「日本外交年表竝主要文書」79年前の1945年から(其の二)
昭和二十年二月十四日 「近衛公爵御上奏文」 敗戦は遺憾ナガラ最早必至ナリト存候
世田谷区中央図書館蔵「木戸幸一関係文書」より
「天皇御下問」 モウ一度戦果ヲ挙ゲカラデナイト中々話ハ難シイト思フ。
「近衛公御答」 ソウ云フ戦果ガ挙ガレバ誠二結構ト思ハレマスガ、ソウ云フ時期ガ御座イマセウカ。
岩波新書 原武史著「昭和天皇」143~144Pに、次のような記述があります。
「努力と神力によって」
(前略)両者のやりとりは、「近衛は極端な悲観論で、戦を直ぐ止めたが良い云うふ意見を述べた。私は陸海軍が沖縄決戦に乗り気だから、今戦を止めるのは適当ではないと答えた」(天皇独自録)という天皇自身の回想からも裏付けられる。 三月六日、天皇は日光に疎開していた皇太子に手紙を書いた。そこには、「空襲見舞ありがとう 戦争は困難であるが 最善の努力と神力によって時局をきりぬけやうと思って居る 祈念にたいしては ありがたく思って居る」(橋本明『昭和抱擁』日本教育新聞社、一九九八年。傍線引用者)と記されていた。
(了)