先行返還ありうるが、その場合は平和条約締結すべきではないと日本共産党小池書記局長が11日、国会内会見 をしました。
日本共産党の小池晃書記局長は11日の記者会見で、ロシアとの領土交渉をめぐり歯舞(はぼまい)諸島と色丹(しこたん)島の返還合意で平和条約を締結するという案が政府内で浮上しているという報道について問われ、「先行返還はありうるが、その場合も、決して『平和条約』を結んではならない」と強調しました。
日本共産党はこれまで一貫して、全千島の返還を求める立場で交渉を進めるべきであると主張。歯舞諸島、色丹島については、そもそも千島列島には含まれない北海道の一部であり、平和条約の締結を待たずに早期に返還されるものであると主張してきました。
小池氏は、歯舞諸島、色丹島の2島返還で合意した場合、ロシアと何らかの条約を結ぶのであれば、友好条約などの中間的な条約にすべきだと強調。「2島返還で平和条約を締結してしまうということになると、国境線を画定することになり、それ以上の領土交渉の道が閉ざされる」と指摘。「日本共産党は、全千島が、本来、日本に返還されるべき領土であるという立場だが、2島返還で平和条約を締結してしまうと、政府がいう国後(くなしり)、択捉(えとろふ)の返還まで不可能にする道に進んでしまう」と強調しました。
・・・・・・・・(しんぶん赤旗)から引用
日本共産党の千島列島領土問題は、次のように述べています。
全千島1875年、領土と画定
●択捉島、国後島の南千島はもちろん、千島列島全体が日本領です。日ロ間で結んだ樺太・千島交換条約(1875年)で画定されています。
千島放棄を再検討し、全千島返還交渉を
●日本共産党は、戦後処理の不公正をただして、千島列島を放棄した条項にとらわれず、全千島返還の交渉をするよう提案しています。
●歯舞、色丹は千島ではなく北海道の一部であり、即時返還されるべきです。
このことを軍事史から見てみましょう。
「北海道の一部」と言われていますが、日本陸軍の配置は第89師団の守備地域であり、北海道の軍隊・第7師団ではありませんでした。
ウイキ「日本陸軍第7師団」
ウイキ「日本陸軍第89師団」には「師団の一部は色丹島に派遣された。」と明記されています。
管理人の書棚にある1999年8月10日共同通信社刊
「日ソ戦争への道 ノモンハンから千島占領まで」を見てみたいと思います。
508頁《南千島での軍事行動》
『南サハリンの解放後、直ちに南千島列島に部隊を上陸させる準備が始まった。八月二八日には索引船二隻が択捉島に接近し、部隊を上陸させた。日本軍は抵抗しなかった。九月一日、部隊が国後島と色丹島に上陸した。
歯舞諸島の占領では興味深い話が残っている。九月二日、北太平洋艦隊司令官はレオーノフ海軍大佐に対して、この作戦の実施準備を命じ、当時、国後島にいたチチェリン海軍少佐にこの任務を課し、太平洋艦隊本部が要求するように、九月三日に行動計画を報告するよう命じた。大泊にいたレオーノフは、直ちに無線によってこの命令をチチェリンに伝えた。チチェリンあての電報を太平洋艦隊と北太平洋艦隊に送ってから、レオーノフは次のように書き足した。「チチェリンとの連絡は不良。フリゲート艦第六号には出来の悪い無線兵がいる。その結果、彼に一九四五年九月三日に必要なのは計画であって、行動ではないと説明できなかった」
チチェリン海軍少佐は、レオーノフの命令を受け取ると、作戦の実行命令と理解し、直ちに命令の実行に取りかかった。次の二日間に彼は多楽島(ボロンスキー島)、志発島(ジェリョンメイ島)、勇留鳥(ユーリー島)、水晶島(タンフィーリエバ島)に部隊を上陸させ、日本軍捕虜を上陸用舟艇に乗せて、国後島に運んだ。
歯舞諸島を占領するためにチチェリンが率先して取った断固たる行動は高く評価され、太平洋艦隊本部に報告された。太平洋艦隊本部は、当時、何ら政治的困難をもたらさなかったチチェリンの行動を承認した。
このようにして、日本人が「北方領土」と呼ぶ択捉島、国後島、色丹島、歯舞諸島のソ連による占領は、一九四五年八月二八日から九月五日までに、無血で、日本軍の目に見える抵抗もなく行われたのである。』
「サハリンと千島列島での戦闘行動」図
歯舞と色丹は北海道の一部であるが、ソ連(ロシア)の史資料からの軍事作戦と、日本陸軍の軍隊配置から見た通り、飽くまでもソ連軍の不当な軍事占領であることは明らかなのです。それを返還したのは「アベさま」だと威張れるほどの問題ではありません。
管理人は、共産党の千島列島政策は歴史的に正しいと思っています。世界を見渡しても「領土問題」は世紀を超えて未解決が多く存在します。自民党と安倍内閣の損得勘定で、国益である「領土問題」を弄っては困ります。
共産党ホームページから
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