田舎主婦の日日是好日

今日も生きてることに感謝かな。

本『与楽の飯』澤田瞳子:奈良の大仏建立その裏方

2022年08月15日 | 趣味・本

澤田瞳子さんの『与楽の飯』

『与楽の飯』なんて題名だけでは、

何が何だかよくわからないのですが、

調べて見ましたら、

 

仏・菩薩 (ぼさつ) が、

人々の苦を取り除いて楽を与える慈悲の働き。

ということですので、

与楽の飯とは、

慈悲の飯というような意味かもしれません。

 

奈良の大仏といえば、

聖武天皇・光明皇后・行基と想いだすのですが、

それを汗水流して作ったのは、

各地から3年の賦役で集められた人々だったわけです。

 

主人公は、

そんな一人の工事現場にいる若者です。

 

そして、

もう一人主人公と言える人がいます。

 

働く彼らに食事を作る炊屋の、

宮麻呂(みやまろ)です。

 

宮麻呂は大仏よりも、

そこで働く人々を、

出自に関係なく大事にするのです。

 

宮麻呂の飯が美味しくて、

激しい労務にも耐えることが出来る。

 

だから、

仕丁たちは、

「宮麻呂は自分たちの仏」だと言うのですよ。

 

 

平安時代まで存在した、

奴婢などの話も盛り込まれておりますので、

単に面白い歴史小説というには、

憚られる本でした。

 

奴婢は、

お風呂にも入れず、

食べ物にしても一日一食で、

家畜以下の扱いだったようです。

 

そのころの人の格差は、

今の比では無かったでしょうね。

 

そんな中で、

炊男(かしきおとこ)「宮麻呂」の、

どんな卑しいと言われる生まれの人でも、

大事にするという気高さは、

周りの人々にも、

感化を及ぼしていきます。

 

大仏が人を助けるのではない。

人が人を助けるのだ。

と言う宮麻呂の信念。

そして、

そんな中で造営される大仏の役割とは。

 

Keiさん、

良い御本の紹介有難うございました。

小説とは言え、

歴史の裏側を見た思いです。

 

夏休みコメント欄閉じてます。

 

コメント
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