コバケン先生の第九、初コーラス稽古。
レッスン前、楽屋にご挨拶に伺うと「福島さんとははじめてですよね。ボクの第九は変わってますから・・」と、何やら波乱を予感させるご発言に戦々恐々・・。
コーラス一同、体操と発声練習を終え、拍手とともにコバケン先生をスタジオにお迎えすると、「まず、Mの(練習記号)あたりから(福島さんの指揮で)聴かせてくれる?」とのリクエスト。演奏しながら、途中、何度か振り返るも、「もう少し」「もうちょっと先まで」といことで、結局はドッペルフーガの手前までを、コバケン先生の御前で指揮をするという畏れ多いことになってしまった。
結論を申し上げると、我が大阪フィル合唱団の歌声はコバケン先生のお気に召した。いやあ、ホッとした。
もちろん、コバケン先生の求める音楽とボクのつくってきた表現には違いがあるので、そこからは我々がコバケン先生の音楽に寄り添うための時間となったが、それはバトルとは無縁の和やかな世界。先生はご満悦のうちに「あとは、お任せします。よくここまで仕上げられましたね」と僅か1時間ほど振られてお帰りになられた。
その後は、コバケン先生の教えを確認しながら、コーラスとともにほぼ通すこととなったが、それはそれは示唆に富んだ、愉しい時間であった。今回の「炎の第九」のためのみならず、ボクの第九指導のための引き出しを増やすことができたのは、とても有り難いこと。
いよいよ、明日はオーケストラ合わせ。コバケン先生がボクらをどんな世界に連れて行ってくれるのか楽しみでならない。