(2004年10月、この日道具だけは持っていった。ツネさんもいたね。)
茅ケ崎という街を紹介しよう。
茅ケ崎市は藤沢市と平塚市に挟まれた小さな街だ。
湘南地区で、ここは太平洋戦争の戦火を逃れたため、街の開発が進まず古いまま生き残っている。
道は狭く、海岸沿いの住宅街は迷路のようになっている。
高層ビルはなく、住むには最適な土地で、丹沢山系や富士山を臨むことができ、気候は穏やか。
夏は比較的涼しく、冬は暖かい。
茅ケ崎には移住者が多く、オイラが知ってる仲間でももともと地元の人は少ない。
たぶん殆んどの人が海に憧れてやってくる。
海沿いに小洒落たカフェやレストランがあり、海辺には常に人がいて、とても垢抜けた雰囲気がある。
サーフボードを小脇に抱えた若者や、自転車のキャリアにロングボードを乗せた年配者が行き来する。
江ノ島が左に見え、富士山が右にそびえたつ。
沖のエボシ岩は茅ケ崎の象徴でサーファーを見守る。
多くの人はビーサンで歩き、駅デパートでも普通に女性がビーサンで買い物をしている。
海に出歩くことが多いのでミンナ黒い。
自分は普通だと思ってしまい、内陸や都内に出かけると自分の異様な黒さに驚く。
いや、他人の異様な白さに驚く。
この土地には不思議な時間の流れがあって、太陽や雲の流れや風と時間が同調している。
口でうまく説明できないけど、垢抜けた田舎に染みていく自分を見出すとその時間の流れ具合がわかる。
ここは北側の山のせいで、他の土地に比べ孤立した感じがある。
勝手にここはハワイだと思ってる人もいる。
そういうこともあってアロハな店が多く、フラが盛んだ。
フラはこの街にとてもマッチしていて違和感を感じることはない。
海はお世辞にもきれいとは言えないし、外洋の雄大さはこれっぽっちもない。
でも、冬型の西高東低が決まるとウエーブに最適なコンディションになる。
波はシフトせず、ビーチに平行にラインナップしてくる。
セットでしっかり入ってくるので、ウエーブライディングにはこの上ない条件だと思っているよ。
サイドで3.7~4.2が吹きつけ、サイズはムネ~アタマがレギュラーになる。
ここでは、ジャイブができて次になにかやる、といったレベルの人にあっていて、
おそらく98%の人がフロントを攻める。
個人的にはここに住んでいないとしても、最も好きなゲレンデで、都内に住んでいても通う海だ。
ローカルはフレンドリーで技術さえあれば安心して乗れる。
そのかわり一匹狼で来たら、もしかして他のゲレンデより阻害感を感じるかもしれない。
カレントは強く、インサイドでは潮の流れによっては立っていられない。
踏ん張っていてもどんどん下に流される。
目の前のTバーはテトラポットの積み上げでできていて、
そこに流れ込む激流カレントにはまってしまうと、もはや生還はできない。
多くの人が命を落としている。(ウインドサーファーが吸い込まれるのは稀だけど)
インサイドは風が弱いため、多くの人がゲッティング地獄に陥る。
御前崎のようにフル加速でアウトに出れない。
波を何個も越えていかなくてはいけない。
ウインド力が試される。
その点では御前崎よりはるかに困難。
ここでウエーブすると多くのサーファーと波をシェアしないといけない。
つまり波質がとてもサーフィンライクでしかも風があるので、
サーファーが多いということは波のクオリティーの高さを証明していることになる。
だから茅ケ崎に住んでいてウエーブしないということは、
目の前に宝が落ちているのに拾わないくらいもったいないことなのだ。
ただし、デメリットもある。
サーファーの動きを知っていること。その波に乗るのはサーファーかウエーバーか判断できること。
これがわからないと余裕のあるライディングはできない。
突然、目の前にドルフィンで抜けてくるサーファーがいるし、
BBの女性はウインドを目前にすると氷のように固まってしまう。
その海特有のクセを知らないと凄く危険。
ルールをしっかり守れば、最高のウエーブができる。
こうやって書いていたら、とてもサイドで乗りたくなったなあ。
サイドはドラッグと同じでその快感を知ったらやめられない。
身体が勝手に求めてしまう。
ウエーブはやばい。
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