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戦後50周年記念新宿平和文集「五十年目の伝言」

2015年03月25日 | 「五十年目の伝言」から
戦後50周年記念新宿平和文集「五十年目の伝言」

記念文集の出版にあたって
一九九五年八月十五日、わたしたちは戦後五〇周年を迎えました。
 五〇年前のこの日、天皇制政府が連合国のポツダム宣言を受諾し、第二次世界大戦が終わりました。
 敗戦にいたる半世紀は、絶え間ない戦争の時代でした。そして戦争は、わたしたちにもアジアの人々にも、消し去ることのできない記憶を刻みつけました。それは一人一人にとって、耐えがたい苦しみや悲しみ、怒りとなって、今も疼きつづけています。
 戦後五〇年の今年、世界の各地で第二次大戦にかかわる、さまぎまな催しが行われました。
 日本の国会でも「戦後五〇年決議」なるものがなされました。しかしそれは国際的にも批判に耐えるものではありませんでした。
 歴史は民衆がつくるものであり、それは時に大きな犠牲と長い時間を必要とします。わたしたちは戦前戦後、そのことを身をもって体験しました。
 戦争中、圧倒的に多くの人々は、戦争という渦巻さの渦の中にいました。それゆえに戦後五○周年は、わたしたち一人一人の体験をとおして、歴史を見つめ、考え、行動の力にしていく、よい機会であると考えました。それは戦争を体験しない人々にも役立つものと確信します。
 戦後五〇周年の企画に、多くの方々の応募と声援をいただいたことに、呼びかけ人一同として感謝する次第です。
よびかけ人
市川 城
大槻 健
小林貞雄
庄司博一
茶山克巳
平山知子
広沢賢一
村越喜市
渡辺保之
一九九五年一〇月一五日

 目 次
記念文集の出版にあたって‥‥‥‥‥…
新宿区における空襲の記録………………実行委委員会編
「愛育の家」始末記………………………牧田 亘子
火の川………………………………………市川  城
終戦前後のこと……………………………山本 隆造
戦時下に過ごした少年期‥‥‥…………綿貫 洋一
戦中戦後、生残った生活…‥‥…………中村しずゑ
間時代に成長の記・…………………畠中 光春
特攻隊志願‥…………‥…………………田中 孝美
特攻志願者は一歩前へ!…………………岡本 信吾
私の軍隊生活と経歴………………………小俣 佐夫郎

帝国陸軍二等兵として………………‥…茶山 克巳
フィリピン戦記……‥……………………国武 吉夫
戦後五十年、私の想い……………………皆川 太郎
動員学徒の集団反抗………………………境  鶴雄
兵隊と戦後の記録…………………………神田 玄一
捕虜断片記・………………………………井元 義夫
戦後五〇年、被爆五〇年の年に‥‥‥…浦添 嘉徳
(詩)妹 馬場澄子のこと………………近藤 久子
五〇年目の墓参……………………‥……近藤 久子
(短歌)私の八月一五日…………………諸岡 綾子
遺書………………………………………‥保坂 キミ
(詩)連作叙事詩 螢の家…‥‥‥‥‥中  正敏
日記「日本の敗戦に歓喜す」……………島袋 憲英
占領下で区民の生活と権利を守って……渡辺 保之
レッドパージ………………‥……………小林 貞雄
メーデー事件とその裁判…………………天野 新一郎
私の六〇年安保闘争………………………島袋 達男
和して同ぜず、日中友好…………………広沢 賢一
子どもに対する残酷史・…………………古賀慶次郎
人骨問題の幕引さを許さず・……………長谷川 順一
一九三〇年・新築地劇団・‥‥‥‥‥‥松浦 幹
私を支えてくれた家族‥‥・‥…‥‥‥村越 喜市
「響ゆるマスト」印刷までのこと…‥‥黒崎  保
夫・紺野与次郎とともに・‥‥‥‥‥‥紺野 キミ
徴兵忌避のたたかい‥・‥‥‥‥‥…‥中西 三洋
編集を終わって……………………………実行委員会
表紙カバー 吉田 隆造

編集を終わって
 今年は戦後五〇周年にあたり、いろいろな所で戦後五〇周年行事や出版などが行われましたが、新宿でも記念事業を考えようという意見が、二、三の方々から出されました。
 本年五月に数人の者で相談を持ち、「平和のための語り部」のような趣旨で、戦前、戦中、戦後の革新運動や戦争体験を、一冊の本にして出そうということになりました。
 そこでこの趣旨をご理解いただける方に「よびかけ人」をお願いして、広く原稿を募集して出版することにしました。
 実行委員会をつくり、具体的な推進にあたって来ましたが、今年は十二年に一度という選挙の年で、四月の統一地方選挙と七月の参議院選挙が連続し、終戦記念日からずれた計画にならぎるを得ませんでした。
 この企画は多くの方々に歓迎され、三十四人の方から原稿をお寄せいただくことができました。いずれも体験者ならではの胸を打つものであり、次の時代に向けて光りを引き継ぐ出版となったと確信しています。
 この文集には、戦前・戦中・戦後の体験が綴られています。表題を『五十年目の伝吉山としましたが、それはこの三十五編の体験記がいずれも、五十年前の敗戦を起点として読む人によびかけていると考えているからです。
 編集の順序は、この文集を手にされる方々の体験と重ね合わせて、おおよそ戦中・戦後・戦前の順としました。
 戦中記については、戦場や軍隊生活、空襲下の生活や疎開、また捕虜としての抑留記などがぁります。そこには侵略戦争の非人間性、アジア諸国民への加害者としての赤裸々な姿、戦火にまさ込まれた人びとの苦しみなどをつうじて、戦争への怒りが、告発されています。
 戦後記には、戦前の反動的思想を引き継いだ戦犯政治と、事実上の「占領」支配をつづけるアメリカの覇権主義へのたたかいが語られ、共感をよぷものとおもいます。
 戦前の暗黒政治下のたたかいについては、応募者も少なく、「戦後五〇年」を実感しました。過酷な弾圧下での不屈なたたかいの生き証人として、貴重な記録をお寄せいただいたことに、心から感謝申し上げます。
 私たち実行委貞会の活動にも、それぞれの仕事との関係で不十分な点がありましたが、お許しをいただきたいと思います。
 この文集を作るにあたり、快くよびかけ人をお引さ受けいただいた方々、また熱暑のなか執筆された応募者の皆さん、声援を送ってくださった皆さんに、実行委員会として厚くお礼を申し上げます。
 この文集が多くの方々に読まれ、平和・革新運動の一助になることを心から願っています。
  一九九五年一〇月一五日
戦後五〇周年記念文集出版実行委員会
事務局長 渡 辺 保 之

【注】
①1995年10月25日に戦後五〇周年記念文集出版実行委員会・発行責任者渡辺保之で発刊しました。頒価1000円(絶版)
②よびかけ人の中で渡辺保之さん以外と執筆者の約三分の一はご逝去されています。
③安倍総理の「戦後70年談話」を巡って国内外で議論されている現在、この文集をアップしていくことは大変意義があると考えております。

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