さる6月22日に中野区役所職員有志の「しょうけい館l・靖国神社見学会」をガイドしましたがレポートが送られてきましたので転載します。
~雨の中、会員9人が参加~
6月22日、あいにくの雨の中、会員9人が参加し、しょうけい館と靖国神社を見学してきました。元新宿区議の長谷川順一さんにガイドをお願いし、午前中はしょうけい館を見学しました。しょうけい館は戦傷病者に関する国立の史料館です。ここには戦争の英雄をたたえるような勇ましいものではなく、戦地の悲惨な実態を伝える展示があります。更に印象に残ったのがガイドの長谷川さんのお話で、夏目漱石は徴兵逃れのために本籍を北海道に移したそうです。韓国で人気俳優が徴兵逃れをしたことが発覚して世間の批判を浴び、改めて応召し入隊したのはつい最近のことですが、なぜ正々堂々と「私は徴兵を拒否します」と宣言できないのでしょうか。また、戦傷病者の中には肉体ではなく精神を病んだ人達も多かったというお話には、イラク戦争に従軍した米軍兵士の中にPTSDと診断された人達が少なくないという報道を想起しました。
九段会館の中の食堂で昼食をとり、午後は靖国神社を見学しました。付近には右翼団体の車があり戦闘服を着た右翼の人達もいる中で私たちは若干緊張しましたが、長谷川さんは別に気にすることもなく平然と説明をしてくれました。参道に狛犬のように並んでいるのが戦利品として清国から奪ってきた物だとか、他の神社のように木や石ではなく金属製の鳥居があるのは砲兵工廠(大砲を造る工場)で造ったものだとか言うところに、いかにも軍国日本を象徴する神社であることが感じられました。遊就館の中には古代・中世から太平洋戦争に至るまでのさまざまな兵器が展示されているほか、パネル展示では明治維新から日清・日露を経て太平洋戦争までの歴史が展示されています。一見客観的な歴史展示のようでありながら、戦争に突入していったのが世界情勢から必然的な流れであったと印象付けるよう、よく工夫されていることが感じられました。
先にも書いたようにガイドの長谷川さんは右翼の人達の前でも堂々とし、靖国神社の人達とも顔なじみになっているようでした。このことについて長谷川さんは、「誹謗・中傷」をするのではなく戦争遺跡としてのガイドということでやっているから靖国神社の人達も何も文句は言えないということでした。