「区内最古の土木構造物・四ッ谷トンネル」
JR四ッ谷駅の隣に1914年、社団法人として設立された土木学会があるのをご存じでしょうか。
毎年、学会内の土木史研究委員会では「日本の近代土木遺産―現存する重要な土木構造物二〇〇〇選」を発表しています。
その中で「A」にランクされているのが銀杏並木で有名な神宮外苑「絵画館通り」です。推薦理由は「本格的なネオ・バロックの首都計画=東京を代表する道路景観の一つ/上下水道・電線・ガスすべてを地中化した模範道路」となっています。他に国会議事堂と赤坂離宮(迎賓館)の三カ所が東京におけるネオ・バッロク風の都市計画と言われています。
天皇・皇后が乗った馬車が皇居を出発し、新宿通りを走ってきて四谷見附橋を直角に左折すると赤坂離宮を正面を臨むように設計された並木道も「迎賓館前のユリの木並木」としてランクインされています。
新宿区内でさらにランクされているのものに四ッ谷駅から信濃町駅よりにある四本のトンネルがあります。
その中、明治27年に開通した煉瓦+石ポータルの「旧御所トンネル」(総武線緩行下り線)は区内で最古の土木構造物の一つです。あとの三本はコンクリートポータルの「御所トンネル」(総武線緩行上り線・快速線上下) です。
「旧御所トンネル」を見学するためには東京メトロ丸ノ内線四ッ谷駅池袋行きプラットホームの突端まで行ってください。改札口で駅員に「トンネルを見せてください」と言えば入場券を買わなくても見せてくれます。
南北線市ヶ谷駅コンコースに「江戸城歴史コーナー」がありますが、同じように駅員に言うと改札を通してくれます。
さらに英国製で石造の馬水槽と外堀に残る唯一の戦前の水門「新見附水門石」(花崗岩とコンクリート水門)もありました。