朝日新聞10月18日「ここが大事」から転載
歴史から現在と未来知る
学習院大学 鶴間和幸教授
「社会に役立つこと」を重視する風潮が最近強まっています。政府から人文社会系学部の統廃合の話が出たのもそうです。そして、歴史、考古学は「役に立たない」学問の代表例と見なされがちです。
しかし、歴史の真実を追うことは、人間の歩み、営みを追うことです。単に過去を知るのではなく、現在と未来をも知るということです。役に立たないとはとんでもない。
学部での4年間は、どんな学問分野であれ、じっくり取り組むことが大切です。しっかり勉強した学生は多種多様な場で活躍しています。史学科で言えば、身につけた、多くの史料を探してまとめる能力と、創造的な思考が、実は社会に「役立つ」のです。
「連絡帳」
■「地域貢献」掲げる学長声明を採択
全国86の公立大学でつくる公立大学協会は12日、名古屋市内で臨時総会を開き、「地域の創生を担い、地域の未来を考え続ける」とする学長声明を採択した。地方の国立大学も「地域貢献」を掲げる中で、公立大学の存在意義を改めてアピールした。
国が来年度予算に向け、国立大の三つの重点支援枠を提示すると、半数以上の55国立大学が「地域貢献」を選んだ。声明は、こうした国立大改革の動きを意識したもの。
歴史から現在と未来知る
学習院大学 鶴間和幸教授
「社会に役立つこと」を重視する風潮が最近強まっています。政府から人文社会系学部の統廃合の話が出たのもそうです。そして、歴史、考古学は「役に立たない」学問の代表例と見なされがちです。
しかし、歴史の真実を追うことは、人間の歩み、営みを追うことです。単に過去を知るのではなく、現在と未来をも知るということです。役に立たないとはとんでもない。
学部での4年間は、どんな学問分野であれ、じっくり取り組むことが大切です。しっかり勉強した学生は多種多様な場で活躍しています。史学科で言えば、身につけた、多くの史料を探してまとめる能力と、創造的な思考が、実は社会に「役立つ」のです。
「連絡帳」
■「地域貢献」掲げる学長声明を採択
全国86の公立大学でつくる公立大学協会は12日、名古屋市内で臨時総会を開き、「地域の創生を担い、地域の未来を考え続ける」とする学長声明を採択した。地方の国立大学も「地域貢献」を掲げる中で、公立大学の存在意義を改めてアピールした。
国が来年度予算に向け、国立大の三つの重点支援枠を提示すると、半数以上の55国立大学が「地域貢献」を選んだ。声明は、こうした国立大改革の動きを意識したもの。