心を失わないようにするために 2017-04-17 21:33:15 | 詩小説 心を失わないようにするために 例えば水たまりの水を流すように溜まったものを膿むのではなく 頭上から落ちてきた一本の茅をすくい上げるように集めること 例えば天上から雷が落ちてきた震音を聞いても どこに落ちたかわからないように 私たちは肌で感じながら生きてはいたが 知らない世界がつながっていくように 赤い太陽が沈む頃 家に帰り着くのだ 山の中にいながら 山の向こうを見るように 奥の奥をのぞむものなのだ