明鏡   

鏡のごとく

黒々としたにちじょう

2011-11-27 19:53:01 | 
福岡城址の木々の上 黒々とした鴉たちがいた
人の足音を聞きつけて 黒々とした声でないていた

ちかづく足音に休符をつきつけるように
太く黒々とした木の枝を落とした


 ここからさきは きてはいけません


枯れ葉に足音を吸い取られながら
人はきびすを返した

右手にあった木の階段を上り下った
向こうには石積みの城壁


 ときはつまれたが ここでなくした


ここにも鴉だ 黒々とした鴉だ
白い袋をもてあそんでる

さっきの乳母車の若い母親の残した残骸か
ゴミ箱からあさってもてあそんでる

 
 かみおむつからうまれた やけに黒々としたにちじょうだ