本好きだが小説はあまり読まない。
そんな中で最近多いのが、
葉室麟(はむろりん)さんのものかな。
でもこの本は小説ではなく、
葉室さんが亡くなる3年ほど前に、
京都に住まいを構えて書いたというエッセー集だ。
葉室麟さんは2005年 歴史文学賞。
2007年に松本清張賞。
2012年に直木賞。
2016年に司馬遼太郎賞を受賞している。
2015年2月から京都に住まいを構えたというのに、
2017年12月逝去。
その間に書かれたであろうこの本は、
一気に読むのがもったいなくて68あるエッセーを、
噛みしめながら読んでいる。
最初は「薪能」から始まるが、
松尾芭蕉が義仲を好んだことが書かれてあり、
その義仲を想いながら、
「あふれどもどあふれれどもー」とつぶやきながら、
葉室麟さんは夜の京を彷徨ったとある。
人生の幕が下りる・・・
そんなことをよく思う。
これまで生きてきて見るべきものをみただろうか・・・
幕が下りるその前に見ておくべきものは、
やはり見たいのだ。
葉室麟さんが見られた京を私も見てみたいと思って、
もう一冊買った。
葉室さんが京都に住まいを構えた理由は、
いずれ法然を書きたいと思われたからだという。
葉室さんの夢は間に合ったのだろうか・・・