書棚にある(昭和八年発刊)「輝く陸軍寫眞帖」から毒ガスの訓練をしている市民と兵隊の頁を転載します。
>文字起こし<
毒瓦斯救護隊の活躍
毒瓦斯の使用は國際條約を以て禁ぜられてゐるが列國はどしどし研究と毒瓦斯の製造を行つてゐる。一度戰端が開かれたら直ちに戰場を呪はしき毒風が葢ふことになるだらう。寫眞は救護隊が防毒具をつけて、毒瓦斯による傷兵を救護してゐる光景。
この頁の三枚の寫眞は何を物語るものであるか、日く立體戰、日く物理戰日く化學戰の慘状最も甚しき一例であるがかる恐るペき戰爭をどうして防いだらよいかといふことは科學者の敎へを待つまでもなく國防充實の一語に盡くることを肝銘せねばならぬ。
(了)