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明鏡   

鏡のごとく

「牛の鈴音」 と 「精神」

2011-08-10 21:33:02 | 日記
「牛の鈴音」 と 「精神」 を見る。

牛の鈴音は、韓国の牛とともに農業を営んでいる老夫婦の物語。
そこには日本と変わりない風景が広がっている。

すこしだけ、なにかがずれている世界ではあるけれど。

農薬を撒くことで仕事が楽になるとつぶやく老婆は農作物の間に容赦なく生えてくる草をとる。
それを尻目に老人は牛に農薬の降り掛かったものは食べさせられないといいながら別の場所で草を刈る。

死ぬまで働く牛と老人。生きるということはそういうことだと言うこともなく働く牛と老人。
風景と同じ生活。生活の匂いと空と時が同じ速度で動いている。
そこから鈴の音が聞こえる。



精神 は 心の病を患った人が集う場としての診療所での日常が淡々と描かれる。

言葉というよりも 話が 声が 聞こえる。 

風景・景色というよりも 区切られた部屋の中で人は病み/働いている。

共依存ともいうべきその場。

それぞれに抱えている重々しい物語があるにしろ、匣の中で隠し持たれているものを覗き見るカメラ目線。 

「精神」とは 一体なんなのだとカメラが突き詰めているのかは、未だに分からない。