え込みが厳しいからと、ワンコを囲み、皆で枕を寄せ合い温かくして寝た、その日。
いつもより大きなイビキが気にはなったが、イビキの合間に気持ちよさそうな寝息ももれるので、久しぶりに安心して熟睡できた、その夜。
朝一に目を覚ました家人は、ワンコのかわいい寝顔と気持ち良い寝息に安堵していたはずなのに。
いざ、いつものワンコ起床の時間に、ワンコを抱き上げると、実体の感じられない柔らかな体から体温が奪われている。
ワンコタオルケットにはチッチとウンチが付着している。
ただ事でない事態に動転しながら、ストーブの前に横たえ、教えられていた通り、胸のあたりをマッサージすると、温かみが戻ってきたが、荒い呼吸は、やはりただならぬ事態が続いていることを示している。

やがて、荒い呼吸から下顎呼吸にかわり
ワンコの大好きな抱っこをした。

ワンコは初めて我が家に来た瞬間から、抱っこが大好きだった。
あの角度でワンコを抱くと、あのつぶらで優しい眼差しが家族を見つめてくれる。
あの抱っこが私に与えてくれるのは至福の時間以外の何ものでもなかったが、ワンコもあの抱っこが大好きだった。
その瞬間も、あの抱っこで、
私を見つめるワンコの眼差しは温かく優しく、またワンコ独特のパラボナアンテナの耳は、私の言葉を全て聞き入れてくれた。

犬星だよ ワンコ

夜鳴きチッチの度に、深夜に二人で見た美しい星たち
犬星だよ ワンコ  「星は、朝づつ、犬星」

見守っていて ワンコ

私との約束を聴きながら、眠るように笑うように、眠ったワンコ




ワンコ復活
ヤフーのニュース写真で、ワンコを見た。
京都線に無賃乗車した柴ワンコが、一駅だけ電車に乗り、忽然と姿を消したというのだ。
たった一駅で忽然と姿を消したのに、それがニュースとなり写真まで大きく載せられている。
我がワンコだ。
よく見れば、姿形は違うのだが、人を見上げる時の優しい眼差しが、我がワンコそっくりだ。
我がワンコが、泣いてばかりの我が家に元気と喝を入れるため、迷子ワンコの御体を拝借して、姿を見せてくれたのだと信じている。

我がワンコは、我が家が知恩院さんに縁があり、年に何度か家族皆でお参りすることを知っている。
ワンコも、きっと知恩院さんにお参りする途中だったに違いない。

御体を貸して下さった迷子ワンコさんが家族のもとに戻れていることを願っているが、こんな形で時々とワンコが還って来てくれることを信じて祈って待っている。

ワンコは、我が家がお伊勢さんをお参りすることも知っている。
お伊勢さんと云えば、おかげ犬だよ、ワンコ  「きらきら輝く日本と犬」
大手を振って、待っていておくれよ、ワンコ

ワンコは、神様と仏様の御遣いとなって私達の側にいてくれるし、犬星となって見守ってくれている

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