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今宵はオペラシティ・タケミツホールにて、ブロムシュテット&バンベルク響のブルックナー7。
前プロは、モーツァルト34番。
ベートーヴェンで聴かせたノン・ヴィブラート奏法がより徹底された、幸せと微笑みに満ちたモーツァルト。まさに楽興の時!
ブルックナーは、ブロムシュテットらしく、まったく毒気の全くない清廉な演奏。どこをとっても美しく、今宵ばかりは批評をする気持ちにもならない。
終演後は、金子建志先生や友との語らいのとき。名演奏を聴いたあとだと否が応でも盛り上がる。
「ブロムシュテットのブルックナーは、アンチ・ワーグナー」とのお言葉こそ、金子先生ならではの鋭いご指摘。「普段マイスタージンガーとかを振ってる人だと、ああいう音はつくれない」。うーん、なるほど。その通りだ。
ボクはといえば、ブロムシュテットのブルックナーに畏るべき父なる神の不在を感じたことが、唯一の不満だったか。どこまでも優しすぎる、愛に満ち溢れ過ぎていると言えば、罰が当たるな。
近年、生で聴いたブルックナーの中では、抜きん出て素晴らしい演奏であったことに変わりはないのだから。
89歳の巨匠には、1日でも長く、お元気で、そして、指揮台に立ちつづけて頂きたい。そういう祈りを残して初台を後にした。