福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

コンマス崔 文洙さんとの楽興の時!

2016-11-10 23:25:48 | コンサート


今宵は大阪フィル会館にて、シモーネ・ヤングさんとのブラームス「運命の歌」オケ合わせ。一昨日、昨日と日を重ねる毎にオーケストラの響きも素晴らしくなってきた。コーラスも良い感じに仕上がり、明日、明後日の本番の成功は疑いないところである。

シモーネさんの感動的な練習後には、コンマスの崔文洙さんとの熱い語らい。崔文洙さんとかしこまって書いたけれど、本当は崔君、福島君と呼びあう仲。というのも、桐朋学園時代に共に学んだ(彼の方が年下だが)同窓生なのである。

卒業から30年の時を経て、こうして仕事をご一緒できるのは有り難く、嬉しいこと。とびきり美味のパスタを頂きながら、今後の夢や展望について語り合った。もつひとつの楽興の時とも呼べるだろう。

因みに、崔さんは、来年3月5日(日)の新潟県長岡に於けるモーツァルト「ジュピター」&「レクイエム」のコンサートマスターでもある。旧友の願いを快く引き受けてくれたことを感謝するとともに、今から楽しみなところである。



さて、コーラスとの合わせの前には、第2交響曲の練習を聴かせて頂いたが、超弩級の名演となることは間違いない。今回は是非とも初日を聴いて頂き、さらに二日目も聴いて頂きたい。

本番前の高揚した気分でレコード屋にゆくと

2016-11-10 22:11:35 | レコード、オーディオ
こうなります・・。

斎藤秀雄メモリアルコンサート/小澤征爾・秋山和慶&桐朋学園斎藤秀雄メモリアルオーケストラ(フォンテック)


シベリウス「5番」/タクセン&デンマーク国立放送響(独デッカ)


フランク:交響曲二短調/バルビローリ&チェコ・フィル(捷スプラフォン)


シューベルト「4番」「未完成」/ジュリーニ&シカゴ響(独グラモフォン)


プロコフィエフ「5番」/カラヤン&ベルリン・フィル(独グラモフォン)


1984年ベルリン・コンツェルトハウス(旧シャウシュピールハウス)再開記念コンサート ベートーヴェン「5番」/ザンデルリンクほか(旧東独エテルナ)


ドヴォルザーク「7番」 /ビエロフラーヴェク&チェコ・フィル(英BBC)


ブラームス「3番」/ケンペ&ベルリン・フィル(英EMI)


ベルリオーズ「幻想交響曲」/ケンペ&ベルリン・フィル(英EMI)


ドヴォルザーク「新世界より」/クーベリック&チェコ・フィル(デンオン)


ブラームス「1番」/コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(旧東独エテルナ)


ニールセン「交響曲全集」/ブロムシュテット&デンマーク放送響(英EMI)


サン=サーンス「交響曲全集」/マルティノン&フランス国立放送響(英EMI)


ワーグナー管弦楽曲集/アンセルメ&スイス・ロマンド管(米ロンドン)


フランク「前奏曲集」/ベグネ,pf(仏フィリップス)


リムスキー=コルサコフ「シェエラザード」/クレツキ&フィルハーモニア管(英EMI)


ワーグナー管弦楽曲集/オーマンディ&フィラデルフィア管(米コロンビア)


メンデルスゾーン「5番」「真夏の夜の夢」組曲/パレー&デトロイト響(米マーキュリー)

和歌山で陽水を聴く

2016-11-10 09:42:56 | コンサート
どうして、わざわざ和歌山なんぞで井上陽水を聴くのか? と問われそうであるが、11月9日の夜にレッスンがなく、関西地区のコンサート情報を検索していてヒットしたのである。別にオーケストラや室内楽などがあれば、そちらを選んでいたかも知れないが、和歌山市民会館までのアクセスを調べてみるとビックリ。大阪フィルハーモニー会館最寄りの天下茶屋駅から南海電車の特急でおよそ1時間で着いてしまうのである。



結論をいうと、このコンサートを聴くことができてよかった。先月のオーチャードホール公演よりも数倍楽しむことができたのだ。その理由は一にも二にもPAのバランスにある。渋谷ではバックの音がワンワンと響きすぎて陽水の歌詞が聞き取りにくかったのに対し、今回は概ね明瞭に聞くことができた。概ねと言ったのは、休憩を挟んだ後半になって音響スタッフが張り切ってしまったのか、全体のボリュ
ームが上がってしまい、陽水の歌声をマスクしてしまう場面もあったからだが、致命的とまではいかなかった。



セットリスト(選曲)にも驚かされた。同じツアー上にあるに関わらず、渋谷のときと半分近くが入れ替わっていたからである。「闇夜の国から」が聴けるとは! こういう点はセットリストの固定化されているチューリップにも真似してほしいところだ(どうせ同じ客がリピートするのだから・失礼!)。



地方公演に於けるリラックスした陽水もよく、地元の聴衆の心をくすぐるトークも巧み。もちろん音楽的な手抜きはなく、休憩15分を含む3時間にも及ぶエンターテイメントを満喫させてくれたのである。

井上陽水一座、今宵は大阪のフェスティバルホール公演とのことで、すぐ近くなので駆けつけたいのはやまやまだが、その時間帯には大事な大阪フィル合唱団のオーケストラ合わせがある。陽水に程良い心のリラックスを頂いたところで、明日と明後日の定期演奏会に向けて、集中していきたい。



シモーネ・ヤングさんのオーケストラ稽古

2016-11-10 01:21:31 | コーラス、オーケストラ
昨日は、大阪フィル会館にてシモーネ・ヤングさんのオーケストラ稽古を見学させて頂いた。



「運命の歌」をコーラス抜きで聴く機会というのはそうそうあるものでなく(本当を言うとコーラス付きでも滅多に演奏されない)、それだけでも有り難いのに、シモーネ・ヤングさんの描く作品像の美しさに、聴きながらの至福を味わった。テキストの内容を楽員と確認しながら、そこに鳴る音が徐々に映像化されてゆく様は壮観であった。

「悲劇的序曲」に於いても、意図する音楽表現を具現するためのボーイングや奏法、音の軽重や音価の扱いの指示が徹底されており、さらには楽器間のバランスに細心の注意が払われ(とくにピアノやピアニシモへの強い要求)、見通しのよい音楽となる。それでいて、ブラームスらしい渋い響きの生みだすあたりがシモーネさんの非凡なところだ。

そして、何より尊いのは、そこにシモーネさんならではの熱い情熱と卓越した造型感覚があることであろう。その良さが存分に生かされていたのが「第2交響曲」ということになる。

昨日の練習を聴きながら、なぜ自分が東響との「4番」にあれほど感激したのかを確認することができた。音楽的に重要なフレーズをしっかり鳴らしたかと思うと、経過句のような場面では鮮やかに加速する。その加速と減速その塩梅が往年のドイツの巨匠たちに通じているのである。

いよいよ本夕はオーケストラとコーラスの合わせとなるが、シモーネさんの棒の下、どのような化学反応が生まれるのか楽しみなところである。